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嶺音side
「やっほーきたよー」
今日もこの一言を合図に、配信が始まる。
「じゃああと一曲だけリクエスト受けようかな」
配信も終盤に差し掛かり、私は最後の曲に入ろうとしていた。
チャット欄にて
ねおたむの下僕 ーーーー歌って欲しいです！
ほこり。 ーーーさんのーーとかどうですか？
マーチ メメントリの腐れ縁とか？
( ᐙ ) ーーーー歌えたり、？？
きっと偶然なのだろうけど、チャット欄には、私のよく知る腐れ縁という曲が流れてきた。
見逃すつもりだったが、思わず声が出てしまった。
「腐れ縁…」
私の声が漏れると、チャットは揺らめいた。
知らない人の方が多いようだったが、知っている人もチラホラ。
確かに、歌配信をしている私と、はるさん達のゲーム実況じゃ、ジャンルが違いすぎるし、知らないのも当然と言えるのかもしれない。
その、メメントリを知っている一部のファンからは、期待の声が届いていた。
私が歌うか否か悩んでいる間に、メメントリを調べていたのだろうか。
歌って欲しいという期待の声は、1部とは言いきれないほどに増えていった。
ここまで来るとファンの期待を裏切る訳にも行かないので、少しだけ歌うことにした。
「えー、じゃあ1番だけでもいいなら…」
腐れ縁を歌い終わり、私はそろそろ配信を終わろうとしていた。
「あ、そうえいば」
「これから1週間毎日配信するよー」
私は予定していた通り、配信の告知をした。
喜んで貰えるか少し不安ではあったが、チャット欄を見る限りは大丈夫そうだ。
配信を終え、一息つこうとスマホに目をやると、1件のメッセージが届いていた。
