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父親:旅人、お父さんな、再婚することになったんだ
俺を引き取ってくれた父親はサッカーをする俺に向かってそう言った。
前の母親と別れて、息子がそっちに行った為、孤独を紛らわそうと、孤児院で子供を引き取りに訪れた男、偶然苗字が同じだった俺に親近感が湧いたのか、即決で俺を引き取った。
影汰は道端で餓死しそうになったったから、俺が連れ帰って、説得したらすんなり家族(?)になった。
まぁそんな、俺にとって再婚なんてどうでも良かったが、
旅人:おめでとうな
ぐらいは言っておいても良いだろう。
父親:それでな、新しいお母さんの家に引っ越すことになったんだ
旅人:、嗚呼、そうなんか…
少し困惑した。
案外急なんやな…
旅人:影汰にもいわんとな…
父親:そうやな、新しいお母さんのところ、旅人と影汰と同い年ぐらいの息子さんがいるんやって
旅人:へぇ
父親:人見知りやて、仲良くしてやって欲しい
旅人:…
正直どうでも良い。そいつがナニモンなのかも知らんのに、仲良くする筋合いないわ。
父親:1週間後には行くでな、準備しときやね
旅人:…おん
どーでもええ…サッカーできれば、生きてければ、どんな母親でも、どんな奴でも、どうでもええ…_、
そして、その再婚者と初対面…、そして引越し。
母親:よろしくね、旅人君、影汰君
旅人:よろしくおねがいします…、
その母親はまぁ凡…普通に優しい女の人やった
母親:世っちゃん、今日から一緒に暮らす新しいパパと兄弟よ、挨拶しなさい
世一:…
目の前で母親に無理矢理な感じで俺らの前に出され、双葉の様なアホ毛生やしたそいつは俺らの方をじっと警戒した様に見ている。本当の人見知りならしい。
父親:世一君、だね、今日からここで一緒に暮らさせてもらうよ、この子達と仲良くしてやってくれ。
そう父親が言うと、そいつは、一礼し、自分の部屋らしき方に走って行った。礼儀はようなってるらしいわ。
母親:ごめんなさいね…人見知りが激しくて…
父親:いえいえ、大丈夫ですよ
母親:さっ、入って入って!
旅人:お邪魔します…
母親:お邪魔しますじゃ無くて、ただいまで良いよ
旅人:…?ただい、ま?
この人の思考はようわからん…
そして数日過ごして、場慣れはしたが、やっぱり、あの双葉の奴だけは慣れない。俺らが来たら逃げるし、話しかけても無視する。ずっと思考が全く読めんかった。
影汰:ねぇ、たびと、おれよいちとなかよくなりたい
そう言って幼稚な日本語を並べて無邪気に笑う、血の繋がってない弟、確かに此処で過ごすもんな…、同じ家の奴とぐらいは仲良なっとかんと、後々面倒やし。
旅人:そうやな…、仲良うなりたいな
思ってもない事を口にする。何か俺クソ気持ち悪いな…。
夕方リビングに行くと、サッカーボールに抱きつきながら、1人、テレビの前で喰らい付く様にサッカーの試合を見ている、世一が居た。
あいつもサッカー好きなんやな。
少し興味をそそられた。
どんな選手が好きでどんぐらいサッカーやってるのか、とか、影汰ぐらいとしかサッカーした事ないから、仲間が増えるかもとか、
そんな事考えていると、影汰がいつのまにか世一に話しかけていた。
影汰:ねぇねぇ、いっしょにみてもいい?
世一:…!(ビクッ)
旅人:おれも!
俺こんなん言うキャラやないわ…、()
世一が困った様にわなわなし始めるが、そんなんお構い無しに横に座った。
影汰:サッカー、すきなの?
世一:…!う、うん!
そう、好きな事を好きと言う世一は…なんか、すごい輝いとった。
旅人:どのせんしゅがすき?
世一:ノエル・ノア!
旅人:のえる、のあ?
何か聞いた事あるけど…、どんな選手が居るかは詳しくないからわからんかった、
世一:たった1人で何人かDF抜いてゴールを獲る凄い人なんだよ!(✨)
旅人:そうなんだ…
此処から俺らは仲良くなった。
世一:旅人!パス!
旅人:ナイスパスや!
影汰:2人ばっかズルい…
旅人:お前が積極的に参加せぇへんからや
影汰:うー…
そして段々わかって来た。
俺は世一が好きや。
家族としてとか、サッカー仲間としてとかやなくて、恋愛的に、世一の肌に触れたい、世一と口付けがしたい…。でも_、それを本人に言ってしまったら、この関係が終わってまう気がして怖かった。だから飽く迄【あくまで】、兄貴として、家族として愛を伝えよう沢山、沢山、歪でも、狂ってても、全部…、お前に…俺の全部を伝えたる_。
影汰にはこの事を伝えた…、まぁ最初はクッソ笑われたんやけど、めっちゃ真面目な顔して「俺も好きなんだけど」と言って来た。マジ、しばいたろうか?そんで、世一が中学に上がって少しした頃…。
旅人:なぁ、世一、今日何時に帰ってくる?
世一:ん?20時時前には帰ってくるよ?
影汰:遅過ぎない?
世一:え?
旅人:そやな、最悪19時には帰ってきぃや
世一:な、何で…?
旅人:変な人に絡まれないためや、わかったな?
世一:…う、うん…
そん時の世一は少し困惑しとった。影汰もそん時は乗り気やったけど後から、「ちょっと過保護すぎるっしょ」とか何とか言われた。別に過保護やない、世一が大切なだけやわ。
………
そこから世一はちゃんと俺の言う事を聞いて、19時には帰って来た。
……
でも、何時だったか、世一は19時の門限を一度過ぎた。
…
20:16…ぐらいやったかなぁ、
ガチャッ_
玄関の扉がいつもより弱々しく開いた。
世一:ただい_
旅人:旅人:世一おかえり…、言い訳あるなら聞くで?
世一は、一瞬驚いた表情をした、だが直ぐにその表情が、恐怖へと変わった。
俺今どんな表情してるんやろ…。
もう、今まで以上に最悪な気分やったな。
世一:あ、の…、友達と遊んでて…、時間見てなくて…
旅人:…、そうか
俺よりそいつらの方が大切なんか…?
俺は世一の腕を強引に引っ張り、部屋へ行き、ベットに押し倒した。
もう、どうでも良くなった。
世一:た、旅人…?
旅人:俺がどれだけ心配したかわかっとんのか?
世一:…ッ、ごめんなさ…
旅人:なぁ世一、友達と俺、どっちが大切なんや?
世一は一瞬困った顔をした。
俺だと言ってくれ…俺が1番大切やろ…?
世一:どっちも…大切、だよ…、?
___。
プツンッ_
俺の中でそう、何かが切れる音がした。
期待しとった俺が馬鹿だったんか…?
旅人:そうか…、俺は、お前の友達ぐらいの価値なんやな…?
世一:旅人何言って_、
俺は初めて人を、世一を殴った。
痛々しい音が部屋中に響き渡った後、世一の目から、涙が流れた。
世一:い"ッッッ"ぁ"…ッ(泣)
旅人:お前が悪いんやで?世一_
世一:や"ッごめんなさッ”、ごめんなさい…ッ!
世一の必死に許しを媚びる、声など無視した。俺は今まで溜まっとったもん全部吐き出した。
あーぁ、こんなに大切にしてたのに…、
俺が悪かったんか?俺は世一の1番やないんか?嗚呼、最悪やッ、最悪やッ最悪や_ッ。
旅人:世一かわええよ…、離したない、俺の側に居てくれよ…、なぁ…
世一:ッ…"、♡
_。
その日から世一は俺らに喋り掛けらんくなった。
旅人:世一…
世一:…、ッ(ビクッ)な、何?
話しかけても、怖がり、最低限の事を喋って別の部屋に逃げる様に入って行った。
…
全部俺のせいなんか…?
…
大切にしたかっただけなんに…
…
ただ俺を見て欲しかっただけなのに…
…
いつの日か、世一はこの家から居なくなった。
後から親に聞いたら、県外の高校に行く事になっていたらしい、でも俺と影汰には言わないでほしい…そんな事を言ったそうだ。
何だよ、これ…
俺が…世一に期待したのが悪かったんか?
大切にすれば好きになってもらえるって、決めつけたから?
嗚呼なら…最初から…こんな好きになるんじゃなかった…。
はぁ_。
もう、全部嫌やわ…。