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蒼白の髪をした…アンジェラといっただろうか
彼女に拘束され、空き部屋の様な場所へ入れられる
その場所には…
「………？」
スーツに警棒が置いてあった
…着ろということだろうか
苦戦しつつスーツを身に纏い、壁により掛かって休憩する
……一時間ほど経っただろうか、アンジェラが部屋に入ってきた
「準備が出来ました。 付いてきて下さい」
仕事場へと付く
薄黄色な部屋にパイプが張りめくらされていて、他にも私のような職員…オフィサーと言っただろうか
それらも見る事が出来た
この会社の見取り図は確認済みな既にアンジェラからの説明は受けたため、仕事内容は問題ない
（何とでもなるでしょ）
アンジェラ…様？からの指示を待つ…しかし、何時まで経っても音沙汰が無いため、周りのオフィサーと会話を交わす
「…初めまして。私はスミレ
…貴方は？ 」
……多少話をしていくつか分かったことがある
巣での大学を卒業し、幾つもの書類選考に入社条件を通過してようやく入社する事が出来たらしい
……なんか申し訳ないな
大分雑に入社させられた為忘れていたが、私は『翼』に入社したのだ
きっと前までの私なら喜ぶことが出来たのだろうが…
「……… 」
……今は彼が生きていることを願うことしか出来ない
そうしているとアンジェラ様から指示が入り、収容室に入ると
「…えぇ？」
自分の倍程度のサイズをした頭蓋骨に面食らう
……これを観察するのか？
十分に警戒しつつ観察を始める
「……特に何も無かった……」
見た目の割に危険でも何でも無かったため拍子抜けだが、安全に越したことは無いだろう
「……いや、翼の業務がこんな簡単な訳…」
……その思いは数十日ほどで実現してしまうのだった
『管理人！T-01-68《死んだ蝶の葬儀》が脱走しました！』
『管理人！O-03-60《宇宙の欠片》が脱走しました！』
琥珀の試練
完全食
完全な食べ物、完璧な代替品
『管理人！……
廊下に居る虫共を『ジャスティティア』でバラバラにし、他のアブノーマリティの元へ向かう
廊下を抜ければそこにはT-01-68《死んだ蝶の葬儀》
既に他の職員が鎮圧に向かっていた
私も即座に鎮圧へ向かい、その頭の蝶を引き裂く
T-01-68《死んだ蝶の葬儀》の鎮圧が終わるとほぼ同時、作業の指示が入る
エレベーターへ乗り収容室へ向かう最中、O-03-60《宇宙の欠片》と鉢合わせる
不快な音を無視しつつ、収容室へ逃げ込むことが出来た
ようやく息をつくことが出来た
………しんどい
扉の奥から聞こえる戦闘音を聞きながら目の前のアブノーマリティの観察を始める
T-01-75
丁度今日収容されたアブノーマリティだ
私が収容室に入ると同時、今すぐにでも脱走しそうなほど地団駄を踏み始める
…今回は本能作業
今にも暴れそうではあるが、周りの顔部分に接触し観察日誌に記す
『管理人！O-01-64《貪欲の王》が脱走しました！』
……外は凄いことになっているらしい
そう考えながら作業を終わらせようとすると…
｢………！？｣
『管理人！T-01-75が脱走しました！』
………危なかった
コントロールチームで2人、情報チームで1人の犠牲を出してしまった
作業後に観察情報を確認すれば、T-01-75…《笑う死体の山》は施設内の死亡した人数によってクリフォトカウンターが下がるらしい
その上死体を吸収して強くなる…ALEPHらしい驚異度だった
そして…負傷した職員の入室でもクリフォトカウンターは下がる
……私が負傷さえしていなければ防げていたのだろうか
｢…………｣
当たり前に人が死ぬ環境
日々消えていく仲間
何度殺そうが蘇る化け物共
そして……生きているのかも分からないハンスの存在
彼女の精神は徐々に削れていった
そうして、今回の作業で抽出することが出来た笑う死体の山のE.G.Oを装備し、明日も作業へ赴いたのだった
『管理人！T-01-68《死んだ蝶の葬儀》が脱走しました！』
……向かおう
特に作業指示も無いため鎮圧へ向かう
向かった先では…廊下の奥で無数の蝶を放つ T-01-68《死んだ蝶の葬儀》と、それに飲み込まれる新人職員を視認する
蝶の中を駆け抜け、新人職員の首根っこを摑んで放り投げた
……無意識でも人を助けてしまうのは彼の影響だろうか
全力で『笑顔』を振りかぶり、目の前のアブノーマリティを叩き潰す
鎮圧後、先程の職員の安否を確認するために振り返り───
「……え」
「は？」
その顔には見覚えがあった
何度も苦楽を共にした、大切な──
「…スミレ？」
ハンスから私の名前が発された
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