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【第三章】冬が終わる街角

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【第三章】冬が終わる街角

14 - 第13話 目を醒まして(no) ※注意あり

♥

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2025年11月09日

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※nottRあります※



ttさんが目を覚ましたのはそれからしばらく経ってからだった。

僕と目が合うと、少し照れくさそうに笑った。


「…起きとったんやな」


「おはようございますttさん」

「寝顔を見てました」ニコ


「はず…見んといて」


ふわりと柔らかい髪で顔をくすぐりながら僕の胸に埋もれるttさん。

こうやって甘えまどろむ姿も本当に愛おしい。

1年前までは知らなかった、ttさんの可愛らしい一面。


他人を第一に考えるほど優しく、聡明で前向きで、本当に素敵な人だと思っていた。

でもこうやって手に入れてしまうと魅力の枚挙にキリがなくて。

手離したくない、と強く思ってしまう。


たとえあなたの心が彼を忘れていなくても。



「ttさん…」


「ぁ、、ッ、、だめ、、」


ttさんがまだ夢から抜け出していないのをいい事に、もう一度その身体に僕のズルい思いを擦りつける。


「、、んッ、、、もぅ、、ッ」


「出していいですよ、ほら」


「あ”ッ、んん〜ッ、、、!」


ttさんは僕をきつく締め付ける。

目にうっすら涙を溜めている。

この目には何がうつっているのだろう。

1年かけて僕の全てを注ぎ込んだけど、僕のものにしきれなかった。


ふと気づくと遠くを見ている。

過去の何かを探している。

今も涙で世界をぼやかして、拭えない悲しみから目を逸らしているようで。


僕もそろそろ、夢から醒めないと。

隙間を埋めるとかいう、正義の皮をかぶった身勝手さでttさんを手に入れた。

そしてttさんもズルいんだ。

わかってるくせに、僕で隙間を埋めようとしているから。


結局僕も泣かせてしまった。

悔しいけど、やっぱりあなたにはあの人が必要みたいだ。


「ぁッ!noさんッ、ぁ”あッ!!!」


最後にもう少しだけ、嘘でもいいから僕を見てほしくて。

思いきりをttさんにぶつけた。


「…ttさん、、ッ」


さあ、目を醒まして。





快楽のあとの気怠い時間。

僕の下にいるttさんは流れる涙もそのままに僕を見つめていた。

傷跡の消えた首に触れた。


「ttさん、終わりにしましょう。ズルくてごめんなさい」

「あなたには僕じゃダメみたいです。…ttさんの隙間を埋めに行きましょう」


笑顔は得意だったはずだけど、うまく笑えているだろうか。

ttさんはそっと腕を伸ばし僕を抱きしめた。




「noさん…ごめんなさい、ありがとう」






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コメント

4

ユーザー

お互いにどこか甘えてて、少しぎこちない瞬間があって、でも言葉にしたら離れていくのがわかるから言えずにいた🥲 これも共依存のはじまりだったのかもしれないこのシチュエーションめっちゃ好きです せつないよ😭金星さんん😭😭😭😭

ユーザー

うううぅ🌷さんの気持ちが分かりすぎて苦しいです😣ここからどうなるかめっちゃわくわくしてます🤦‍♀️💗

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