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もう、しょうがない背負うか…私は酔っている百谷くんを背負った。
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「すみません。本日は満室でして…」
ホテルのカウンターの人がそう告げた…こんなに大きなホテルなのに満室??まあ酔い潰れを背負ってる私をみたら断りたくもなる。不審者だし…仕方がないうちに連れて行こう。私は仕方がなくその厄介な客を家にいれた。明日になったら即帰ってもらうんだから。そういえば、前もこんな感じで百谷くんを背負ってたこともあったっけ…
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「やっと着いたよ…」
もうすでに時計は12時を回っていた。こんな体格の大きい人を背負って帰ってきたんだ。当たり前か。早く寝よう。私は百谷くんをベットに寝かせて、ソファで一夜を過ごすことにした。起きたら叱ってやるんだから!
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私はその日悪夢を見た。あの日の夢だ。大雨のバス停。電話。ピーと鳴り響く録音音。多分一生の別れ。もう戻る事はないあの時間…
「!!」
私はソファから飛び起きた。久しぶりに硬いところで寝たからかな…最悪な夢だ。
「おはよ。ねぼすけさん…」
「百谷くん?起きてたの!?」
咄嗟に身を引いた。なんで久しぶり早々でこんな事言えるの!?それに、人の家で困惑はしないの?いつもこの人はどんな行動をするのか予測がつかない。全然連絡も取ってなかったくせに…
「ずっと唸ってたから起きた。それに苦しそうだったからずっとそばにいたんだよ俺」
「ありがとう…でも、勝手に人の家に連れてこられてなんとも思わないの?」
「俺酔ってたんでしょ?全然記憶ないけど、多分そうかなって思ったんだよね」
なら呑むなよ、と内心ツッコミをいれた。でも…そんなに酔ってるのに、なんでこんなにはっきりと喋ったりできるわけ?
「具合は良くなった?じゃあ帰れるよね?」
私は過去の気まずさからこう言った。
「…俺が帰ると思う?また、大事な人に会えたのに。」
「連絡も何もよこさなかったくせに」
私は長年の寂しさに言葉を支配されてしまっていた。
「あ、あのこれはー」
「…それはごめん。事情があるんだ。」
彼は申し訳なさそうに言った。
「実は事務所に入ってから、プライベートを捨てるように言われたんだ。ごめん、ほんとは連絡したかった。プライベートが確保できるようになってから、連絡しようとも考えたんだけど、どう連絡していいかわからなくて…」
彼は申し訳無さそうに眉を顰めた。私は勝手に絶縁したかったから連絡をしないのかと思っていた。申し訳なく思って胸が締め付けられた。そして彼は場を明るくしようと思ったのか、こう言った。
「実は俺もうマラン所属じゃないんだよね。それに、マランもう潰れるらしくてさ。今はインフルエンサーやってる。知ってるか?」
「そんなに私が世間に無知だと思ってる?流石にそれくらい知ってるよ」
彼は笑った。無理して作った笑顔。少し申し訳なかった。そして彼は流石に知ってるかーと言って出前を注文してくれた。こんなことまで準備してくれるんだ。私たちは届いたそれを食べながらたわいのない話をした。その時だけはなぜだか昔に戻ったような気がした。
「じゃあな。これからはちゃんと連絡するからな!」
彼はそう残して出て行った。1人になった家とっても静かで、いつも通り。私はしばらく考え込んだ。これから彼にどう接したらいいのかな。わからない。また友達としてやっていけるのかな。そういえば、起きたら叱ってやろうとか思ってたのに、それどころじゃなかった…
ピロン!
突然パソコンから通知音が鳴り響く、そこにDM内容が表示された。
『ゼリーポップを返却しにきてください』
ml709⬛︎からのDMだった。
コメント
1件
おつかれさま〜!第二話読了したよ😭💕 百谷くん、酔ってたのに主人公を気遣ってそばにいてくれたの尊すぎる…「大事な人に会えた」って言葉にグッときたよ!連絡しなかった理由も切なくて、再会のぎこちなさと過去のトラウマの悪夢が重なって胸が締め付けられた…。最後のDM「ゼリーポップ」って何?続きが気になりすぎる〜!次話も楽しみにしてるね⋆♡