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Anti Wonderland✴︎by Alice
【導きの章✴︎第2話】
「ほれほれこっち、アレ?何方?」
「もぉー!また開かない!!」
見つけろ!と言われてから何分が過ぎただろうか。かれこれ「アリス」は数十回ドアノブを捻っただろう。
ドアを開けても白ウサギは居なかったり、扉の奥に進んで戻ってみたら入ったドアと違うものから出てきたり。そもそもドアノブが握れないものもある。
二段目の扉に繋がった時は驚きのあまり尻餅をついた。だって床が続いてなかったのだから。もし落ちてしまったら…地球を通って反対の国…”おーすとらりあ”や”いんどよう”にでも着いていたのかしら。あ、インド洋は国じゃないわね。なーんて、たったの二段だというのに。
「あー!もうっ!なんなのよ!」
「アリス」は叫び、思わず瞳を潤わせた。もう15歳のレディーだと言うのに、大人になるreadyも済んでいないようだ。
落ちた涙は優勝カップの印が押された扉の中へ。
「まってどうして涙が流れるの…?」
「アリス」の疑問は次へのヒント。この大広間が傾いているか、それともモノを吸い込むドアなのか。前者だったらとんだ歪んだ建物だことだけど…でももし、後者だったら…?
そんなことありはしないと思いながら「アリス」は涙を引っ込めそのドアノブに手をかける。ちょっとばかり期待を込めて。
ガチャッ
開いたそこは池のほとり。ネズミやスズメやドードなどの生き物が池に何やら浸かって、わらわら会議をしている。ネズミがいるならウサギもいるわね、だって同じホニュウルイだもの。と「アリス」。
「あの、時計を抱えた白ウサギさん…どちらにいるかご存知ですか?」
丁寧に「アリス」は質問した。スカートの裾を両手で広げて、今の時代に似つかない挨拶の形で。池に浸かったネズミが返答した。
「知ってたら教える、教えたら知ってた。どっちにしたってどっちもだ。」
「えっと…?」
「それより乾燥しなくては!池で濡れても乾きやしない!じゃあ別の池?」
「池に入るから乾かないのでは?」
「ではキミ、知ってるなら教えて。教えたら知っているってことだろう?」
ネズミもフクロウも濡れた体を乾かす方法が知りたいようだ。池に入らなければ良いことなのに、池に浸ることが乾燥だと思っている。
こんな”へんてこりん”な考えをどうやって変えてあげるべきだろうか。
「アリス」は少し考えたのち、
「池のほとりでぼーっとするのはどう?」
と提案。
そしたら続けてスズメが話す。
「そんなのつまらない、妻いらない。ぼーっとしてたら棒になる。」
「なら走るのはどうかしら?リレーをしない?鳥さんたちは飛んでもよし。ネズミさんたちは土へ潜ってもよし。」
「みーんなリレーで完走すればたちまち体は乾燥するよ、勇敢喪失せずに最後まで!」
「帰還早退前に感想書いて鑑賞会!」
どうやら意見はまとまったみたいだ。ドードーは嘴で線を描いて他の生き物は位置につく。「アリス」は観覧席で完ランを見届ける。
よーい………ドンッ!!
跳ぶ生き物最初はネズミさんから。後ろ足をちょこちょこ細かく動かしている。
飛ぶ生き物お次はスズメさん。ツマサキ伸ばして低空飛行。
ドードー、フクロウと続いて最後は最初のネズミさん。
ドードーの合図でさぁゴール!「アリス」も拍手喝采で大喜び。完走してみた体は乾燥し生き物みんな大満足。
感想言い合いっこで盛り上がるあまり、「アリス」は白ウサギのことを忘れているようだった。
「やった!やった!乾いたぞ!」
「えぇ、乾いた!良かったわね」
「乾いたら渇いてしまったね。」
「え…?」
フクロウが言うと地面がひび割れ、足元が不安定になる。干害のような状況に飛べる生き物は飛んでどこかへ避難した。ところが「アリス」とネズミはその場で留まるしかない。
「ちょ、ちょっと!何があったの!?」
「破戒したからここ崩壊。ルールを破ると全部法外。望外を妨害したら全部破壊!」
「え…?」
すると、次は地面が沼のように沈んだり浮いたりしてきた。水がどこかから入りこんだような…。
「水…?」
「アリス」は急いで池の方をみた。その嫌な予感は的中し、池の水が段々と膨張して溢れてきている。「アリス」は急いで入ってきた扉の方へ。ネズミも後を追いかける。
「なんで崩壊するの⁉︎ルールってなんなの⁉︎」
「言ったらお城へ行かないと。行ったら言ったで首が刎ねられる。」
「首…。白ウサギさんもそんなこと言ってたわ」
白ウサギ…?と「アリス」はかくれんぼ中だったことを思い出した。その意図を読み取ったのかネズミは細報なしに、話し出す。乾燥できたお礼というていらしい。
「ウサギがどこか分からない。けど輪から内には知ってる奴がいる」
「輪から内…?」
「輪っかの扉、みつけて実つけて。実をツケテ!」
「あっ!ちょっとネズミさんっ!」
バタンッッッ!!!
ネズミが最後に尾で「アリス」を突き飛ばし、大広間に押し出された。「アリス」はネズミを心配し振り返る。と勢いよく扉が閉められた後、ガゴンッと機械同士がぶつかった轟音がした。
何が起こったのかは詳しくではなくても大体想像ができたはず。だが、「アリス」は現状理解を拒みネズミに教えてもらったことだけを考えるようにした。
「輪から内…輪っかの扉……。」
「アリス」はぐるりと視線を動かしてみる。途中途中入る白ウサギの影が今は鬱陶しいが…。
すると白ウサギを追いかけて最初に入ってきたメインの入り口…その10時の方向にある二段目の扉に金のリングが唯一かかっている。
おそらくあそこだろうと「アリス」は踏ん張り起き上がった。
さて、どうやって登るべきか。