#2
場所も方角も分からない空間にやってきた。
正直、来るのは初めてだな。…本質的には。
まるで5億年ボタンを押した直後に引きずり込まれる空間のイメージだ。本当5億年すごすとなると、ノイローゼどころじゃあない気分になりそうだ…
さて、まずは刹那を探さなくてはならないな…
…なぜか、人がいる。
自分の知る限り、ここにいる人は刹那と…
連れ去っていった奴にしか候補はいない。
そして、ここにいる人間は…
「こんなに早く見つかることがあるとはな…おい、大丈夫か?」
「か…かい…と…」
無事だった。とりあえずは安心した、が…
「…ろ…す」
やはり、か…。かなり面倒くさいというか、厄介というか、ガチで殺されそうだ…
「こ………す………ろ……す…
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
相手はガチだ。なんとか目を覚ましてやらなければ。
「まあ、頑張れよ。h.r」
「お前…!その能力は、やっぱり…!」
「知ったところで、意味などないな。」
奴はどこかへ消えた。
とりあえず、目の前の敵に集中しなくてはならない。
手加減は…出来ない。
「はあ、はあ………クソ、やっぱキツイな…」
もう既に、俺の体はボロボロだった。しかし…刹那といったら、もう服の傷すらついていない。やべぇ、こんな所で死ぬとは思ってなかった。余裕だと思ってた。詰み状態だ…
「西崎刹那は役に立ってるか?」
「…だ…誰だ?」
「ふふ…堂崎魁斗、君の末路が知りたくて来てしまったよ…」
俺はこいつの事を知らない…が、こいつは俺にとって“敵”だ。
「そろそろ、かな?彼の能力は弱い方だからすぐ解けるはず…」
「…何しに来たんだ、ここに」
「もちろん、能力の検証さ。」
…は?何を言っているんだこいつは…
俺にも分かるように説明して欲しい。
「そろそろ回収したいから、もう少し見ているよ。後ろに気をつけたほうが
いいよ?」
「後ろ…?」
その時だった。脇腹をかすって、弾丸が通り過ぎた。
痛い…そんな感覚も消え失せるほどに…とてつもなく…痛い…
不意をついてくるとは…やはり、その血統だな。
脇腹をかすっただけ…なはずなんだが、意識まで朦朧としてきた。
「回収どきかな。」
「……!」
その瞬間、刹那は驚いていたような表情をしていた…
「まさか、こうも上手くいくとはね…巡、君もなかなかいい仕事してくれるじゃないか。」
「お前のためならなんでも。」
何が起こった…?なぜ生きている…?目の前の二人は一体何者なんだ?片っぽの方は知人だがな。
この状況には疑問しか思い浮かばなかった。
そして俺は、動けなかった。拘束されている訳でもないのに。なんというか、動こうとしなかった。その理由は、俺にも分からなかった。疲れていたのかもしれないし、相手に怯えて腰を抜かした…はないか。
「お前、西崎の心は…読めたか?」
やはり知っていやがったか。忘れて欲しかったぞ…マジで。
「黙れ。お前が知ることじゃない」
「何のためにお前らを戦わせたんだ。」
何を言っている…まさか、能力の実験っていうのは俺の能力ってことかよ…?
「言え。言わなければ、本当にお前の彼女を殺すぞ」
「あいつは死なねーし、そもそも彼女ってなんだよ!?」
「そうにしか見えなくてね…ふふ」
何笑ってんだこいつ…付き合ってもねーのに。ちょっと癪に障る。
「お前はガチで殺しそうだから…言ってやるよ。巡。……読めなかったさ。」
「嘘はついてないな?」
「仮についていたとしてもついてたなんて言うわけないだろ」
「それもそうだな」
これは本当だ。いつも相手の動きを予測するために使っている能力…心を読むこと。
今回だって使おうとした。が…もやみたいなのが邪魔してきて読めなかった。
「じゃあしょうがないねぇ、hr」
「今思ったんだが、hrって“ホームルーム”の略称だよな、完全に。」
「ははは…今ここでそれ言うか?俺がこんな状況なのに?」
その時だった。1人の足音が聞こえてきた。
誰だ…?と身構えたのは俺だけで、二人は足音の正体を知っている様子だった。
「…かい……と…」
その姿は…間違いなく、さっきの戦闘
で
傷ついたような感じの、刹那だった。
続く
まさかの連続投稿。不定期更新なんで見てくれていたらよろしく。
コメント
2件
ストーリーめっちゃすきです🫶💗
【訂正】先頭→戦闘です。 腕しびれてたからね。ごめんね。