テラーノベル
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「……であるからして、我々中年男性の毛髪が少ないのは、不可抗力で……」
キーンコーンカーンコーン
「おっと、もうこんな時間、毛根な時間になってしまいました。次の授業までに課題を出しておいてください」
「きりーつ、礼!ありがとうございました」
クラスのみんなにとっては退屈な先生の脱線話を、私は笑って聞いていた。
私の自己紹介を簡単にしますね。私の名前は百代陽葵(ももよ ひまり)です。トーキョー都のフツーの高校、虹川高校の2年生です!
頭の中だけはこんなにペラペラと話せるのに、いざ現実になると
「えっ、百代さん笑ってんだけどw」
「真面目キャラって、そーゆーとこあるよね」
ヒソヒソとクラスメイトが言う。
全部聞こえてます。私は、このクラスではいじられキャラでなんとか立ち位置を保っています。
地味な見た目で、運動もダメ、話してもオドオド。
そんな私には、唯一の楽しみがあります。
今をときめくアイドルバンド「Yell rose」の推し活です!私は、彼らの話を始めると永遠におしゃべりが止まらないほど大ファンで、ファンクラブの会員番号も1桁目の超古参なんですよ?
私の推しはその中の1人、高橋頼朝くん、愛称はヨリトン。いつもメンバー3人の後ろで、支えるようにドラムを叩き、時折歌っている姿は、私の好みにど直球でした。
ライブにはほぼ毎回参戦していて、抽選も、先着販売も、もちろん全てに応募します。アイドルバンドは、いつ解散してもおかしくないくらい、入れ替えの激しい世界ですから。
ヨリトンはリーダーのヒロキュン…鈴木大黄くんと同じ大学生で元子役でした。小さい頃TVでよく見ていた「ジーニアスくん」内のドラマで、ヨリトンや他の子供達は棒読みのなか、ヒロキュンはプロとしての演技を見せていたことを思い出しました。あの頃から追えていたらなぁ。
今ですらもう、ファンクラブ一桁でも、私の手には、届かない存在。
「ヒマリー!なにぼーっとしてんの?あ、またなんか考えてた?」
「ムラサキさん」
そう話しかけてくれたのは、小町ムラサキさん。彼女は不登校だったけど、私が色々と授業のサポート(といっても、板書ノートを見せただけだけど)をしたら、とっても喜んで、友達になりました。はっきりと物事を言う気の強い子…です。
「ええ…ふふっ、バレちゃった」
「どうせエルローのコトでしょっ」
ムラサキさんも、ライト層ではあるけど、同じファン。
私は席から急に立ち上がって
「ヨリトンに会いたい!ライブだけじゃなくて、夢のなかでいいから会いたい〜!」
と、叫んでしまった。
教室は静まり返った。私が言ったのだと分かると、また元通りの喧騒に戻っていった。ああ、またやっちゃった〜〜!!
夢の中
137
165
はっぱ
57
#魔法学園
めんだこ🐙
8,410
気づくと、私は街中で立っていた。あれ、学校ってどうなったんだろう…?戻らなくちゃ!でも、足が言うことを聞かない。
「だ…誰か助けてっ」
私の声は、街の中に溶けて消えた。クラクションの音が聞こえて振り返ると後ろからトラックが迫って来た!
やばい、轢かれる…!!
「何してんだっ!離れな…さい!!」
どこかで聞いたことのある、否、親の声よりも聞いた声が聞こえたと同時に、私は背中を押されて道路に倒れ込んだ。
コメント
1件
あらすじを読ませていただきました!陽葵ちゃんの推し活に全力な感じ、すごく共感します。教室で思わず叫んじゃうシーン、あるあるすぎて笑っちゃいました。でも、あの「どこかで聞いたことのある声」って、まさかヨリトン…? 現実と夢の境界が曖昧になる展開、設定の仕掛けとして気になりますね。日常パートの空気感がリアルで、続きでどう世界が広がっていくのか楽しみです!