嘔吐表現注意⚠︎(少しだけ出てきます)
クソガキ出てきます。
だから閉じた。 あいつの鳥かごを。
高校二年生の夏頃。
蒸し暑い季節が続きみんなぴりぴりしていた。
僕と葛葉は2人でピリピリすることなく、むしろ何であんなに怒ってるんだろうね?とふたりで笑いあっていた。
僕は学生生活怒ったことがなく、葛葉は泣いたことがなかった。
そんな僕たちの運命を一気に左右するカスが現れた。
昼休み。
叶は仕事があり、職員室の方へいた。
カスとクラスメイト、俺は教室におり、
楽しそうに会話していた。
そんな時カスが
《なあ葛葉??》
「..」
《叶ってよぉ、》
「なに」
叶 という言葉に思わず反応する。
《お前の事。嫌いらしいぜ》
《まあ嫌いって言うか無理??ww》
僕は職員室のすぐそばに居た。
早く葛葉と話したい とにやにや妄想していると クラスメイトの女子がこちらへ向かってきた。
(どうしたんだろ…)
女子生徒の髪は乱れていて、顔は真っ青。
今にも僕を必要としているようだった。
<かなえくん!!!!!はやく!!教室来て!!!!!>
『う、うん..!!!!』
遊びではない、真面目な声に少し驚き、廊下を走る女子生徒を追う。
教室に着くとそこには地面に倒れかけている葛葉がいた。
『葛葉!!!!!!!!!!』
少しでも、少しでも声を届かせようと
葛葉の名前を叫ぶ。
教室はまるで殺風景という言葉をそのまま持ってきたようで、 ごちゃごちゃの机。
散らかされた葛葉の教科書。
ページをぐちゃぐちゃに破かれたノートがあった。 クラスの雰囲気からいじめではない事を理解する。
(自分自身でやったのか..??)
そんなことはどうでもいいと、葛葉に駆け寄る。
『大丈夫?!?!?!』
俯いていた葛葉からは涙が出ており、嘔吐したものがあった。
『葛葉!!!!!!!』
女子生徒が葛葉の嘔吐したものや
葛葉がやったのであろう事を片付けてくれていた。
「..近づくんじゃねえよ。」
今までに聞いたことがないほどの低い声が上がる。
「だから…近づくな!!!!!!!!!」
僕を見つめる葛葉の顔はぐちゃぐちゃで、
美しい瞳はまるで獣のようだった。
僕に優しく微笑む葛葉が蘇り、頬に暖かい感触が伝わる。
「..ごめんな。」
葛葉はその一言だけを残し、どこかへ去ってしまった。
僕は、その時 葛葉を追いかけるよりも
葛葉をこうさせた犯人がいるんだなあと考えた。
教室を見渡す。僕と目が合った女子生徒は、獣に狙われているかのように怖がり、心配する人もいれば、混乱している人もいた。
だがその中に1人、異常に焦っている男子生徒がいた。
そいつは僕の事を追っかけていて、前にも振った事がある。
気持ち悪い。
僕はカスの元に近寄り、こう囁いた。
『ねえ、君がやったのかなぁ。』
僕の目に映る汚い物体が冷や汗を流す。
《だ、だってよ…!!!!お前葛葉のことばっかりみて、俺のこと..見てくんねえじゃん..》
僕の中にある途切れては行けないものが
プツっと音を立て、途切れた気がした。
そいつの言葉は気にせず、葛葉に誤解を産ませたのはコイツなんだ。とわかった瞬間から 気付かぬ間に僕は物体の首を絞めていた。
壁に物体を押付け、逃げれないようにする。
クラスの女子生徒が悲鳴をあげる。
片付けや僕を呼んでくれた子も止めに入ろうとしていた。
『ほんっとにうるさいんだよ….
お前、昔から大っ嫌いなんだよねえ』
僕は物体に対して微笑む。
僕は微笑んだつもりでいたけど、物体が汚い目で頑張って把握した僕は笑っていないように見えたのかな?すんごい怖がっていた。
僕は言葉というナイフで、物体の心という鳥かごをぐちゃぐちゃにした。
物体は汚く泣いていて、もう触りたくないほどだった。
けど葛葉が可哀想な想いをしたぶん、この物体にも味わってもらわなきゃね..♡
怒りが強くなりすぎたのか
手に力をぐっ と入れた瞬間からもう記憶はなく、思い出せない。
まあ、思い出したくないんだけどね。
俺は限界だった。
泣いていた。叫びたかった。
変なカスに 叶の事を話されてから。
気持ち悪くてたまらなかった。
死にたい。と心から思った。
だから俺は屋上にいた。
死のうとしていた。死にたいから。
でもちょうど来ていた警察に見つかり、捕まえられた。
俺は警察の質問に何も答えなかった。
吐いたのもあり、その日は早退となったため、家で少し休息をとることにした。
ああしんど..。
心がピリピリする。鳥かごがぐちゃぐちゃになって、鍵穴がもう分からなくて。
死にてーな…笑
それから数日経ち、葛葉は学校に来なくなった。 僕が物体の首を締めてから、無駄に怖がり物体は別の学校へ行った。
物体が消えてからも、僕は葛葉を想い続けた。
半年ほど経った頃。
葛葉が保健室登校を始めた。
知らないフリをされた。
お前は誰だ、知らない。
無理に言い聞かされているようで苦しかった。見ているだけでも吐き気が込み上げた。
それから僕達は赤の他人のようになっていき、2年生の頃にはもう話すことは無かった。
3年生になり、卒業が近づく。
雪を眺めていると、赤い瞳の少年がこちらを見ていた。
(…言葉が出ない。)
記憶の片隅にあるような、ないような。
そんな存在な気がした。
無理くり閉めた鳥かごの中で
赤い瞳の青年の存在が閉じ込められているようで。
僕の中に微かに残る存在は暴れていた。
思い出せ、思い出してくれと
暴れ喚いていた。
だけど、僕の鳥かごを潰しかける原因と
なったあの時の記憶が、思い出すな。
アイツは他人だ。と僕に言い聞かせる。
そんな事を考えていると、青年が
声をかけてきた。
「隣、いいすか」
声を聞いた瞬間 涙が込み上げてきそうになった。
それから 話したい気持ちが溢れ、青年との話は進んだ。
僕は__気づいていたんだ。
逃げていただけだ。
彼は葛葉。八神葛葉だ。
1年前ほどに消え去った。
僕が自然に声を発する。
『葛葉 愛してるよ。』
次回は絶対 いちゃいちゃいちゃです。
コメント
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どこの誰ですかあのクソ。ストーリーめっちゃ好きです!続き待ってます!