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紅の焼殺

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紅の焼殺

22 - 第22話

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2025年04月19日

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男の幸せとは何か

否、可愛くていい体の女とデートすることだ。

東本は現在付き合っている雪菜とのデートをするために待ち合わせ場所で真顔でスマホを見ていたが、内心有頂天であった。

服屋行って映画館行ってなんやかんややってホテル行って‥

など思考を巡らしていると、真顔の顔もニヤニヤしてきた。

自分でもキモいと分かっていながら、今日が楽しみで仕方なかったので、自分の気持ちを抑えることはできなかった。




雪菜は、彼とあって一日もせずに付き合った。

自分でもおかしいと思っていながら、昔死んだ幼馴染と似ていたというだけで付き合ってしまった。

しかし、彼は本当に似ていたのだ。

顔はもちろん、話し方や彼女を何人も作るクズなところまで。

もはやドッペルゲンガーだろと思う。

他人だということはわかっていた。

しかし、雪菜はそれでも付き合ってしまった。

彼女は、クズであればあるほど好きになった。

だから、もはや幼馴染よりグズな東本を好きになってしまった。

東本は、雪菜にとって理想的すぎな彼氏だったのだ。

「お、ついたか。」

「おはよう。」

さわやかに朝の挨拶を交わすと、二人は歩き始めた。

「最初はどこ行く?」

「んーお腹すいたからファミレス行きたいかも。」

「じゃ、いくか。」

ファミレスに着くと、感じのいい店員が出迎えた。

「2名で。」

「かしこまりました。」

席につき、注文をする。

「私まるまるステーキで。」

「俺マカロニパスタで。」

「っwマカロニって。

小学生じゃんw」

「いいだろ。ここのマカロニ美味いんだよ。」

食べ終わると次は映画館。

どうやら雪菜が好きなアニメらしく、主人公のきさらすがデスゲームに巻き込まれる話、割と面白かった。

映画が終わると雪菜は悪役のnappy

のグッズを大量に買って行った。

おまけに重いから持ってといってきた。

身勝手すぎるだろ。

そんなこんなで夜までデートして

夕食も食べ終わった後、東本がホテルに誘おうとした時、

「ねえ、ホテル行かない?」

「へ。」

「何その声。」

びっくりしすぎて変な声が出た。

まさか彼女から誘ってくるとは。

その後ラブホに入り、雪菜にベッドに押し倒されたところで記憶が飛んだ。



「はっ!!」

起きた所はデスゲームが始まりそうな謎の空間‥ではなく、ベッドの上だった。

「そうだ‥俺、雪なのが凄すぎて気絶したんだ‥」

沢山の女を抱いてきたが、こんなことは初めてだった。

「お、起きた?めっちゃ寝てたよw」

Tシャツで雪菜が出迎える。

精も根も尽きた俺は服を着て、

ヨロヨロとホテルを出た。



紅上がうちに来たのは、その翌日だった。

ドンドン!という音と共に、

「開けろぉ!」

という声が聞こえてくる。

ドアを開けると、

「新しいゲームを持ってきてやったからやるぞ。」

といってきた。

「おお!いいじゃん。」

「感謝しろ!!」

紅上が持ってきたゲームは、なんとマリカの新作だったのだ。

「え!これSwitch2じゃん!!

ヤバ!」

「マリカならお前が勝手にクリアするってこともねえだろ。」

さすが金持ち、学生に買えないものを平然と持ってきてやがる…

漣斗さんと紅上と俺でマリカ2をやる時間は本当に楽しかった。

「いけっ!ここでサンダー!!」

「おい!お前俺が宙に浮いてる時を狙ってやっただろ!」

「まぁまぁ落ち着いて。」

「兄貴は黙ってろ!」

なんやかんやで紅上が一位だ。

漣斗さんが紅上の周りの奴らを全員排除してるから。

「紅上は愛されてるなぁ」

と、俺がいったら、

「は?キモ。」

と普通に罵倒された。

結局朝から晩までずぅとやってた。

最終的に酒を飲みながらやったのだが、紅上が酔い潰れてしまった。

「またか‥」

「まぁ可愛いからいいじゃない。」

「んん…ハッピーエンドじゃヤダァ」

「どんな夢見てんだよ‥」

そういって紅上をベッドに運ぶ。

こんな楽しい毎日が、数週間後に跡形もなく崩れるなんて、この時は思っても見なかった。

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