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第3章
神々との邂逅
ー運命の刻ー
四人は同じ空の下にいた。
それなのに、誰一人として同じ世界にはいなかった。
煉華
黒い牙が目前まで迫る。
(終わった……)
その瞬間。
ゴォォォォ……
世界を焼くような熱風が吹き抜けた。
怪物が悲鳴を上げる。
煉華の目の前に、一枚の深紅の羽根が舞い落ちた。
「……誰?」
その羽根が炎となり、夜空へ駆け上がる。
炎は巨大な鳥の姿へ変わっていく。
『恐れるな。』
空いっぱいに広がる炎。
その中心で黄金の瞳が煉華を見つめる。
『我は朱雀。』
『その命、我が炎で護ろう。』
蒼紫
本棚が目前まで迫る。
逃げられない。
その時だった。
一冊の本が勝手に開く。
ページが風もないのにめくれ始める。
文字が青白く輝いた。
その光が天井を貫く。
ズドォォン!!
青い雷。
雷の中から巨大な龍が姿を現した。
無数の本が宙を舞う。
『知を求める者よ。』
龍の瞳が静かに細まる
『我は青龍。』
『真実を知る覚悟はあるか。』
琥珀
折れた竹刀。
迫る黒い怪物。
(悔しい……)
涙が滲む。
その時。
ドォン……
大地が震えた。
怪物が一斉に後退する。
吹雪が舞う。
雪の中から白い巨躯が姿を現した。
金色の瞳。
巨大な白虎。
『牙は折れても、心は折れていない。』
『戦う意思は、お前自身が選ぶものだ。』
『我は白虎。』
白虎は静かに笑った。
詞葉
黒い手が目前まで迫る。
助けられなかった。
誰も。
(ごめんなさい……)
涙が落ちる。
その雫が地面へ触れた瞬間。
波紋が広がる。
住宅街が一面、水鏡へ変わる。
巨大な甲羅。
蛇が静かに鎌首をもたげる。
優しい緑色の瞳。
『その優しさを、責める必要はない。』
『涙は弱さではない。』
低く穏やかな声。
『我は玄武。』
四人が神の名を聞いた。
その瞬間。
四神が同時に空を見上げる。
四神の瞳から、一切の慈悲が消えた。
四神は同時に呟く。
「……来る。」
朱雀
「炎が騒ぐ。」
青龍
「封印が乱れたか。」
白虎
「遅かったな。」
玄武
「……遂に、この時が。」
そして
四神は静かにその名を口にした。
『邪神が目覚める。』
次の瞬間ーー
バキッ!
空に1本の亀裂が走った。
亀裂は瞬く間に世界中に広がり夕焼けに染まっていた空は漆黒の闇へと塗りつぶされていく…。
止まっていた世界は、再び時を刻み始めた。
それは、世界の終わりの始まりだった。
四神と巫女、そして邪神。 運命の歯車は、もう誰にも止められない。
コメント
2件

ありがとうございます。励みになります
第5話、一気に引き込まれた!四神がそれぞれのキャラに現れる演出、めちゃくちゃかっこよかったな。煉華の前に舞い落ちた朱雀の羽根とか、蒼紫の前で本が勝手に開く青龍とか、映像が浮かぶような描写で痺れた。白虎の「牙は折れても、心は折れていない」も熱いし、玄武の「涙は弱さではない」は詞葉にぴったりの台詞だと思った。最後の「邪神が目覚める」からの空の亀裂…続きが気になりすぎる🔥 輪廻さんの世界観、どんどん広がってて楽しいです!