テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「……七つの、大罪……?」
天城は七人を見つめた。
校庭には教師たちが並び、生徒たちは避難を始めている。
だが――
「遅い。」
憤怒が拳を握った。
次の瞬間。
ドォン!!
地面が爆発したように抉れる。
「うわっ!」
生徒たちが悲鳴を上げる。
「走れ!」
教師が叫ぶ。
「生徒を校舎へ!」
天城も走ろうとした。
しかし――
「待って。」
後ろから声がした。
天城が振り返る。
そこにいたのは、七人のうちの一人。
色欲だった。
「あなたは行っちゃダメよ?」
「……え?」
「だって――」
彼女が微笑む。
「私たちが会いたかったのは、あなたなんだから。」
ゾクッ。
天城の背中に悪寒が走った。
「……僕?」
「そう。」
色欲が指を差す。
「《神速》。」
その瞬間。
「――頂戴。」
別の声。
強欲が天城を見ていた。
「その異能、頂戴。」
「……!」
天城は反射的に後ろへ飛ぶ。
バチッ!!
全身に雷が走る。
「電光石火……!」
20%。
身体能力が一気に跳ね上がる。
天城は校舎へ向かって駆け出した。
「速っ!」
玲奈が驚く。
だが――
「逃がさないよ。」
嫉妬がスマホを取り出す。
「へぇ……これが《神速》かぁ。」
画面を見ながら、楽しそうに笑う。
「ずるいなぁ……。」
「そんな異能持ってるなんて。」
次の瞬間。
天城の目の前に影が現れた。
「――っ!?」
「おっと。」
憤怒だった。
「お前、速いな!」
天城は急停止する。
「どいて!」
「嫌だね。」
憤怒が笑う。
「お前みたいな面白そうな奴、逃がすわけねぇだろ!」
拳が振り下ろされる。
天城は横へ飛ぶ。
ドォン!!
地面が砕けた。
「……20%じゃ、足りない……!」
さらに速度を上げようとした、その時。
「天城!」
玲奈が叫んだ。
「こっち!」
天城が振り返る。
「玲奈……!」
その一瞬だった。
「はい、捕まえた。」
背後から腕を掴まれる。
「――え?」
色欲だった。
「しまっ――」
バチバチッ!!
天城が雷を放つ。
しかし。
「そんなに暴れないの。」
「離して!」
「無理よ。」
天城は必死に振りほどこうとする。
だが、身体が動かない。
「……なんで……!」
色欲が耳元で囁く。
「あなたの異能は、まだ成長途中なのよ。」
「……!」
「だから――」
彼女が微笑む。
「今は私たちの方が上。」
その瞬間。
「お腹すいたー。」
暴食が大きな袋を抱えながら近づいてくる。
「これ食べていい?」
「今それどころじゃねぇだろ!」
憤怒がツッコむ。
「えー……。」
「……めんどくさ。」
怠惰が欠伸をする。
「早く終わらせようよ。」
そして――
傲慢が頬を膨らませた。
「もう! 私が捕まえるって言ったのに!」
「やだ! 私が連れてく!」
「……お前ら、うるさい。」
七人の視線が天城へ集まる。
天城は歯を食いしばった。
「……僕は……。」
雷が身体を包む。
「こんなところで……!」
17%。
20%。
限界を超えて――
「逃げるんだ……!」
バチィィッ!!
一瞬だけ、身体が加速する。
色欲の手から抜け出した。
「――っ!」
天城は走った。
だが――
「残念。」
怠惰が手を上げる。
「動くの、めんどくさいから……。」
空間が歪む。
「……え?」
天城の目の前が真っ暗になった。
「な……に……?」
身体から力が抜ける。
最後に見えたのは――
こちらへ駆けてくる玲奈。
「天城!!」
そして。
「――捕まえた。」
強欲の声。
天城の意識は、そこで途切れた。
体育祭の校庭には、巨大な大玉だけが転がっていた。
そして七つの大罪は――
コメント
1件
わあ、第22話、すごく緊迫した展開でしたね…! 体育祭の日常から一転、七つの大罪に狙われる天城くん。 特に「私たちが会いたかったのは、あなたなんだから」という色欲の台詞がゾッとしました。 《神速》を奪おうとする強欲、嫉妬の“ずるいなぁ”という口調もキャラが立ってて好きです。 20%の限界を超えて逃げようとする天城くんの必死さが伝わってきて、最終的に玲奈の叫びで意識が途切れるラストは続きが気になりすぎます…! みたらし団子さん、七人の魅力も強敵感もバッチリで、次の話が待ち遠しいです🌷
#鬱展開
わっふる
40
497
りんご飴🍎
270
桜咲かな
405