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「参考までにこちらで施術する一般的なコースの内容を教えてもらっても
いいですか?」
「胸周りですが、最初は肘から触れて徐々に胸に移動させて
最後に同意があれば乳首まで触れます」
『彼はソフトな言い方で-触れます-と言ってるけど、もしかして揉みしだく
のでは? という疑問が私の頭を過った。でも訊けないわぁ~』
「下半身ですが……」
私が妄想逞しくしている間も彼は丁寧な説明を続けてくれる。
「唇を円の形で陰部を囲って舐めたり吸ったりします」
「……」
何て反応すればいいのか悩ましく、私はただ沈黙。
「そして引き続き下半身には手マンと言って指1本でやさしい触れ方で
何度も秘所を抜き差しして、興奮と快感を引き出します。
この場合最初のアプローチは膝から触れて徐々に焦らしながら秘所まで、
というところでしょうか。
今ご説明した施術はファンタジーマッサージと呼んでいます」
「もっと分かりやすく言うと……」
「究極の前戯で、性感マッサージということになります」
「あのう、私のようなリクエストをするお客さんって過去にいました?」
「僕は経験ありませんが、創業時からだとどうでしょうか。
いらっしゃったかもしれませんが、まぁ、聞いたことはないですね」
「実は私、チェックが不十分で勘違いして来店したみたいです。
今日はちゃんと分かった上で来ましたけど」
「そうでしたか」
「でも堀内くんは安心してお任せできるので来週も予約しますね」
「ありがとうございます。じゃあ、今日と同じ時間帯でご予約取らせていた
だいてよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
リラックスしてマッサージされ、会話をゆるゆると交わしているうちに、
あっという間にリラクゼーションタイムは終わりを告げていた。
こうして私の2度目の施術が終わった。