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【魔法舎 賢者の部屋】
「じゃあ、こっちをもらうね」
*私が手に取ったのは、夕暮れの空のような綺麗な飴*
「…うん!」
*オーエンはにこにこして首を横に揺らす*
「ふふ、オーエンが持ってる飴はあの空みたいじゃない?」
*私は窓の方を指さす*
*オーエンは飴と夜空を交互に見て、目を輝かせていた。*
「…ほんとだ…綺麗…。」
*彼は飴をそっと口に運び、コロコロと雨を舐める。緊張が溶けたのか、ほっ…と幸せそうなため息が漏れていた*
「きらきら…してる?」
「うん、そうだね。キラキラしてるよ」
*しばらくの間、2人は黙ってその光景に見入っていた*
*そしてオーエンがこちらを向いて言う*
「北の国はね、もっときれいなの」
「そうなんだ…綺麗だろうな…北の国の夜空。」
「うん、きれいだよ。すごく、広いし。」
*照れくさいような、複雑な表情で彼は言った*
「お星さま、つかまえちゃうかも。」
*ふふ、と子供らしい無邪気な笑い声を立てた*
「オーエンならできそうだね」
*と、雨を舐めながら言う*
*2人で笑っていると、ふとオーエンが俯く*
「…オーエン?」
*嫌な気配がした。これはきっと元のオーエンに戻ったんだ。*
*雨を舐めていた口元から、楽しげな笑みが消える。代わりに現れたのは冷たい微笑*
「ねえ、ここどこ。…賢者様?夜遅くに何をしてるの?」
「あ…えっと、オーエン…。」
*オーエンは軽い嘲笑を浮かべる*
「あぁ、もしかして…厄災の傷?」
「は、はい。」
*彼は手に持っていた飴が入っていた袋をくしゃりと握りつぶす*
「で?僕は何をしてたの?」
「さっきオーエンが訪ねてきて、一緒に飴を食べていたんですよ」
「僕が?君と?…ないない。あはは、ありえない」
「本当ですよ、そういえばこの飴はどこで買ったんですか?」
*手に持っていた飴を見せる*
「中央の街だけど?」
「そうなんですね、傷のオーエンが北の国の空みたい…って言っていたので気になって。」
「北の国の空?ああ、あの薄汚い雪景色がどうして素敵に見えるんだか。」
*ふん、と鼻を鳴らし ベットから立つ*
「もしかして、賢者様も気になるわけ?」
「は、はい…本物を見てみたいですね」
「ふうん、じゃあ見せてあげるよ」