テラーノベル
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ザァァァァ……
雨粒が傘を叩く。
しゃるろは白組だけで会議がある、と聞き白組リーダー・かなめの家へと向かっていた。(なんでわざわざかなめの家なんだろ)
横断歩道の前で止まる。
(かなめの家って事は多分、黒組に聞かれたらまずいんだろうなぁ……となると黒組相手にドッキリ企画かな)
信号が青に変わる。前に立っていた子供が手を上げて駆け出す。山育ちのしゃるろにはあまり縁のない行動だ。
(みんな止まってくれるし)
その時。
カッ
急に視界が眩しくなった。
(……なん……?眩し……)
「……は……?」
____トラックが突っ込んで来た____
その先に居るのは目の前に居た子供。
「危ないっ!!」
咄嗟の判断でその子供を突き飛ばした。
ドンッ!
「……ッ……」
キキーッ!
耳を劈くようなブレーキの音と共に全身に走る衝撃。
宙を舞う感覚に、案外人間の体って簡単に飛ばされるんだな、なんて事を考えていた。地面に叩きつけられそうになっても
(……これ、会議遅れるな……)
呑気にもそんな事ばかり考えていた。
*****
「……う……」
全身の痛みに目を開ける。
気絶していたのはほんの数秒だったようだ。
(完全に事故じゃん……)
痛む体に鞭打って脚を引き摺りつつ、地面にペタンと座り込んで放心している、先程突き飛ばした子の近くに行く。
「さっきは…ごめんね、急に押して。怪我は、無い?」
「……う……うん……じゃなくて、はい……」
見た感じ目立った外傷も無さそうだ。
「良かった。でも、怖かったよね。ごめんね」
そう言って今にも泣きそうになっているその子の頭を撫でる。
「……ち……ちがい、ます……」
「え?」
その子はついにポロポロと泣きながら
「おにいさんが、いたそうっ……!」
と言った。
「あー……」
言われてみれば先程から視界の半分が赤い。頭から血が流れているのかもしれない。
(……多分、側から見ると相当ホラーな顔してるんだろうなぁ……)
自覚すると急に全身の痛みが誇張してきたような気がする。
(……あー……全身痛い……どうしてくれんのほんとに……)
最後にはトラックの運転手に軽く悪態をつきながら視界が黒く染まって行った。
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