友達の家に行くなんて中々ないから
やっぱーり緊張する訳でさ、
何を手土産にしたら良いのかなんて分からないし。
いやまず、三日三晩洗濯してない制服で行っていいのか??
あ、今日の靴下穴空いてるんだった
ああぁもうダメダメだよ
とりあえずこのままじゃだめ
一旦花音には先に帰ってもらうしか…
_ね、ほら早く行くよ_
振り向くと、
さようならの号令と共に
彼女の声。
諦めた顔で苦笑い
すかさず彼女も白い歯を見せる。
ああ、この幸せな時間はどのくらい続くのかな
きっとずっと続くんだろうな。
今は不思議にそう思えた
第16話 厚いビニール袋
葵「だめだめだめだめやっぱなーーーし!」
今までに出したことの無い声が
校門に響き渡る。
彼女が両手に持ってた沢山の飲み物のビニールも地面に落ちる。
もう、アホ!
やっぱり上手くいくことばっかじゃない!!!!
つくづく自分が嫌になる
花音「なによ?!急におっきい声だして?!w」
葵「あぁ、あのやっぱり別の日にしない?^^」
花音「何今更、」
葵「いややっぱり事前準備とやらが必要でして、、?^^」
落ちた瓶を拾いビニールにしまう彼女は眉毛を上げてこちらを見た
花音「プッ…wwww」
葵「は、?」
花音「あっはははwwwww」
「なによそれ!この前1回来たでしょ?言い訳してないで行くのっと!」
葵「ほんとむりだから!」
思ったより大きい声で怒鳴ってしまった
花音「…!?」
葵「あぁ、ごめん…なんか」
「ドキドキするんだよ。この頃花音といると。緊張してるのか、はたまた違うドキドキなのかは分からないけど…」
そう言うと彼女はニッコリして頬を摘んできた。
花音「そっか」
葵「…」
花音「薄々勘づいてたよ、それ」
葵「えっ、どういうこと、それって、…?」
花音「私もアオイといる時が、1番、誰よりも落ち着く。でもたまに、アオイが見せるそういう一面に…」
葵「そういう一面…?」
花音「そういう一面に…何となく惹かれる?!?的な?!はははは!wwwww 」
「てなわけだから今日んとこは解散でー!
はは…じゃまったねー!!!w…」
ん?なんか、突き放された?
今日の件で何となく分かってしまった。
お互いが、友達として
見れなくなってきている事を。