テラーノベル
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こないだの件の説明と、千歳に今後変なことをされないための対策と言うことで、例の個室のある喫茶店で緑さんと狭山さんに会っている。狭山さんは、千歳にこれ以上変なものが仕掛けられてないかを見る役、とのことだ。
狭山さんは千歳に言った。
「姿変えなくていいですよ、立って、くるっと回ってもらえませんか」
『こうか?』
千歳は席を立って、狭山さんに全身を見せるように回った。
「うん、大丈夫ですね、きれいです。変なものは和泉さんのお守りで全部排出されたみたい」
『そっか、よかった!』
緑さんが、卓上に細長い白木の箱を出した。
「で、対策なんですけれど。突貫工事ですけど、守り刀を作りまして。千歳ちゃん、これを肌見放さず持っててくれない?」
守り刀? 名前は聞いたことあるけど……。
千歳は大喜びで箱を手に取った。
『わー! すごい、これ刀自体の魔除けだけじゃなくて、なんか術式もすごいな!』
「そう、いい短剣探してきて、峰家の紅刀自にいろいろやってもらって」
俺は緑さんに聞いた。
「守り刀って、護身用の刀ってことですか?」
「そういう、物理的な護身用に使う刀も守り刀って言いますけど、刀自体魔除けの作用があるんです。で、それに複数術式を合わせて、千歳ちゃんに害なすものをすべてはねのけるようにしたのが、この守り刀です」
なるほど。千歳専用の、強力なお守りってことだな。
千歳は緑さんに聞いた。
『箱開けていいか!?』
「うん、この場で身につけてくれない?」
『うん、落とさないように、腹の中に入れとこっと』
千歳は箱を開け、紅と金のきらびやかな装飾がしてある小刀を手に取った。千歳は小刀を持った手をそのままお腹に持っていき、小刀はずぶっと千歳のお腹に溶け込んで消えてしまった。俺はびっくりして声が出た。
「え、お腹の中に入れるって、そういうこと!?」
『だって、剥き出しで肌につけてたら、これマジの刀だから銃刀法違反とか言われるぞ。それにこれなら落とさないし』
「そ、それはそうだけど……」
千歳、内蔵とかどうなってるんだろう……。
『それでさあ、狭山先生、ワシのせいでごめんな』
千歳が済まなそうに言うので、狭山さんは一瞬、何のことかわからなかったらしくて「え?」と言った。
『せっかく狭山先生が和泉のこと咲さんに紹介してくれたのに、ワシが最悪のタイミングで爆発しそうになったから、咲さん怒らせちゃった』
あ、それか……。
狭山さんには俺から経緯を話して「何もかも私が悪かったです、うまく行かなくてごめんなさい」は言ってある。狭山さんは「いや、仕方ないですよ、緊急事態でしたし、和泉さんが千歳さんのことすごく大事なのはわかってますし」と言ってくれたのだが。
狭山さんは慌てて千歳をなだめた。
「いや、千歳さんは何も悪くないですよ、むしろすごく偉かったんですよ、あんな怖い術式仕掛けられたのにこらえて、被害が出ないようにすごく努力したんですから」
『そうなのか?』
緑さんも、千歳を慰めるように言った。
「あのね、千歳ちゃんが誰も傷つけないために人のいない所に頑張って移動して、爆発しないようにすごく頑張ったの、みんな評価してるのよ。だから、紅刀自も守り刀作りにすごく協力してくれたし。九さんも、よくやったって言ってたわよ」
『え、そうなのか?』
千歳は、済まなそうな顔から少し嬉しそうな顔になった。俺も千歳を慰めたくて言った。
「咲さんの件は、俺が悪いだけだよ。千歳はさ、すごく頑張ったよ、偉かったよ。できるだけ人を傷つけないように努力したの、みんなわかってるんだよ」
『そ、そっか、えへへ』
千歳は照れ笑いした。緑さんが笑った。
「アフタヌーンティー、こないだ出来なかったから、今度改めてまたやろうね。南さんも呼ぶから」
『うん、いっぱいおしゃべりしたい!』
とりあえず、千歳に危険が及ばなくなり、千歳が変な罪悪感も持たないでくれそうで、俺はホッとしたのだった。
コメント
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寺島あおいです🌷 第419話、読ませていただきました。千歳さんが自分を責めて「ごめんな」って謝るシーン、すごく胸にきました……。でも狭山さんも緑さんも和泉さんも口を揃えて「よく頑張った」って伝えてくれて、その優しさがじんわり心に染みました。守り刀をお腹にしまう描写もユニークで、千歳さんらしいなあと。終始ほっこりする、あったかいエピソードでした🤍
#幽霊
凛道桜嵐 新
193
#日常
がくじゅつてき・あかげ
22,155
わーい
41
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