「そんなに透子の頭の中、オレのことでいっぱいになってくれてたんだ?」
嬉しそうに笑いながら話しかけてくる樹。
「でも。透子そういう意味で心配させてるとは思ってなかった。でもようやく準備出来たからもう大丈夫」
「そっか。やっぱりもう私必要なかったか・・」
本当にその準備が終わったのか、私を心配させない為にそう言ったのかはわからないけれど。
でも、やっぱり私の力を借りようとはしないということだけはわかる。
「透子は必要だよ」
「えっ?もう大丈夫って」
「うん。でも透子はいてくれなきゃ困るんだよね」
「ん?どういうこと?」
なんか私と樹の言ってることが、なんとなく噛み合ってないような気がする。
「あのさ。透子」
「何?」
「明日の休みさ。ちょっと連れて行きたいとこあるんだよね」
「明日?」
「そう。天気も良さそうだしさ。久々にドライブデートしようよ」
「うん・・。それは嬉しいけど・・」
樹と休みの日にゆっくりデートっていつぶりだろう。
案外お互い仕事が忙しくてどちらかが休みの日も仕事だったりしてたことが多くて。
最近はそうじゃなければ家で一緒にゆっくりすることのが多かったな。
だから正直ドライブデートとかすごく嬉しいのに。
なぜこのタイミングで・・・。
もう素直に喜びにくいじゃん!
「連れて行きたいとこってどこ?」
「ん?まぁ明日のお楽しみかな」
「教えてくれないの?」
「透子も明日何が起こるかわからない方がワクワクしない?」
「まぁ。それはそうだけど・・」
「じゃあ決まり。明日はとびきりの日にするから期待しててよ」
「うん・・わかった」
私はわからないままそう返事をする。
でも、なぜか樹がとても嬉しそうにそんな風に言って来るから。
嬉しそうに笑ってくる樹に、私も同じように笑い返した。
なんかそれでもう今思ってることももう特にどっちでもよくなって。
ただ樹と久々に一緒に過ごせる休日が素直に嬉しくて胸を躍らせていた。
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