「なんで、なんで、なんでなんだよ」
自分の気持ちに逆らって体が動いている。手の感覚がない。意識が朦朧とする中、最後の力で沙羅を呼んだ。
『さ、ら、、いえ、き、、、て』
そうするとすぐに沙羅が来てくれた。家の扉を開けようとした瞬間俺は倒れてしまった。沙羅は家の中に入ってすぐに救急車を呼んでくれたらしい。どうやら俺は、貧血で倒れたようだ。俺は強く頭を打ってしまった。
救急車で運ばれている時に少し声が聞こえた。
『はや!お、ねが、い!起きて!』
その言葉だけは、はっきりと聞こえた。
そしてある日、俺は目を覚ました。俺の前には目に涙を浮かべている男がいた。
バシッ!
鈍い音が病室に響いた。
「俺に近づくな!」
俺は危険を感じて咄嗟に男を殴ってそう言ってしまった。目の前にいる男がどこのどいつかは知らないけれど、俺には近づかないで欲しかった。
『絶対に』
白衣を着ている男が言った。あなたは、
『記憶喪失です。』
と。俺が殴ってしまった男は、目から涙をこぼした。俺はなぜ泣いているのかわからない。俺は何をしてしまったのだろうか。それともあの男が勝手に泣いているだけなのか。わからない。そもそも自分の名前も、なぜ俺がここにいるかもわからないことに気がついた。
白衣の男に聞いた。何故俺がここにいるのか。俺は誰なのか。
「貴方は、倒れてここにいるのですよ。そして貴方の名前は、覇彌です。」
「は、や?」
どこかで聞いたことがあるような、ないような名前だった。
次回『沙羅の気持ち』編です!
みなさんお久しぶりです。翠蘭です!色々な都合があり、小説を更新できていませんでした。大変申し訳ございませんでした。ここからバンバン投稿できればなと思っていますので、よかったらフォローお願いします。
翠蘭でした〜
コメント
2件
大丈夫?
卒業式関連やろ...お疲れ様でした...(出れへんかった...!!!くそ!!)