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東 桃子
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#溺愛
桜咲かな
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#溺愛
桜咲かな
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#溺愛
桜咲かな
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あの日から、家の中には沈黙しかなかった。
必要な会話をしようとしても続かない。
同じ空間にいることが、お互い苦しくなっていた。
そんな日が続き、ヤマは少しずつ実家へ帰るようになった。
実家は私の家から近かった。
帰ろうと思えば、いつでも帰れる距離だった。
でもヤマは今まで、ほとんど帰らなかった。
離婚したお父さんについて行き、再婚した家庭の中で暮らすことが、ヤマにとっては居場所のない時間だったから。
そんな彼が実家へ帰るようになるほど、私たちの家の空気は冷え切っていた。
そして、ヤマが県外へ就職する日が来た。
朝早い電車だった。
眠い目をこすりながら駅へ向かう。
最後くらいは笑って送り出したかった。
改札を抜けようとするヤマに、私はできるだけ明るく声をかけた。
「頑張れよ。」
まるで昔の友達みたいな口調だった。
ヤマは振り返って笑った。
「おう。」
その一言だけだった。
電車が見えなくなるまで見送って、私は静かに駅をあとにした。
あの日で、本当に終わったと思っていた。
コメント
1件
ああ〜もう、この回しんどすぎるよ…😭💔 「頑張れよ」「おう」って、たった一言二言なのに、二人の間に積もった何年分かの距離が全部詰まってる感じがする…。 「あの日で、本当に終わったと思っていた」って最後の一文、心臓ぎゅってなったよ。読み終わった後もしばらく余韻が抜けない…。 次どうなるの!?イツカさん、続き楽しみにしてるね🌸