テラーノベル
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ダインの家に戻ったヲノは、ダインの家に戻った次の日からLimpiador(リンピアドール)の仕事に戻った。
愛とダインと協力してマナトリアを浄めていた。
たとえばムガルルを浄めに行くとき、だいたいスポーレがいる。
そして慣れたとはいえ、ムガルルを浄めるのはある程度苦労を要する。
傷を負うこともしばしば。そこで愛の魔法である。
マナトリアを浄めるたびに回復するという魔法をかけることで、ムガルルと闘いながらも
スポーレを浄めることで、ムガルルから受けたダメージを回復することができるという寸法だ。
それですらリンピアドール側に有利なのだが、そこに防御力アップ
攻撃力アップの魔法も付与しているので、以前よりはだいぶ楽に浄められるようになった。
「よし。体の調子もまだイケるし、ムガルルでももう1体浄めてから帰るか」
「つってもな。ムガルルも大荷物だし、スポーレも割と多いしな」
「よっし」
と言いながらムガルルを担ぎ
「じゃ、一旦卸しに戻るか」
と言うダイン。
「だな」
と言いながらヲノはスポーレの脚にロープをくくりつける。そしてネックレスのように首から下げる。
「もうそれを蛮族とも呼ばなくなったな」
とダインが笑いながら言う。
「これしか効率よく運べる方法ないしな」
「私もお手伝いしますよ」
と言う愛だが
「手伝えることねぇな」
と笑うダイン。3人で町に戻った。ムガルルとスポーレを肉屋に卸し
「さて。3等分な」
と肉屋から受け取ったWorth(ワース(お金))をダインが愛とヲノに分ける。
「さんきゅ」
「ありがとうございます」
お昼の補給兼回復がてら少しお茶を飲んで休憩することにした。
「Worth分けるときだけどさ」
とダインが言うと愛とヲノがダインに視線を向ける。
「柊さんは毎回毎回本当に感謝してるように感じるけどヲノは全然だよな」
「…そうか?」
「そうだよ。てかお前、初めて自分でWorth稼いだときもそんな嬉しそうじゃなかったよな」
「そうだっけ?」
「忘れてる時点でそんなに喜んでなかったってことですよね」
と言う愛に
「「たしかに」」
ハモるダインとヲノ。
「よく言わないか?初めて稼いだ金は嬉しいもんだって」
「たしかに。私もパートで初めてWorthをいただいたとき嬉しかったです」
「ですよね?」
「ですです」
愛とダイン、2人でヲノに視線を向ける。
「ううぅ〜ん…」
と腕を組み考え込むヲノ。
「…さほど?」
「「さ ほ ど?」」
愛とダインがハモる。
「うん。正直そんな嬉しくはなかったな」
「マジでか」
「おん。いや、もちろん、嬉しくなかったわけではないけどね?」
「ま、金持ちはそんなもんか」
とダインが背もたれに思い切り寄りかかりながら言う。
「お小遣いでおいくらくらい貰ってたんですか?」
と聞く愛に答えるヲノ。その回答に目を丸くする愛とダイン。
「そ、それは喜びませんよね。あんな少ないお金じゃ」
「あ、いや。…ま、たしかに喜びはしなかったけど
Worthのありがたさってのは家にいるときからわかってたから、それがより一層強くなったというか」
「そうなのか」
「一応好きなものを買ってはもらえるけど
物の大切さ、お金の大切さっていうのは幼い頃から教えられてきたから」
「ま、ならいっか。お金を大事にするところにお金が集まるってこったな」
「そうですね」
なんて話して
「さて!もういっちょ浄めに行きますか」
ということでもう一度浄めに行った。愛が加わって浄めが多少は楽になったので
今度はダインとヲノが苦手なイグニルを浄めに行った。
苦手だったが、愛が加わり、ムガルルも前ほど苦労しなくなったので
イグニルも前ほど苦労はしないだろうと思ってチャレンジしてみることにしたのだ。
今回のイグニルは大きな個体だった。愛が加わって多少は楽になるかと思ったが
結果から言うと、やはりイグニル苦手だった。まず第一にイグニルはほとんど空中にいるため
撃ち落としでもしない限りダインとヲノの攻撃はあたらない。
それに加えて愛はほとんど付加魔法しか使えない。
少しばかりの攻撃魔法も、相手へ直接ダメージを与えるものではなく
フラッシュアウトという、自分の周囲を閃光覆い尽くし、相手の目を眩ませる魔法や
スモークボールという、相手にあたると相手が数秒間煙に包まれるというもの。
しかし、この愛のフラッシュアウトがイグニルに刺さった。愛を狙って低空飛行してきたイグニルに対し
フラッシュアウトを使ったらイグニルが目を眩ませ、地面に落ちた。
ダインとヲノはそこを狙って走っていき、イグニルに攻撃を加えた。
大きなダメージは与えられたものの、浄めきれず、イグニルの視界が戻り、また飛び立った。
イグニルはヲノとダインに攻撃を仕掛けてくる。愛から防御力アップの魔法をかけられているとはいえ
攻撃を喰らうと、もちろんダメージを喰らう。そしてイグニルがまた愛を狙ってきた。
愛はまたフラッシュアウトを唱えた。イグニルはまた目を眩まし、地面に落ちた。
ダインとヲノは攻撃を加えようとしたが、一度フラッシュアウトを喰らったら二度目は効力が切れるのが早い。
往々にしてそういうものだ。すぐに視界が戻ったイグニルは翼を固くして盾を作り、ヲノの攻撃を防いだ。
しかしさすがにダインのハンマーの攻撃は勢いがすごく、ダメージを抑えられはしたものの
後方に大きく吹き飛ばされた。イグニルはもう一度空へ飛び立った。
「くそっ。めんどくせぇ」
ダインが言う。
「柊さんの魔法で結構ダメージは入れたはずだけど」
「あぁ。もう目眩しが効かないとなると辛いな」
その後も闘っていたが、ダインとヲノはなかなか攻撃が与えられない。
フラッシュアウトが効きにくくなったとはいえ、自身への攻撃回避くらいにはなる。
あぁ…。全然役に立ててる感じがしない…
と思う愛。最初フラッシュアウトが刺さったときは協力している感があったが
あとは自身の身を守るためのフラッシュアウトに、ダインとヲノへの付与魔法。
攻撃力アップと防御力アップの魔法。効果時間があるので、切れたらかけ直すの繰り返し。
そこで愛は考えた。役に立てる方法を。しかしそのときイグニルが愛に標準を定めた。
愛目掛けて低空飛行をするイグニル。
「柊さん!」
ヲノが声をかける。そこで気づいた愛。愛は咄嗟に魔法を繰り出した。
しかし、焦ったこともあり、間違えてスモークボールを繰り出してしまった。
イグニル目掛けてボールが飛んでいき、イグニルにあたるとイグニルの周りが煙に包まれる。
間違った
と思った愛はフラッシュアウトを繰り出した。スモークボールも相手の視界を奪う魔法とはいえ
真っ直ぐ飛んで来られたら攻撃を受けると思ったから。スモークボールの煙は意外と長く周囲に留まるため
フラッシュアウトで一度地面に落ちたイグニルはすぐに地面を蹴って空中に飛び上がるだろうと思った。
しかし、煙は地面に留まったまま。煙が晴れるとイグニルは混乱し、飛び立てず地面に留まっていた。
イグニルの周囲がスモークで包まれていた状態でフラッシュアウトを唱えたため
スモークがフラッシュの量を倍増させ、今まで唱えていたフラッシュアウトより
強力なフラッシュアウトになったので効いたのだ。原理のわかっていない3人は
…。?
と思ったが、とりあえず攻撃を加えに行ったダインとヲノ。
またそこそこにダメージを加えられたが、煙があったせいもあり
攻撃できる時間は短く、視界が戻ったイグニルは両翼に炎を纏い始めた。
「おっ。怒ったか」
「だな」
しかし怒ったら怒ったでめんどくさいのがイグニル。
今までも羽根を飛ばして攻撃してきていたが、その飛んでくる羽根に炎が加わる。
もちろんその羽根の炎はいずれ消えるのだが、地面に刺さった炎を纏った羽根が連なることでラインができて
触れると微量のダメージを受けるので、非常に厄介となる。その炎を纏った羽根で囲まれ
イグニルが鳴こうものなら、羽根が纏った炎が火柱に変わり、その円から抜け出せなくなる。
さらにそこに上空からイグニルがダイン、ヲノに向かって翼を羽ばたかせる。
するとダイン、ヲノに熱波が注がれる。その熱波でジリジリ体力を削られるか
熱波から逃れるために火柱に飛び込んでダメージを受けるかの2択となる。
結局ダインとヲノは羽根の火柱が収まるまで熱波を浴び続けた。
体力は削られるわ、灼熱状態でスタミナはなくなるわで、2人とも息が絶え絶えだった。
体力の微量回復の魔法を愛が2人にかけ、状態異常を解く魔法も2人にかけ
灼熱状態から解放した。しかしイグニルは攻撃の手を緩めない。
空高く飛び上がり、翼を閉じ、ドリルのように回転しながらヲノ目掛けて落ちてくる。
ヲノが横っ飛びで回避すると、イグニルは翼を出して、地面ギリギリで飛び上がった。
飛び上がってすぐ狙いをダインに切り替えた。
ヲノはベーサーで、すべてのステータスが平均だが、ダインはムスコル。
ステータスでいったら、パワーとスタミナはあるが俊敏さはすこぶる無い。
イグニルはダインに向かって羽根を飛ばした。
ダインは攻撃をもらわないように走って逃げたり、ステップで避けたりしたが
俊敏性の低いダインの肩に炎を纏った羽根が刺さった。
イグニルが笑ったように鳴くと羽根が纏っていた炎が大きくなった。ダインはダメージを負い、片膝をついた。
幸い羽根の炎は大きく燃え上がったが一瞬で消えたため、火傷となって持続ダメージを負うことはなかった。
しかし一瞬片膝をついたその一瞬の隙をイグニルは見逃さなかった。
ダインの上空をダインを囲むように回りながら飛び、地面に向かって羽根を飛ばした。
ダインを円で囲むように地面に刺さった羽根。イグニルが鳴くと火柱を上げた。
ダインがダメージ覚悟で火柱の円から逃げようかと考えていると
イグニルが低空飛行で火柱の円の外から中に入ってクチバシでダインに攻撃を仕掛け
また火柱の円の外に出て、また別の角度から火柱の中に入ってクチバシで攻撃を仕掛け
また火柱の円の外に出て、という攻撃を複数回繰り返した。躱せるときもあれば攻撃をもらうときもあった。
ダメージを負ったダインにイグニルはさらに追い討ちをかける。
ダインの上空に飛び上がり、少し低空へと降りて翼を羽ばたかせダインに向かって熱波を浴びせる。
ヲノも助けることもできないし、愛も、ダインの防御力は
打撃、魔法共にすでに上げているのでできることがない。
しかしせめてイグニルの視界を奪い、熱波を向ける方向を見失えばと思い
愛はイグニルに向かってスモークボールを唱えた。
スモークボールはイグニルに命中し、イグニルの周囲を煙で包む。かと思いきや
ダインの上空で大爆発を起こした。
「…え」
ダインも
「…」
ヲノも
「…」
スモークボールを唱えた当の本人も驚いていた。スモークボールは命中すると粉が舞う。
相手が動いても数秒間煙が付きまとう理由が粉だからだ。
体に粉がつくことで、動いても体に粉がついているため、煙もついてくるのだ。
そして爆発を起こした理由はスモークボールが粉だからというところにある。
炎を纏っているイグニルにスモークボールが命中し
粉が舞ったことで粉塵爆発を起こしたのだ。大ダメージを負ったイグニルは地上に落下。
ダインを囲んでいた羽根から上がっていた火柱も落ち着いたので
ダインとヲノはイグニルにトドメを刺しに行った。
「大丈夫か」
ヲノがダインに言う。
「ま。だいぶと喰らったな」
「すいません。私も回復魔法をコンスタントにかけれればよかったんですけど」
回復魔法は回復の大きさによって消費するMPが異なる。もちろん回復量が多ければ、消費するMPも多い。
そして回復魔法を連続して唱えられもするのだが、連続して使用する場合、消費するMPが増える。
なので使えないこともないのだが、並行して別の魔法を使用している場合、MPが足りなくなり
連続で使えるという状況はあまりなくなるのである。
「いや。柊さんは充分やってくれた」
「はい。助かった場面は何度もありました。ありがとうございます」
「あ、いえ。もっと役立てればよかったんですが」
なんて話してイグニルの亡き骸、魂を浄めた後の器をヲノが持って3人は町へと戻った。
イグニルを卸してお金、Worthをもらい
ダインの回復のためにNeutral Keeplay(ニュートラル キープレイ)に3人で向かった。
さすがは医療機関ということもあり、重傷もなかったのでその日のうちに
「完全復活」
完全復活した。
「さて。激闘を制した打ち上げでもするとしますかぁ〜」
とダインが愛とヲノの前を歩く。
「だな」
「ですね!」
といつもの居酒屋に向かおうとしたところ、ヲノのフードが後ろから引っ張られた。
金髪と翠色の間の綺麗な髪が露わになる。愛が振り返る。
「っ」
愛は驚いた。
「やっぱりヲノか」
その声に恐る恐るヲノが振り返るとそこにはヲノの兄、キリが立っていた。
あお
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コメント
3件
えーめっちゃ熱いバトル回だった!!🔥愛ちゃんのスモークボールとフラッシュのコンボ、まさかの粉塵爆発で大ダメージって発想が天才すぎる😭✨苦戦してたイグニルに一発かましたの痛快だったよ!!ヲノくんがお金に無頓着なところ、ちゃんと育ちが感じられて「なるほどね〜」と思った笑 最後の兄・キリ登場で次回どうなるの!?!?続きが気になりすぎるよおおおお😭💕