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とまと
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『綾瀬さん。おめでとう。また満点よ!学年1ね!すごいわね。』
「ありがとうございます。」
そう言って、渚は微笑んだ
周りからは
{綾瀬すげぇ!}
{流石なぎさー!!}
そんな声が上がっていた。
(私がどれだけ努力しているか、知らないくせに。)
そう、心の中で怒りながらも、
貼り付けたような笑みで、クラスを見渡す
(誰にも本当の自分を見つけて貰えない。)
『帰りのホームルーム始めるぞー』
『ーーーーーーーーーだ。』
『明日もちゃんと学校来るんだぞー』
{はーいセンセー。さいならー}
『さようなら、でしょ。まぁいいや、さようなら。』
「あのっ、田中先生。」
渚は先生に声を掛けた。
優等生。そう。優等生なのだ。
だから、テストはいい点をとらなければいけない。
『どうしたの?綾瀬さん。』
「あの、ここの問題、聞いても宜しいですかね、?」
「自分でも考えてみたのですが、イマイチ理解しきれなくて…」
『あー。ここね。ここはーーーで、ーーーーーすると簡単に出来るわよ。』
「ありがとうございます。田中先生」
微笑む
『いいのよ。また分からないところあったら聞いて。』
「ありがとうございます。」
「それでは先生、失礼します。」
「ありがとうございました。さようなら」
微笑む
帰り道。もう薄暗くなった道をひとりで歩く。
「つかれた」
そう、誰に聞かせる訳でもなく呟いた
ガチャリ
「ただいま。お母さん、お父さん」
<おかえりー遅かったわね。ご飯できてるわよ>
「ありがとう。今日はお父さんも帰り早かったんだよね。お疲れ様」
微笑む
<あぁ。ありがとう。まぁさっさと飯食え。冷めるぞ>
「そうだね。いただきます」
椅子に座り、手を合わせた。
箸を口に運ぶ。
「おいしい。お母さん。ありがとう」
<そう言って貰えるなら、作りがいあるねぇ>
<いっぱい食べてね>
「うん。」
「お母さん。美味しかったよ。ご馳走様、ありがとう。」
「お皿ここに出しておくね」
<はーいありがとうー>
「先にお風呂入ってきちゃうね」
風呂場に向かう。
ちゃぽんと、湯船に浸かる
「ふぅ、笑顔、疲れるな…」
ひとりの時間だけは、ありのままで居られる。
その時間が唯一の救いだった。
「お母さんー。お風呂上がったよ。」
<そう。早く寝なさいよー>
「うん。課題終わらせたらすぐ寝るね。ありがとう。おやすみ」
<おやすみ>
「………次も、満点、取らなきゃ」
深夜2時
(元々私は勉強が苦手だった)
(だけど、ひとつくらい長所がなければ何も必要としてくれなくなる。)
(だから私は毎日夜中まで勉強をし、当たり前かのようにいい点をとる)
羨ましい。その言葉が嫌いだった
いつも勉強できて羨ましいと、言われる。それが重荷になっていた。
朝、来ないで欲しいな
いつしか私は、朝が嫌いになった。
いつしか、褒め言葉も、素直に受け取れなくなった
そんな自分、大っ嫌い