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人に害なす怪異を処理するもの達が居る。
「警察署よりOSF朱雀隊へ伝令。近隣の市街地にて体長役1.8mの怪異を確認。至急現場に向かってください。」
と連絡用トランシーバーが鳴った。OSFとは、怪異専門に作られて公安所属の特殊部隊。「了解です。朱雀隊、至急対応します。」そう言って2人の男女が車に乗りこみ現場に向かった。「1.8mか小さいのぅ。1人でも対応出来たんじゃ無いのか?」そう老人口調で話す女性は山城 巳月(やましろ みつき)。「基本どんな対象でも2人1組って決まりだろ。いいから地図見て場所指示しろ。」そう冷たく言い放って運転を続けている男性は比叡 虎之助(ひえい とらのすけ)。「相変わらずストイックじゃな〜。そんな冷たいと友達はおろか彼女もできんぞ。あ、そこ右。」と巳月はヘラヘラしながら場所を指示している。このような会話はいつもの事だ。そうしている間に現場に到着した。怪異の足が早くとてもじゃないが自分達の足では追いつかない。「ワシがひとっ飛びしてもいいが、そうなると周りの建物を壊しかねんぞ。」と巳月は車越しから様子を見ている。「巳月、運転変われ。俺が狙撃する。」そう言って虎之助はタバコをフーッとひと息吐くと後部座席に乗り込んだ。「動くぞ。」そう言って車は再び発進させた。それと同時に虎之助は後部座席の窓からギリギリまで身を乗り出しパイロットケースを手に持った。するとパイロットケースからライフルへと姿を変え狙撃を開始した。「当たるか?」そう言って巳月は対象を見ながら障害物になる様な物の無い適切な場所に移動を続ける。すると『バチンッ!』と対象の頭に見事弾を当てた。「当たった。確認の為に降りるぞ。」そう言って2人は車から降り処理したであろう怪異を確認した。居ない。正確には明らかに体長が半分になっている。小さくなった怪異はウゴウゴともがいている。すぐさま近くで分裂したであろう怪異が逃げて行くのが見えた。「俺は向こうを追うからこいつは任せた。」そう言って虎之助は分裂した方を追いかけて行った。そのすぐ傍からもがいていた怪異が巳月の首を押さえつけた。「なっ?!こいつ小さいくせに力が強いな。」普通は焦るような場面だが巳月は至って冷静に分析をしている。すぐさま「でもパワーなら負けんぞ。」そう言って掴まれているのを逆手に腕を掴み返して巳月は怪異の心臓に直接手を突き刺した。「あった。やっぱり心臓を直接潰さないとダメのようじゃな。」そう言って怪異の心臓を握り潰した。血飛沫が舞いみるみる怪異は塵になって消えて行った。「こちら山城。分裂した対象のひとつの処理を確認した。至急、比叡捜査官の方に応援へ向かう。」そう言って塵になった怪異をチラッと見てその傍を離れた。その時の巳月の目は明らかに普段の様な青と赤の扇形虹彩が赤一色になり、まるで蛇の様な目付きになっていた。
一方その頃、虎之助は。分裂した怪異を追っている。分裂したからか動きが格段に遅くなっている。これなら自分の足で追いつく。虎之助は持っていたライフルを刀に変形させ接近戦に持ちかけようとしている。だが、先程の様に安易に怪異に傷をつけるとまたさらに分裂しかねない為なかなか攻撃には踏み出せない。そうこう考えていると向こうからの攻撃が来た。『ブォン!』明らかに一撃が重い音がする蹴りが飛んで来た。虎之助は咄嗟に避けきれず刀を持った腕で攻撃を受けてしまった。折れた腕を庇ってる暇も無くもう一撃が来た。すぐさま刀を拳銃に変えもう片方の手で怪異の足を撃ち衝撃を抑えた。どうやら分断さえしなければ分裂はしないようだ。その代わりに撃った箇所は再生を始めた。「やっぱり心臓か?それなら間合いを開けたいな。」そう言って太もものベルトに付いているタバコケースから血液のような物が入った試験管を取り出し蓋を開け飲み込んだ。怪異がまた攻撃を仕掛けようと予備動作を始めた。「まずいな。間合いを取るには動きが早い。」そう言って少し焦った様子だった。そんな事は怪異には知りもしない為容赦なく攻撃が来た。何とか避け切れはしたが次々と攻撃が来る。虎之助は何かを察知した。それを踏まえて虎之助は攻撃の為に近づいて来た怪異を掴んだ。もちろん虎之助への身体の負担は大きく全身に痛みが走る。だがそのまま痛みが走りながらも怪異を離さない。その時巳月が上空から怪異の心臓目掛けて踵を振った。見事に命中し怪異は巳月が対峙した分身と同じ様に塵になって消えて行った。「よくやったぞ!虎!にしてもボロボロじゃな。」と相変わらずニコニコしながら巳月は虎之助に肩を貸した。「お前…。もう少しやり方考えられないのか?返り血だらけなんだけど…。」と虎之助は不服そうにしている。「ほれ、通信機貸せ。ワシが連絡する。」そう言って巳月は通信機に無事怪異の処理を全てし終えたことを本部に告げた。
――――――――――――――――――――――――
後日。虎之助の怪我も癒えた頃に2人は本部の指揮官室にやって来た。「ごめんね、虎之助君せっかく完治したばっかりなのに呼び出して。」そう言って指揮官の席に座って居る女性は鳳 朱音(おおとり あかね)。「いえ、大丈夫ですよ。それより呼び出したって事は何か直接の任務があるんですよね?」と虎之助が言った。「そうなの。えっとね、入って来てくれるかな?」そう朱音が言うとガチャと指揮官室に誰かが入って来た。「連れて来ました。」そう言って複数人の警察官に守られるように10代程の少年が入って来た。「彼ね、えっと正樹くん、上が直々にOSFでの護衛と搬送をして欲しいんだって。 」と朱音が説明するが2人の頭にはまだ『??』が浮かんでいる。「護衛って何かに狙われておるのか?」と巳月が質問をした。すると朱音は「そうなのよ。どうやらある団体が彼を狙っているみたいで。多分大元の会社狙いだと思うから。」。「会社?」そう虎之助がさらに質問をすると黙って居た少年、正樹が口を開いた。「そう、俺の家あれだから。」と窓の外を指さした。その先には○○製薬と書かれた看板があった。「なんじゃ?あれ?」と巳月はよく分からなそうにしているのを虎之助が「日本では有名な製薬会社だよ。お前、いい加減、現代社会の情報ぐらい覚えとけ。」と何故か2人でコソコソしている。「コホン。とにかく!その団体は正樹くんを人質に開発中の製薬を入手しようとしてるの。この地域までの護衛及び搬送お願いね。」そう言って朱音は2人に司令を下した。
「とりあえずルートはこれでいいな。やむを得ず山を通るのが唯一の不安だが…。」と虎之助はルートの確認をしている。巳月は「ワシら2人だけでの護衛だからな。まぁ公共交通機関や護衛ヘリなどでは目立つし、仕方なかろう。」と2人で色々と作戦を立てていると「ねぇ、喉乾いたんだけど。」と正樹はふてぶてしい態度を取っている。「こいつ、いくらなんでも態度でかくないか?」と虎之助は少しキレている。「まぁまぁ、これくらいの年のガk…子供はこんなもんじゃろ。お前も似たようなもんだぞ。」と巳月は少し棘のあるフォローを入れた。「そうだよ、それに俺、依頼主だよ?もう少し敬ってよ。おっさん。」と正樹はヘラヘラと笑って言った。「は?おっさん??俺まだ20代なんだけど?なんなんこのガキ。」ともう虎之助の堪忍袋は限界を達していた。巳月は「まぁまぁ。」と虎之助をなだめた矢先に「おい、ブス。いいから早くなんか買ってこい。」と巳月にも牙を剥いてきた。「はぁぁ?!ブ、ブス?!このガキ!!!ワシに向かってブスだと?!こんなにワシって美人なのに!!頭に来た、コイツ山奥に置いてこう!」と虎之助以上にキレている。虎之助は自分の怒りも忘れ静止もせずに笑いを堪えている。そんなギスギスした空気の中護衛任務が始まった。
「こちら朱雀隊。山林に入りました。」と虎之助はトランシーバーで連絡を取っている。先程よりはいくらか空気はマシになっているがやはりお互いピリピリしている。「おい、お前。俺たちより前に出るな。」と虎之助は正樹に声掛けているが全く聞こうとせずに2人を置いてずんずんと前に進んでいる。すると正樹は振り返って「だって早く目的地に行きたいんだもん。おっs…お兄さんもその方が仕事が早く終わっていいでしょ?」とムスッとしている。すると巳月は「確かに、とっとと終わって帰って酒でも呑みたいが、少年に何かあるとワシらそれ以上に困るからな。」と先程の激昂とは打って変わって穏やかに言った。「ふーん。」とちょっと納得したように正樹は立ち止まった。「わかった。それなら言う事聞くよ。」と思ったよりも素直に従った。どうやら巳月には物言いなども相まって少しは心を開いたようだ。「それにお前に前を歩かれると何かあった時にすぐ動けなくて足手まといだからな。」と虎之助は冷たくいい放った。「ハハッ。素直じゃないのぅ〜。ワシみたいに何かあったら少年が心配って言えば良いのにな〜。」と巳月がヘラヘラとしている。改めて正樹を挟むように2人は護衛を続けている。
「居た。皆、作戦通りに対象を拉致しろ。周りの護衛は殺しても構わん。」そう言って白いローブに身を包んだ者達が散り散りになって行った。
山中を歩くこと数十分。巳月は何かの気配を察知した。「なんか来るぞ。人数で言うと2〜3人って所じゃな。」と2人は身構えた。すると上から蜘蛛型の怪異が降って来た。「来たか。巳月はガキ連れて先行け。」と虎之助は刀で怪異を薙ぎ払っている。「わかった。多分相手は手強いだろうから使え。いつもの調合とは違うから効くぞ。」そう言って巳月はどこから出てきたのか黒蛇を一匹、虎之助に渡した。すると虎之助の頭上から狙撃音が聞こえて来た。上を見ると木に1人ライフルを構えている人影が居る。「扱いが下手だな。」そう言って虎之助は刀を拳銃に変形して応戦した。
その頃巳月は、正樹を連れ追手2人を確認しつつ逃げている。「ダルいのぅ。こんなか弱い女子に2人掛りなんて〜。」とヘラヘラしている。「少年。少しの間結界を張るからここで耐えろ。ほれお守りもやるぞ。」そう言って結界を張るのと同時に虎之助に渡した様に黒蛇を正樹にも渡した。正樹は黙って頷くだけだった。「ほれ、来い。相手してやる。」と余裕そうに身構えた。すると1人が突っ込んで来た。後ろからは「やめろ!そいつは2人でもやっとな相手だ。一旦引け。」もう1人の女性の静止も聞かずにナイフを振りかざした。ナイフは確かに巳月の肩を袈裟がけに切りつけた。巳月の切られた箇所から血液が飛び散って相手に掛かった。すると巳月は「フフッ。バカだな〜。ワシの血を直接浴びるとは。」そう言って巳月は笑っている。切られた箇所はいつの間にか治っている。血液を浴びた者は強酸性の毒を浴びた様に溶けて行った。「だから、真正面から行くなと言ったのに。」ともう1人の女性がフードを脱いで顔を覗かせて木の上から巳月を睨みつけている。「お前がこの団体の指揮を取っているのか?」と巳月の問いかけに「私はシアン。私達は『天照教』覚えておけ。教祖様はお前たちが思って居るよりも尊いお方だ。教祖様はこの国、いや、世界を怪異の手によって変えるんだ。」そう答えにならない返答をして虎之助のいる方角に行ってしまった。
虎之助は相手のスナイパーとの銃撃戦が続いている。「手応えはあるのに咄嗟に周りの蜘蛛に邪魔されるな。」そう言って虎之助は木に隠れながら相手を確認している。すると上から衝撃波の様なものが飛んで来た。「?!危なっ。巳月達のところに行ったやつが戻って来たのか?」そう言って衝撃波を避けた跡を見ると木をえぐり取るような穴が空いていた。衝撃波が来た方向を見ると巳月達と対峙していたシアンが太鼓の様なものを構えている。「外したか。お前は下がっていろ。」そう言って仲間のスナイパーを逃がした。「は?待て。」そう言ってスナイパーを追おうとする虎之助を衝撃波が襲う。「うぐっ!」避けきれず足に掠めた。「なんだ、あれ。妖術か?」そう言って巳月からもらった黒蛇に自分の手を噛ませた。すると巳月の様に傷口がみるみる治っていく。虎之助はすぐに応戦するように拳銃を構えて撃つが衝撃波によって弾が消えて行く。虎之助が使っている銃火器の銃弾は全て虎之助自身の霊力で出来ている為虎之助の霊力より強い霊力をぶつけられると弾が消えてしまう。「拳銃じゃダメそうだな。なら接近戦か。」そう言って刀に変えて木に紛れながら近づいていく。懐に入ったと同時にシアンは太鼓をナイフへと持ち替えて刀をかわした。「お前、ガキの方追ったんじゃ無いのか?なんで戻って来た?」そう虎之助は鍔迫り合いをしながらシアンに聞いた。「1人欠けた時点で作戦は失敗だ。なら、1人でも公安の人間を減らしておこうと思ってな。」とシアンは答えた。シアンはナイフを片手にもう片手で太鼓を叩き衝撃波を繰り出した。「やばい!」そう言い切る前に虎之助は衝撃波を受けてしまった。
「虎之助!」と巳月達が戻って来た。するとシアンは諦めたようで逃げて行った。「おい、虎。生きとるか?」そう言って虎之助に近寄るが気絶をしている。それを逃げつつシアンは確認していたようで「あいつ、私の衝撃波を浴びて気絶か。」と言って完全に姿が見えなくなった。「こちら朱雀隊。比叡捜査官が重症の為、応援を頼む。」と巳月はすぐに本部に連絡を取った。正樹はとても怯えている様子だ。「大丈夫じゃ。今他のやつらが来る。お前は応援が来るまでこの蛇を手放すなよ?」そう言ってる間に応援が来て「比叡捜査官のことはワシがどうにかする。少年を頼んだ。」そう言うと正樹の搬送を引き継いで行った。「さてと」と巳月は気絶した虎之助に「おーい?死ぬのか?お前が死ぬとワシも処分されるんだよな?」そう言って巳月の目は赤く染まり禍々しいオーラをまとい始めた。「全く。人間は脆くて嫌になるな。仕方ない、今回だけだ。」そう言って巳月は虎之助の首元に噛み付いた。
虎之助は夢を見た。それは過去の夢。
「お前はもう少し弟を見習ったらどうだ?」そう言って父は俺に何度も怒鳴りつける。確かに俺は弟の虎徹(こてつ)より劣っている。俺は父親が嫌いだ。何かと取っては「将来、比叡家を継ぐため」や「兄貴のようにはなるな」なんて言うからだ。俺は母親が嫌いだ。「虎徹は母さんの宝物よ」なんて言って俺を軽蔑の目で見るからだ。能が無いと誰からも愛されない。でも1人だけ違った。それは俺の兄、虎時(とらじ)だ。兄貴はこの家が嫌いで警察の公安になった。その時父は随分反対し勘当までするほどだった。でも俺はそんな兄貴がかっこいいと思った。兄貴には会うなと言われたいたが父や使用人に隠れて会うことがあった。「兄ちゃんの仕事はかっこいいな。色んな人を怪異から守るんでしょ?」そう言って俺はいつも兄貴から公安の仕事の話を聞いた。確かに公安の仕事は危険か多い仕事だ。でもその分人の笑顔が見えるからやりがいがあるって。兄貴はいつも楽しそうに教えてくれた。兄貴が死んだ。市民を庇って殉職した。俺以外の家族も使用人も誰も兄貴を弔うことはしなかった。俺は比叡家が嫌いだ。だから高校を出てすぐに警察官になった。訓練校ではみんな『比叡家の子』としか思っていなくてまた俺は1人になった。それでも俺は妖術を使えない分体術や武器の扱いを極めた。幸い俺には人より多くの霊力を持っている。そうして俺は公安に、OSFの朱雀隊に入った。兄貴の様に人を助けれるような人間になるために。
「お!目を覚ましたか?」と巳月は虎之助の顔を除きこんだ。「いや〜。お前死ぬところだったんだぞ〜!」と相変わらず巳月はヘラヘラしている。虎之助は少し安堵した顔をして再び眠りについた。しばらくして虎之助の退院の日になった。「もう身体は大丈夫なの?」と朱音が見舞いに来ている。虎之助は「はい、特に問題無いみたいでまた来週からは任務に戻れるそうです。」。「いや〜、虎がおらん間、書類整理ばかりでつまんなかったの〜。」と巳月も来ていた。すると病室の戸を叩く音が聞こえ男性と正樹が入って来た。「正樹の父です。この度は護衛の件ありがとうございました。そしてご迷惑をかけて申し訳ない。」そう言って正樹の父は深々と頭を下げた。「やめてください。今回は相手が悪かっただけで。」と虎之助は少々困っている。「今回は天照教の最高幹部が出張って来るとは誰も予想していなかったことです。本人も言っていますが頭をあげてください。」そう朱音も正樹の父に説得をしている。「そうですか。いや、しかしほんとに息子を守って下さりありがとうございました。ほら、正樹もお礼を。」そう父に促され正樹も「ありがとう…。」と少し恥ずかしそうに言って病室を出ていってしまった。正樹の父も「すみません!」と言って病室を出ていった。「やっぱり虎に似て素直じゃないのぅ〜。」と巳月は笑っている。「んで、お前は会議に居なかったから改めて天照教についてわかったことを伝えとくぞ。」そう巳月はこれまでにわかった天照教について伝達した。天照教(てんしょうきょう)。教祖の名前や顔はまだ判明していないようだが活動内容としては自治団体を装った過激テロ組織で、近年怪異が増えている理由も天照教が原因であるということが分かった。「んで、今後のOSFは怪異の処理だけではなく天照教の完全壊滅も視野に入れての任務になるとの事じゃ。それとさらに白虎隊との合同任務も増える。まぁ、こんなもんじゃな。」と説明が終わった。「わかった。なら退院後すぐに出れるようにしとく。」と虎之助は言った。「何にしろ無理はしないでね!あ、私そろそろ行くね!」と朱音は一足先に病室を出ていった。一瞬の沈黙が病室無いを包んだ。沈黙を破るように巳月が「という訳で、ワシも今日は帰る。」と言って続けて虎之助が「部屋散らかすなよ。」と小言を言い巳月ははいはいと手をヒラヒラ振って病室を後にした。「痛っ!なんだ?首?こんなとこ怪我したか?」と虎之助は首元に手を当てた。
第1話 「開始」 完