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響く怒声に行儀の良い揃った足音。
土が舞い、空気に乗って体を刺激する。
げほ、と咳をひとつすれば皆が1人を責め立てるかのように見つめる。
その姿を見下ろす男。
町を一望できるほどの大きな窓、壁にかけられた沢山の写真はどれも老境に入った人々の威厳がある。豪華な調度品に囲まれた部屋には大きなデスク。黒光りする皮でできた椅子に腰掛ける若々しい男は町を見下ろした。
「元帥。仕事をなさってください。」
若々しい男は元帥であった。前代未聞、型破りとも言えよう。彼は歴代最年少で元帥の座についた。
「あはは、ごめんねぇ?ここからの景色は好きなんだ。」
彼に威厳がある訳では無い。しかし彼のカリスマ性や人を惹きつける魅力的なルックスは、皆の視線を奪ってゆく。
そして何より強かった。
空が闇に落ちる頃、町は寝静まった。
町から離れた夜の街。そこは看板が怪しく光り、香草や酒の匂いに空気が淀む。沢山の蝶が舞うこの街の一角に小さな酒屋があった。しかしそこは普通の酒屋ではない。
「おいおい!!ここに夜蝶がいるそうじゃねぇか!!!さっさと出しやがれ!!」
夜蝶。古くから裏社会に潜むチャイニーズマフィア。最近また勢力を伸ばしつつあり、敵も多い。
「あぁ、近くのギャングとかいう方ですね、、、ボスのところにご案内致します。」
酒屋の地下はその夜蝶の本拠地であった。もちろん酒屋を経営するのも構成員である。
「ボス。お客様です。」
「えぇ、入りなさい」
こうも易々と侵入させていいのか、とギャングの男は考える。
しかしその思考は遥か彼方に追いやられた。
目の前にいる男。
「ぉ、お前ッ!!!軍の元帥じゃ、、?!ッあ”っ、!!!」
男は不敵に微笑み、ギャングの眉間に1発食らわせる。
この男こそ夜蝶のボスであり、軍の元帥であった。