コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
どういう表情をしているか分からないのに俺はその子に話しかけてしまった。
「なぁ!お前目が見えねぇのか?」
…..返事がない。寝ているのか?いや、おそらく呼ばれたことに気づいていないんだろう。そう思った俺は気づかせさせるためにわざと声を出した。 「寝てんのか?いや、さっきため息ついてたし」 もちろんその子はため息なんてついていない気づかせさせるための嘘だから するとベットの方から声がした。 「あ、あの…」
どうやらその子は自分が呼ばれたことに気づいたらしい、
「あ!やっと気づいた!」俺が言うと
「あ、あの何か用ですか?」と答えてる「用って言うか…….」 一目惚れしたから話しかけたなんて言っても分からないだろう。姿は見えないし声は男だし何より困らせたくない。
「なんか君がつまんなそうだったから話しかけただけだよ、まぁ母さんの見舞いのついでって言う感じでもあるけど….」「お母さんはいいんですか?」そう聞いてきた。
「うん…..もう死んじゃったから」 「…..え」そう言うとその子は申し訳なさそうな反応をした。俺はそんなの気にしてないように誤魔化した。 「ひやぁ~こことはおさらばしちゃうのか~病院好きだったんだけどな~」と言った。
すると「寂しくないの?」と聞いてきた「いや?全然むしろ嬉しいよ?」と答える。
「…..嘘ですよね?声が震えていますよ」「な、なに言ってるのさ!俺は本当に母さんが死んで嬉しいんだよ?声なんて震えてるわけ………」 「貴方がどんな親に育てられていたのかは分かりませんが少しの優しさが見つかって後悔しているんじゃ無いですか?」
もしかしたら正論かも知れない俺は母さんが最後に書いてあった手紙を見て俺は泣いていた。親父の死と言うと絶望から俺へ与える優しさを虐待に変えてしまったから俺は不幸になったと思っていた。
「…….なぁ、お前見舞いは?親とか友達とか」と話を遮るように話題を変えた。「そんな人たち大分前にこなくなりました。自分には友達なんていないし親もどんな人かも分かりません。ずっと一人でこの病院で生きているんです。」 「じゃぁさ、俺が友達になってやるよ」 「え?」と困惑したような声で言う。「いや、でも自分と友達になったって面白いことなんて無いですよ?ほら、目とか見えないから話とか会わないですし」と、あわてて言い訳をしている 「構わねぇよ、俺はお前と友達になりたいからそう言ってんだ。なりたいとかなりたくないんだったら言え。」
「…….なりたい!君と友達に!」
そう会話した後俺らは自己紹介することにした。
「お前名前は?」 「….桃颯….桜って言いますが…」 「ふーんいい名前だな」 「俺は東海、茜って言う名前だな」 「まぁ、これからよろしくな、桜」 「茜君もよろしくお願いしますね!」