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琴寧
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そうして――天皇のお墨付きを得た
「織田瓦版」は、
日ノ本中を席巻していた。
「武田信玄、弟に見捨てられ涙」
「裏切り計画も全国に露見し、ついに観念か」
「浅井家、怒涛の親子喧嘩」
「浅井長政、父を永久追放と決定」
「織田家臣、藤吉郎 の可愛いところ」
「妻に浮気がバレ、泣いているところ
(※絵付き)」
その影響は、もはや戦や政だけに留まらなかった。
人の心すら、動かしていた。
そして――
そんなさなかだった。
一通の報せが届く。
密告。
今でいう――内部告発である。
それは――比叡山の僧からの密告であった。
「天皇の領地を勝手に切り取っていること」
「修行はろくにせず、女にうつつを抜かし、欲にまみれていること」
「手が出せぬと高を括り、増長していること」
怒りに満ちた、激しい訴えであった。
織田信長は口元を歪める。
「ほう……比叡山の僧からの密告ね😏」
側近は天皇に文を差し出す。
「陛下……これを」
天皇は静かに目を通し、言い放つ。
「……仕方あるまい」
「逆賊と認定する」
そして命じる。
「全国の大名に触れを出せ」
「そして――」
少し間を置き。
「信長の瓦版にも、速報として伝えるのじゃ」
側近は戸惑う。
「……速報、でございますか?」