眠い。
朝の冷たい空気とぬくぬくした温かい布団と戦いながら、乾いた目を擦る。
トントントン、と、一定のリズムで階段を降りると、そこには私が知らぬ間に起きてご飯を作っている母がいた。
「おはよう。」「おはよう、早く顔洗ってきなさい。」
そんな挨拶を交わして洗面所に行くと、髪をセットしている父と、父を急かす弟の姿。
「ああ、またか」と、いつもの二人を眺めながら父を退かして顔を洗う
「父さん、今髪セットしてたんだけど??」と父が後ろでブツブツ文句を言っているが、仕方あるまい。長い時間セットしている方 が悪いのだ。
顔を洗い終わって、リビングに戻る。
テーブルの上には、先程作られたばかりの美味しそうな和食料理が四人分置いてあり、母は小さな妹に離乳食を食べさせていた。
「いただきます」
毎朝早起きして美味しいご飯を作ってくれる母と、食材になってくれた動物たちに感謝の言葉を告げ、魚を一口、口に運ぶ。
「うん、おいしい。」
お米、お 茶、味噌汁………
「ご馳走様でした、美味しかったよ」「あら、 ありがとう。その言葉が一番嬉しいわ。」
私は、お母さんのご飯が一番好きだ。
「さすが俺の妻!!飯がうまい!!胸もデカい!!」「ちょっ、父さん!キモいから辞めて!」と、2階にある自分の部屋に向かう私の背後で、父と弟の馬鹿みたいな会話が聞こえてくるがスルーしておこう。
ガチャリ。
ドアを開ける。
ドアの近くにあるクローゼットに手を伸ばし、中から制服を取り出した。
シャツ、スカート、ブレザー、リボン……
可愛い制服を着て、髪を一本に束ねて、スクールバッグを手にした。
今日の授業の教科書とノート、筆箱、お弁当、スマホ………
いつもの用意が入っていることを確認し、時計に目をやる。
7時半。そろそろ学校に行く時間だ。
一階に降りて、家族に行ってきますの挨拶をすると、小さな妹が私の頬にキスをしてきた。
可愛い。
ああ、これが当たり前だと思える私は幸せ者だ
コメント
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どしたん、頭でもぶつけたか?
すんごい平和
あーん浄化されるー