テラーノベル
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『絶対に』
あの子達とあって何週間も何日も経った。
前は半袖だった服も今じゃ長袖だ。
少し寒いが、今日もまた本を買いに行こうと思って外に出ようとした瞬間だった。
ドゴォンッ!!
「は…?」
初めてこんなに大きい音を聞いた。
外が騒がしくて急いで外に出た。
私は驚いただって、 50mの壁の上から“巨人”の顔が見えていた。
おかしい。50mを超える巨人なんていないはずだ。
私の頭の中は家族の心配よりも謎が多かった。
明るい空が急に暗くなったと思ったら私の方に壁の破片が飛んできただけだった。
何故か私にはその岩がゆっくり動いてるように見えたのに足が動かなかった。
眺めているだけ。
その時私は一瞬で理解した。
ああ、ここで死ぬんだって
怖くもなかった。ただお母さんとお父さんに感謝を伝えられなかった事だけが後悔だ。そして諦めた時だった。
ドンッ
背中を押された。膝を怪我した。
でも私を助けてくれたのは間違いない。
誰が助けてくれたんだろうと思い、私がさ数秒前までいた所を見たら、大きな岩が落ちていた。
壁の破片の下には誰かがいた。
多分きっと本屋のおじさんだ。
壁の破片が足に落ちたから動けないのだろう。額には汗が滲んでいた。苦しんでる声が聞こえた。
助けないとって思った。でも子供で小さい私にできるわけが無い。そう思った。
ドォンドォン
なにかの足音が聞こえた。上を見たら大きい人がいた。いいやこれは、巨人だ。
上を見たら 巨人と目があった。
でも先に目があったのは多分おじさんが先だった。私との方が近いのに、私には目もくれず、 おじさんの上の壁の破片を取って投げた。
投げた方向からは叫び声が聞こえた。
岩があったところは真っ赤だ。
巨人はおじさんを掴んで自分の口に近付けた。
おじさんは泣き叫んだ。私の身代わりになってしまったんだ。もし私の背中を押さなければと おじさんもきっと後悔しているだろう。
可哀想に。
バリッバキバキッ
痛い音がした。目の前でおじさんが食べられた。
気付いたら私は泣いていた。
でも、逃げないとって思った。
近くにあった本を持って逃げようとした瞬間。
お母さんが泣きながらこっちに来た。
私を抱きしめて 、
「もう大丈夫だからね。」
って微笑みかけた。
私の手を引いてまた走り出した。
頑張って沢山走った。何故かあの時だけ体が軽くて早く走れた。
逃げている時、周りは死んでいる人だらけ。なんて可哀想な人達なんだろうと、なんで悪いことしてないのに死ななくちゃいけないのだろうと思った。
でも途中で巨人とまた会った。
お母さんが泣きながら
「食べるなら私を食べなさい!」
と言った。我が子の為にこんなに頑張れるものなのだろうか。
お母さんは震えてた。
振り返り私を見て笑った。
その笑顔は頑張ってと言ってる様な感じがした。
お母さんはすぐに巨人に食べられた。ひね潰されて私の目の前で食べられた。
次は私だと思った。
だけど気付いたら私は空中にいた。
飛んでいたのだ。
誰かに担がれながら。
服ですぐに分かった。これは調査兵団の人だと。
さっきいた所が遠く感じるほど早かった。
調査兵団の人は私を船まで連れていってくれた。その後私に微笑みかけてどこかに行ってしまった。
お礼、言ってないのに…
その後船に乗った。
皆怯えてた。でも皆安心してた。もう大丈夫だって。
そんな安心もすぐに壊された。
また巨人が壁を壊した。前とは違う巨人だ。
多分皆絶望してたと思う。
だけど私は巨人なのにかっこいいと思ってしまった。
その後逃げてる時の記憶は曖昧だ。
でも助けてくれた調査兵団の人に憧れた。
あの助けてくれた人のようなかっこいい人になりたいと思った。
調査兵団に入りたい表側の理由はそれだ。
本当はお母さんをおじさんを殺した巨人を許してないからだ。本当に憎い 。
殺してやりたい。
それとお父さんに会うために。
だから私は調査兵団に入りたいと思った。
絶対に調査兵団に入ることに決めた。
あの子達とまた会うことも知らずに。
コメント
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え、ちょあんた天才ですか?