どうも皆様、サカナです
流石にイタちゃんが休戦協定発表した日はイタちゃん書かなきゃと思いまして…
まあ史実は半分以上関係ありませんが
両手に花です、両手に花
一生ナチさんに不幸にされ続けるサロヴィシのナチサロ(ナチイタ)とナチヴィシです
追記 何が…書きたかったんでしょうね…?
「女々しいとは思うのですが、私は人形遊びが好きでして。最近専用の部屋を作ったんです」
いつの日か送られてきた長い長い手紙、その中でそんなことを言っていたのを思い出す。
戦争についていけなくなり、僕は降伏という形で枢軸国から降りた。
アメリカのせいで少し早い発表になってしまったものの、これでようやく争いから逃げられる。
そう思っていたのに、こんな仕打ちはあんまりだと思う。
「ふふ、私が貴方を逃がすと思いますか?」
「…」
目の前には楽しそうに目を細め、頬を赤らめるナチスの姿。
嗚呼神様、お助けください。
降伏したというのに、ナチスも連合も僕のことを攻めて南北でぶった切ってきた。
おかげでサロ共和国だなんて望んでいないものになり、レジスタンスによって構成されたCLNなんて組織もできたらしい。
もう、僕の愛したイタリアはめちゃくちゃだ。
「さ、貴方の為の部屋があるのです。こちらへついて来てくださいますね?」
「…うん…」
今の僕は彼の傀儡だから、ついて行かないという選択肢なんてない。
もしそちらを選ぶのならば、僕の命は蝋燭の火よりも儚く消え失せるだろう。
奥へ奥へ、地下へと向かって移動する。
今のうちに道を覚えておこう、迷って彼の機嫌を損ねることがないように。
「ここです」
ついたのは分厚い鉄の扉の前。
おそらくこの屋敷で最奥であろう、暗く不気味な通路にぽつんとあった。
ナチスが銀色の鍵を差し込み、ギギギ…と重々しい音を立てて扉を開く。
「…え」
案外中は煌びやかで、女の子が好きそうな柔らかい雰囲気の部屋だった。
けれど、その部屋には先客がいる。
「フ、フランス…?」
「あれの名はフランス・ヴィシー政権。私の傀儡の一つです、今の貴方と同じですね」
フランス…もといヴィシーは、まるで絵画のような美しいドレスを着せられ、柔らかそうなベッドの上で1人座り込んでいた。
赤い目には光がなく、人形のようにぴくりとも動かない。
「な、なんで、あんな格好してるの…?ヴィシーは、女の子ではないよね…?」
「えぇ、そうですよ。彼は我々と同じく男性です」
「それなら、どうして…?」
「見目は美しかったので、飾りたくて」
「かざ…っ!? 」
「はい。誰に見せることもありませんが、貴重な品は綺麗にして飾っておきたいものでしょう?貴方のお家にだって、たくさんの絵画が置いてあったではありませんか。あれと同じですよ」
「あれは絵画で、生物じゃない!ヴィシーは生きてるんでしょ?生き物は飾るものじゃないよ!どうしてこんなことするの?!」
思わず怒鳴りつけてしまった。
ヴィシーはやはり微動だにしていなくて、こちらに気づいているのかすらわからない。
「…何が違うのですか?どうして怒っていらっしゃるのですか?」
「…は?」
「生き物も、絵画も、彫刻も、アーリア人と貴方以外、全て等しく物でしょう。彼は私の所有物なので、私がどうしようと勝手なのでは?」
「…絶対、おかしいよ…そんなの…どうしてそんな風になっちゃったの…?僕、もうわかんないよ…」
ナチスの目は本気で、何がおかしいのかと本気で思っていることを示していた。
僕の手を握る彼が、急に気持ち悪く思えてきて仕方ない。
「わからなくても良いのです。貴方はただ、私の言う通りにさえしてくだされば」
「ナチ、ス…」
奥の見えない赤黒い瞳が怖かった。
暗闇の中に飲み込まれてしまいそうで、握られた手に力を込められていくことと合わさって、“もう逃げられない”と本能が叫ぶ。
「私のささやかな趣味に、付き合ってくださりますか?」
傀儡政権である僕が、彼に逆らえるわけがなかった。
コクリ。
小さく小さく頷いた様を見て、ナチスは幼さの残る綺麗な顔で微笑んだ。
「ふふ…やはり綺麗ですね、サロ。ヴィシー、もう少しサロの方へ寄りなさい」
「はい…」
僕は今、ナチスの趣味とやらに付き合わされている。
レディが着るような華やかなドレスを着せられ、女の子が遊ぶお人形のようにポーズを取らされ、その様子をナチスが絵にするのだ。
屈辱的だったけれど、逆らえば何をされることか。
先程まで彼に反抗していた僕はすっかり大人しくなり、反骨精神のカケラもないヴィシーと共にポーズを取る。
彼は長くこの部屋にいるのか、服の着替えが早く、彼の指示を明確に理解して素早く動いていた。
あの手紙の趣味部屋とは、ここのことなのだろう。
だとすれば、その頃からいたであろうヴィシーの様子にも納得がいく。
嗚呼、元は敵国の彼だけど、すごく可哀想だ。
彼が絵を描いている時は、1ミリたりとも動けない。
表情も変えず、瞬きもできる限り抑える。
ナチスは写実的な絵を好むから、僕たちをよく観察してリアルに描き上げるのだ。
だからこそ、動いてはならない。
段々、ヴィシーと取り合うようにして上げている手が痺れてきた。
下げれば何か酷いことがあるかもしれない、耐えねばならない。
ただ静かな時が過ぎゆく。
時折ナチスが唸ったり、筆を洗ったり。
それも滅多に鳴らないため、集中して余計に腕の痺れがキツくなってきた。
「もう少し…いや、うーん…」
(早く終わって欲しいな〜…!!)
絵は捨てたのではなかったのかな、君。
やっぱり描くこと自体は好きなのかな。
彼がきちんとした趣味も持ち合わせていることに安堵するけれど、モデルとなっている側は辛いわけで。
腕の痺れに耐えながら、その日は終わっていった。
最後まで耐えた僕は、とても偉かったと思う。
また別の日、サラッと監禁されてこの部屋で過ごしていたある日のことだ。
いつもとは違い、今日は僕たちの軍服を着せられた。
フリフリのスカートやパニエ、コルセットなんかより、着慣れたそれの方がやはり落ち着く。
いつも座らされている柔らかいベッドの上に、今日はナチスも乗っていた。
僕たちはそのナチスに寄りかかるような形で横につき、腰のあたりを抱かれている。
ヴィシーは顔が死んでいた、僕も同じようなものだろう。
数日の間に学んだことは一つ。
余計な口を出さないこと。
だから、この奇怪でストレスが募るばかりのこの状況でも大人しくしていた方が良い。
何がしたいのかは知らないが、黙っていれば殴られはしないはずだから。
しばらく沈黙が続き、ふとナチスが言い放つ。
「今日の仕事は、もう終わらせました。なので、これから貴方たちを目一杯可愛がってあげましょう。ほら、横になって 」
嗚呼、なんとなくわかった気がする。
彼が欲しいのは、モデルに使う人形ではなくて…
自分に足りないものを埋められる、暖かくて言うことを聞く奴隷なんだ。
コメント
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ナッチゃん、、、ドSが過ぎる。 言うことを聴いてくれる暖かい奴隷って言葉が好き過ぎて何度も頭の中でリピートしてます☆荒んだ環境でねじ曲がってできた趣味なのか、あるいは元からある性癖なのか、、、 どっちにしろ全力でそれに振り回されるサロとヴィシーが可哀想可愛くて一生もぐもぐできます☆フリッフリのお洋服こしらえて死んだ目でポーズ取るのまさに人形ですね、、、 ナチは見た限り三つの用途で“人形”を使ってるぽいですね、、、めっちゃ働かされるやんこの2国、、、 めっちゃ好きです❤(ӦvӦ。)
サロちゃんメインのお話を書いてくださる方がここにいます、皆さん集合しなさい() ヴィジーくんとサロちゃんのふりふりお洋服……ナチスさんとは気が合いそうです。きっと数多を魅了する妖しいお二人が絵画に閉じ込められているんでしょうね!!!! ありがとうございます!!!!!!