第一章
『夏の日』
セミが鳴く暑い夏の日窓際のベットに座って本を読んでいる。
外で子供が遊んでいる声がよく聞こえる。
夏の暑い日差しが眩しく本の文字が読みにくく、影を作るために猫背になってしまう。
そろそろ二回も読んだ本が三回目になろうとしている。三回目になる前に私は疲れ果てた。
そのまま後ろに倒れベットに寝転んだ。
友達という友達もいない私はすることが無い。
人と話そうとするとオドオドしてしまうのだ。だから皆私と友達になろうとしない。面白くない人だと思われているのだろう。
このまま暑さに負け、誰にも気付かれずに死んでいくのも悪くないと思ってしまった。
でもまだ読みたい本がある。
今日する事が決まった。本を買いに行く事にする。
まだお母さんは帰ってこない。きっとまだ買い物中で誰かと話しているのだろう。お父さんは仕事だ。
長い緑色の髪をを一つに結び、前髪はピンでとめた。
その後隠していた少しのお金を持って家を出た。
強い風が吹いて、淡い緑のスカートがなびいた。1番好きな服を着て一人で出掛ける。ちょっぴり大人になった気分だ。
かと言って遠出をする訳じゃない。
本屋さんは少し歩くとすぐ着く距離だ。
それでも私は気分が良い。
本屋さんによく行くからご近所さんに
「ミラちゃん今日も本を買いに行くの?」
と言われる。何回も会っているから慣れてしまった。
「そうなの!お母さんに内緒で行ってるんだ!」
と私は返した
ご近所さんにも今日はいつもより可愛い服を着ているね似合っていると言われて私はるんるんだ。
本屋に着くと面白そうな本を探した。
どれも面白そうで決めれなくて、本屋のおじさんに聞いた。
そしたらこれがいいだろうと言われそれを買う。
おじさんは優しいから一人で来た時はお金はいらないと言ってくれる。
でも私もそれは悪いと思っているから少しだけお金を出して、また来るねといい本屋を後にした。
帰り道お母さんにお花をあげたくてちょっと遠回りをして帰ろうと思い花屋さんに行った。
お母さんに似合う紫のお花を買ったあと帰ろうとしたけれど、私より大きい女の子と男の子が楽しそうに話していたのを見つけた。その子たちは“エレン”と“ミカサ”と言うようだ。
いいなぁ。
私もあんな風に仲良くなりたいなと思ってしまった。
家に帰って、花瓶に水を入れお花を入れたあと本を読んだ。だけど暑くて川に行こうと思った。少し水に触れるだけで、楽しそうに遊んでる人を見るだけでいいと思い、本を持っていきまた家を出た。
川に行ってる時、楽しそうに遊んでるような声じゃないのが聞こえた。
その声は路地裏の方から聞こえ、痛そうな音が聞こえた。
私は怖くなるべく関わるのは辞めようと思っていたが、私が行かなくちゃと思い路地裏に行った。
そこで見た景色はとても震えるものだった。
なぜそう思うかは金髪の男の子が何人かの男の子達に虐められているのを見たからだ。
怖い。見たかったことにして帰りたいと思ったが、体は勝手に動いていた。
気付いたらその子たちの前に立っていた。
とても怖く、ごくりと唾を飲んだ。
「そ、そういうの辞めた方がいいと思う、!」
と、気付いたら言っていた。
何人かの男の子のうち、一番強そうな人が、
「おちびちゃんは帰ってな」
と言われ、デコピンされた。とても痛い。
金髪の男の子はこっちを向いていた。金髪の男の子と私は目が合った。
その目は優しそうな目で大丈夫だからと言ってくれているような気がした。
だが、助けたいと言う気持ちが大きく、言い返そうとしたその時だった。
花屋の帰りで見かけた“エレン”という男の子と、“ミカサ”という女の子が走ってきた。
それ見た男の子達はミカサが来た!と言いすぐに逃げてしまった。
私はきっとこの三人は仲が良いのだろうとすぐに気が付いた。
邪魔をしないように帰ろうとし、金髪の男の子に微笑みかけた。
もう疲れたから家へ帰ろうと思い路地裏から走って出て、ゆっくり歩いて帰った。
その日お母さんにとてつもなく怒られた。
でも今日あったことを私は話した。
とても楽しかったと、
「そんなに楽しかったのね。良かったね。」
とお母さんは笑ってくれた。
また会って仲良くできるといいなと心の中でひっそり思っておくことにした。
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