どうも皆様、サカナです
妙なテンションのまま妙な話書きました
これは触手に対する人権運動
性的消費以外もしてください、そんなの 触手への風評被害ですよ
触手だって生きてるんです、心臓も動いてます
血が巡り、生きているからこそ繁栄のために苗床を探し、きっとその過程で食も嗜むでしょう
そんな小説です
被害者は日本です
⚠️なんでもいける方だけ、グロ注意⚠️
触手。
それはエロ漫画やらエロ小説やら何やら、とにかく色々な場面で目撃されている架空の存在。
明確な名前は特になく「触手」というのが固有名詞と化している。
作品によっては魔物として種族名があったり、個体名で呼ばれたり、しかしどれも触手というジャンルで括られるものだ。
触手系の特徴といえば、なによりも異種姦の入り口のようなものだと思う。
実際に存在している犬や馬よりは、触手の方が比較的難易度としては低い。
どちらもハードには違いないが。
触手はなにより、自由なのだ。
タコのようなぬるぬるであったり、植物のようなツタっぽいものであったり、男性器のような形をしていたり、中には虫寄りのもの、口がついているもの、先で枝分かれしているもの、作者によって多岐に渡る進化が遂げられている。
まさに日本らしい、ふざけた多様性である。
さて、そんな架空の存在が目の前にいたとしたら、あなたはどうするだろうか。
少なくとも、私は逃げたい気持ちでいっぱいだ。
「ほ、本当にいるなんて聞いてないですぅ…」
今年で78歳、体は成人中身は老人の限界社畜日本。
長い長い残業終わり、久々に終電まで余裕のある時間に上がることができた彼は、先ほどまで1人で飲んでいた。
薄給なので安いビールと枝豆程度の、些細な贅沢。
安いとはいえしっかりアルコールであるために、酒に弱い日本はものの十数分で酔いが回っていた。
楽しくなっているうちに、すっかり終電も逃してしまったのだが。
父がいたならば叱責を食らったであろう。
そのため仕方なく歩いて帰宅していたのだが、道中に差し掛かった林に、なぜだか魅力を感じてしまった。
酔っ払いとは欲に忠実な生き物で、ファンタジー感溢れる暗い林へ一直線に吸い込まれ、迷った挙句に遭遇したのは、人間ではなく触手。
どうしても自業自得以外の言葉が出てこない。
目の前に“いる”奴が動くたび、ねちょねちょと気持ち悪い擬音が飛ぶ。
涼やかな夜風と、僅かに生きていた理性が酔いを覚まさせた。
まだ少し赤い頬に冷や汗を流し、日本はじりじり近づいてくるソイツを睨む。
「なんですかこれ…な、何が目的ですか、ぼ、僕にえっちなことする気でしょうっ!!エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!!」
触手は何も答えない。
ただ静かな林にエロ同人という言葉が響くだけであった。
「…あ、の…ほ、本当に…勘弁してくださいよ…」
ねちょり、ぐちょり。
粘液を携えて、日本の腕よりも太い触手は躙り寄る。
今すぐダッシュで逃げたかった。
少しでも、こいつと距離を取らなくては。
ヤバい。
脳が警鐘を鳴らし、痛いくらい心臓がドクドクと鼓動する。
それでも、役立たずの足は動かない。
一歩後ろに。
すると触手は二歩前に。
視界の端に粘液を垂らした触手がちらつき、次の瞬間には視界が覆われた。
「う、動けない…」
巣であろう場所に運ばれている最中、日本は自身を縛り上げる触手に抵抗していたが、困ったことにビクともしない。
苦しくはないが、動けもしない。
高かったスーツはべちょべちょで、本当にエロ同人のような展開である。
「…な、苗床にされるのかな、僕…」
日本は自他共に認める変態であった。
正直、少し興味はある。
エロ本片手に自分を慰めるだけでは、少々飽きてきていた。
この太い触手でめちゃくちゃにされて、卵を産み付けられたり、するのだろうか。
「………」
性に素直で順応性が高く、一度気になればもう止まらない。
日本の悪い癖だった。
ゴクリと生唾を飲み下し、そんな場合でもないのに興奮を覚える。
抵抗はできず、仕事に行くのも嫌だ。
じゃあ、少しくらい。
「…いい、よね…?」
人生最大級の間違いであった。
触手がいた林の奥深く、崖の岩肌には大きな穴が空いている。
そこを棲家にしているようで、日本を捕らえたままその洞窟らしきものに入っていく。
「わっ、こんなとこあったんだ」
呑気に辺りを見まわしていると、真っ暗な洞窟内にあるものを見つけた。
「…骨?」
見間違いかもしれないと、何度か目をぱちぱちする。
闇に目も慣れてきたけれど、暗いのだから他の何かと間違えたのだろう。
まさかそんなはずはない。
ふと、触手の動きが止まった。
目の前には大きなイソギンチャクのような生物がいて、触手の本体らしい。
簀巻きから四肢を固定されるように縛られ、服を剥ぎ取られた。
ドキドキ、ドキドキ。
新たな快楽を求め、少しばかり体が疼く。
ねっとりと重く粘液が顔にかかり、目を瞑った刹那のこと。
「ッ、お゛ごッッ…!?」
日本の小さな口の中に、太い触手が突き刺さる。
「がッ…お゛ッ…ぉ…ッ」
苦しい、苦しいともがいても、触手は依然としてビクともしていない。
食道を無理に押し広げられ、生理的な涙が溢れる。
口は勝手に触手を噛み切ろうとし、喉は異物を吐き出そうとするが、何の役にも立たない。
いくらドMの日本であろうと、こんなことは予想していなかった。
「っ〜〜〜〜゛!!!」
器官にも何か細い管のようなものが入り、あまりの苦しさで意識が飛びそうだ。
ほとんど同時に肺と胃に触手が傾れ込み、足がガクガクと震える。
このまま息ができずに死ぬのか、せめて楽に殺して欲しい。
ぼんやりそんなことを思っていると、肺に空気が満たされた。
どうやら管から直接空気をぶち込まれているようで、胃の方にも液体のようなものが貯まる感覚がしている。
食道と器官に巣食う異物感は当然なくならないが、今すぐ殺されるわけでもない。
口の方から卵を流し込まれるのか、それとも別の目的か。
気持ち悪くて吐こうにも、胃の中を掻き回す触手は出て行かない。
なんなら、そのまま腸にまで侵攻してきそうな勢いである。
それは勘弁願いたい。
逆立つような内臓たちの不快感に苛まれつつ、日本はただじっとしていた。
異物は徐々に馴染み始め、既に痛くはなくなっている。
(何がしたいんだろ…?)
さっさと逃げればよかった、そんな後悔が早くも脳を駆け巡った。
本体の方に近づけられ、日本はちらりとそれを見る。
口があった。
(え?)
大きく開いた口の中に、自身の腕が入っている。
生温かく湿気ていて、 歯も見える。
(うそ、まって、うそ、うそうそうそ!!)
ゆっくりと口が閉まり、腕に硬いものが当たった。
メキッ、バキバキッ…
酷い音が洞窟の中に木霊する。
「ッ゛〜〜〜〜!!!!!」
体の中に異物があるよりも、よっぽど辛かった。
「ッ、ぉえッ、あッ゛…」
頭が真っ白だった。
片腕が食べられた。
骨が噛み砕かれ、血管が断面から伸びている。
血が止まらない。
中途半端なところで腕を噛みちぎられ、骨が砕けていた。
せめて関節なら、まだマシだったろうに。
なんで、どうして、痛い、痛い、痛い!
パニックになって暴れた。
なぜあんなに楽観視できていたのだろう?
なぜ苗床以外の道はないと思ったのだろう?
相手だって生き物だ。
食べ物がないと死んでしまう。
この世界は同人誌じゃない。
弱肉強食だ。自分は弱者だから、肉なのだ。
涙で前が見えなくなった。
必死に暴れても、やはり触手は微動だにしない。
痛くて苦しくて怖くて怖くて仕方がなくて、このままでは絶対にまずい。
食べられて死ぬなんて嫌だ。
せめて、食べるなら即死させてくれ。
限りない苦痛と絶望を与えられた時、人はどうしたら良いのだろう。
抵抗するために触手を噛む。
弾力があり、粘液が口の中でべとべと纏わりつき、生臭い。
気持ち悪い。
(やだ、しにたくないッ!!)
頭の中はそのことでいっぱいになっていた。
「ぎぅッ…」
また新たな衝撃が加わり、きゅっと目を瞑る。
噛み切られた腕の断面を、触手が縛っているようだ。
(痛い痛い痛い痛い痛い!!!!)
止血のつもりなのか、骨が折れそうなほどの圧迫感がある。
「お゛…ぁ゛ッ…」
腹が重たい。
触手が居座り、謎の液体に満たされている。
今すぐ殺すつもりがないのなら、止血や酸素の供給もしているのなら、これは食料の代わりだろうか。
死ぬまで、こうした扱いなのか?
ちまちま食べられながら、生かされ続けるのか?
いっそのこと、自我が崩壊していたのなら。
初めての痛みに、体はもう限界だ。
ふっと意識が落ち、日本はガクンと項垂れた。
それからというもの、日本は触手の化け物の食料として生かされている。
一度に腕を持っていかれ、すぐに半身がなくなって死ぬだろうと思っていた。
だが、あれは獲物がなくて腹が減っていただけのことらしく、日本は少しずつ少しずつ身を削られるばかり。
まずは腕の断面から皮膚を。
翌日には丸見えにされた筋肉を。
そしてその翌日には残った骨や血管を。
神経が空気に触れる分、それは筆舌に尽くしがたい苦痛だった。
何度意識を失ったかわからない。
何度痛みに叩き起こされたかもわからない。
肩まで綺麗に食べられたのち、触手は足を食べた。
指から毎日一本ずつ。
やがて指がなくなると、骨を砕いてチョコレートのごとく食べられる。
関節でないため、普通なら絶対に曲がらない部分がバキバキに折られ食べられるのだ。
何よりもそれが痛かった。
しかし苦痛で仕方なくても、処置と延命はされる。
無理矢理圧迫されて止血し、栄養として胃や腸に粘液を流し込まれ、肺には酸素が充満している。
食べ物として、長い間を生かされた。
両足も両腕も食べられるまで、何ヶ月かかったことか。
痛みに鈍感になることはなく、むしろ敏感になった。
幻痛もした。
でも死なない。死なせてくれない。
時々、分裂体らしい触手の塊が外へ出て、人間を連れてきていた。
食料としての自分がいる限り、それらは苗床になる。
羨ましかった。
遠くから色んな絶叫と喘ぎ声が聞こえるたびに、彼女らは己の運の良さを知らないのだろうと泣きたくなる。
代われるものなら代わりたい。
食べられるより、触手の子を産む方が何百倍も幸せだ。
胴体と頭だけになっても、日本は死んでいない。
精神的にも、肉体的にも。
痛みさえ感じなければ、きっと辛くないのに。
意識がなくなりいつかを夢見て、食べられる痛みで目を覚ます。
昨日は性器を食べられた。
いつもより痛くて久々に暴れ、動くたびに失った部位の断面がひどく痛み、抑えられる間も無く気力が霧散していったのは記憶に新しい。
今日は皮膚を剥かれた。
明日は剥き出しの筋肉だろう。
死にたい。一刻も早く。
助けなくて来なくて良いから、殺して欲しい。
流す涙も枯れ果てて、それでも日本は生きている。
今日も明日も、きっと明後日もその先も。
決して丁寧に食べられてなんていない。
ボロボロにされているだけ。
それでも生きているから辛いのだ。
生きて帰れなくていいから、誰か、誰か。
この哀れな生き餌を、死肉にしてください。
コメント
13件
初コメ失礼致します。 垢無しの時からずっとサカナ-ウミ様の作品を拝見させて頂いていた身からこの様なコメントができて誠に恐縮でございます。 触手への固定観念の被害者である日本がじわじわと少しずつ食べられてくのにギリギリ生かされ続けるという苦痛を味わい続けるのは読んでいて最高に癖に刺さるのを感じました。そこにサカナ様が持つ深い苦痛への再現性や表現力によりこれまた見事に日本の感情までもが伝わってきたのであります。 本当に素晴らしい作品をありがとうございます!!!
わあああああ🥺 サカナウミさんのセンシティブ好きすぎて!ウキウキして見に来たら大変グロしゅうございましたわ!ホントに感情表現が素晴らしくて!まあびっくりしたけどこれはこれで美味しい! 満足です!あっぱれ!❤️🔥👍
キャァァ好きですやっぱ好き過ぎます好きです🫶🫶🫶🫶 欠損リョナが大好きな私にとってはすんごい栄養素ですめちゃありがたし‥‥。触手…。今まで触手系のやつ全く興味なかったんですが、この小説で触手プレイ(えちちとは違う方向で)好きになりました! 実は私、リョナ系小説とかの文章読みながら腕ちょん切られたり皮膚引っ剝がれたりしてる子の痛覚を想像して、共感性痛覚的なやつでぞわぞわうへへってする特殊な変態なんですよ!(👮♂️🚓🚨) サカナウミさんは人の癖ぶっ壊す天才だと思います!日本虐万歳!ありがとうございました…憂鬱なはずの月曜の朝が素晴らしい時間になりました!