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男の幸せとは何か
否、可愛くていい体の女とデートすることだ。
東本は現在付き合っている雪菜とのデートをするために待ち合わせ場所で真顔でスマホを見ていたが、内心有頂天であった。
服屋行って映画館行ってなんやかんややってホテル行って‥
など思考を巡らしていると、真顔の顔もニヤニヤしてきた。
自分でもキモいと分かっていながら、今日が楽しみで仕方なかったので、自分の気持ちを抑えることはできなかった。
*
雪菜は、彼とあって一日もせずに付き合った。
自分でもおかしいと思っていながら、昔死んだ幼馴染と似ていたというだけで付き合ってしまった。
しかし、彼は本当に似ていたのだ。
顔はもちろん、話し方や彼女を何人も作るクズなところまで。
もはやドッペルゲンガーだろと思う。
他人だということはわかっていた。
しかし、雪菜はそれでも付き合ってしまった。
彼女は、クズであればあるほど好きになった。
だから、もはや幼馴染よりグズな東本を好きになってしまった。
東本は、雪菜にとって理想的すぎな彼氏だったのだ。
「お、ついたか。」
「おはよう。」
さわやかに朝の挨拶を交わすと、二人は歩き始めた。
「最初はどこ行く?」
「んーお腹すいたからファミレス行きたいかも。」
「じゃ、いくか。」
ファミレスに着くと、感じのいい店員が出迎えた。
「2名で。」
「かしこまりました。」
席につき、注文をする。
「私まるまるステーキで。」
「俺マカロニパスタで。」
「っwマカロニって。
小学生じゃんw」
「いいだろ。ここのマカロニ美味いんだよ。」
食べ終わると次は映画館。
どうやら雪菜が好きなアニメらしく、主人公のきさらすがデスゲームに巻き込まれる話、割と面白かった。
映画が終わると雪菜は悪役のnappy
のグッズを大量に買って行った。
おまけに重いから持ってといってきた。
身勝手すぎるだろ。
そんなこんなで夜までデートして
夕食も食べ終わった後、東本がホテルに誘おうとした時、
「ねえ、ホテル行かない?」
「へ。」
「何その声。」
びっくりしすぎて変な声が出た。
まさか彼女から誘ってくるとは。
その後ラブホに入り、雪菜にベッドに押し倒されたところで記憶が飛んだ。
*
「はっ!!」
起きた所はデスゲームが始まりそうな謎の空間‥ではなく、ベッドの上だった。
「そうだ‥俺、雪なのが凄すぎて気絶したんだ‥」
沢山の女を抱いてきたが、こんなことは初めてだった。
「お、起きた?めっちゃ寝てたよw」
Tシャツで雪菜が出迎える。
精も根も尽きた俺は服を着て、
ヨロヨロとホテルを出た。
*
紅上がうちに来たのは、その翌日だった。
ドンドン!という音と共に、
「開けろぉ!」
という声が聞こえてくる。
ドアを開けると、
「新しいゲームを持ってきてやったからやるぞ。」
といってきた。
「おお!いいじゃん。」
「感謝しろ!!」
紅上が持ってきたゲームは、なんとマリカの新作だったのだ。
「え!これSwitch2じゃん!!
ヤバ!」
「マリカならお前が勝手にクリアするってこともねえだろ。」
さすが金持ち、学生に買えないものを平然と持ってきてやがる…
漣斗さんと紅上と俺でマリカ2をやる時間は本当に楽しかった。
「いけっ!ここでサンダー!!」
「おい!お前俺が宙に浮いてる時を狙ってやっただろ!」
「まぁまぁ落ち着いて。」
「兄貴は黙ってろ!」
なんやかんやで紅上が一位だ。
漣斗さんが紅上の周りの奴らを全員排除してるから。
「紅上は愛されてるなぁ」
と、俺がいったら、
「は?キモ。」
と普通に罵倒された。
結局朝から晩までずぅとやってた。
最終的に酒を飲みながらやったのだが、紅上が酔い潰れてしまった。
「またか‥」
「まぁ可愛いからいいじゃない。」
「んん…ハッピーエンドじゃヤダァ」
「どんな夢見てんだよ‥」
そういって紅上をベッドに運ぶ。
こんな楽しい毎日が、数週間後に跡形もなく崩れるなんて、この時は思っても見なかった。