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💛さん視点
状況確認という名の軽い取り調べを受けてから数日経った。
長いようで短かった入院生活。
グループの誰よりも忙しいクセにわざわざ時間を作って様子を見に来てくれた勇斗。
今日の退院だって1人で大丈夫だと言ったのに『絶対行くから待ってて』と言われて結局断れず、こうして勇斗の車の助手席にいるのだが…。
「…勇斗」
「ん?」
「巻き込んでごめん」
運転中に言うなんてなんて狡いのだろうと自分でも思う。
でも、顔を見て言う勇気も何もなかった。
死んでしまった××との関係を聞かれるのが怖かったのかもしれない…わかってるかもしれないけど勇斗には知られたくなかった。
「なぁーに、暗い顔してんの?」
信号が赤になったタイミングで勇斗が俺の顔を覗き込んでにっこり笑う。
「自分から巻き込まれに行ってんだから仁人が気に病む必要はないよ」
「え…」
「なにも聞かないし、傍にいる」
勇斗からの言葉は自分にとって都合のいい言葉のように聞こえた。
「だからさ…守らせてよ、俺に」
自分に向けられた勇斗からの真剣な声に頭のどこかで『ドラマの台詞』みたいだなんて思ってしまう。
(…なんで、今更そんな顔を見せるの?)
選ぶ相手を間違えてしまった。
確かにそこに恋心はあったはずなのに。
蓋をして諦めて自分に嘘をついた結果がこれなのかと思うと情けなくなる。
そのまま気まずい沈黙が続き、気付けば勇斗の家の前だった。
🩷さん視点
仁人本人からも聞いていたけれど、マネージャーからも仁人の退院を知らされていた。
と、同時に厄介な情報も耳に入った。
『マスコミが吉田さんの事を嗅ぎ回っている』
恐らく仁人の家のまわりにもマスコミ関係者が張っているだろうと予測できてしまい、とにかく俺が向かいに行ってそのままうちに連れ帰るべきだと判断した。
そこからはマネージャーに無理を言って予定の調整をしてもらい、なんとか今日という日に漕ぎ着けたわけで。
「えっと、勇斗…」
「しばらく俺の家にいて」
今の仁人にマスコミの件を言うか迷って結局言わずに仁人の少ない荷物を強引に奪いその辺に置く。
(絶対に傷付けさせない)
心に誓うも、早かれ遅かれいずれボロは出る。
守るという名目の元、もう、他の誰かに手出しできないようにしたいだけの俺のわがままなのかもしれないとすら思えた。
すみません、2話で終われません。