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55
ー 昼休みー
生徒会室
たくとは書類をまとめていた。
すると、 副会長が窓の外を見て言う。
「りゅうきくん人気だね」
たくとの手が止まる。
窓の外
中庭
りゅうきがいた
楽しそうに笑っている
そして、
知らない二年生の女子。
何か話している。
楽しそうに。
副会長
「告白かな」
たくと
「え?」
副会長
「ほら」
りゅうき。
困ったように笑っている。
たくとの胸がざわつく。
嫌な想像が浮かぶ。
付き合う。
帰る。
笑う。
隣にいる。
自分じゃない誰かと。
その瞬間。
胸が苦しくなった。
嫌だ。
思ってしまった。
取られたくない。
初めてだった。
こんなに強く。
すると。
りゅうきがこちらに気づいた。
ぱっと顔が明るくなる。
「先輩!」
走ってくる。
女子を置いて。
一直線に。
たくとの元へ。
たくとの心臓が跳ねる。
「どうしたの」
「聞いて!」
りゅうきは少し困った顔をする。
「告白された」
たくとの思考停止。
停止。
完全停止。
「……へぇ」
副会長
(へぇじゃない)
書記
(顔)
副会長・書記
(顔怖い)
「断ったけど」
たくとの目が上がる。
「え?」
「だって好きな人おるし」
沈黙。
沈黙。
副会長
(え)
書記
(え)
副会長・書記
(お互い顔を見合せ、生徒会室を出る)
タクトは動揺しながらも、
「そ、そうなんだ」
必死に平静を装う。
でも。
心臓はうるさい。
好きな人。
誰?
聞きたい。
今すぐ。
でも聞けない。
怖いから。
その時。
りゅうきが笑う。
「先輩?」
「ん?」
「顔怖い笑」
バレた、
珍しく
りゅうき に、
バレた。
「そう?」
「うん」
りゅうきは少し首を傾げる。
「怒っとる?」
「怒ってない」
嘘だった。
でも、怒ってはいない。
ただ、
面白くはなかった。
誰かがりゅうきを好きになることが。
当たり前なのに。
分かっているのに。
嫌だった。
すると。
りゅうきが不思議そうに近づく。
「先輩?」
「……」
「なんか変」
その時。
たくとは小さく息を吐いた。
そして。
ぽつり。
「取られたくないから」
りゅうき
「え?」
たくと自身も驚いていた。
言うつもりじゃなかった。
でも。
出てしまった。
本音が。
「りゅうきを」
静かな声。
でも真っ直ぐ。
「取られたくない」
りゅうきの顔が赤くなる。
一瞬で。
心臓が跳ねる。
だって。
そんな風に言われたことない。
好きな人に。
そんな風に。
「先輩……」
たくとは少しだけ笑う。
困ったように。
「ごめん」
「……」
「嫉妬した」
りゅうき
(無理)
完全に無理だった。
トムの言葉が脳内に響く。
トム
(先輩、お前のこと好きやん)
いや。
知っとる。
もう知っとる。
問題は。
俺も好きなことや。
そしてこの日の夜、
りゅうきはトムに電話して
「先輩が嫉妬した」
と言い、
トムは
「やっとそこまで来たか」
って天井を見上げる
だってもう両想い目前なんやもん……
コメント
1件
うわあああもうっ!!!「取られたくない」って口に出しちゃうところ、最高に胸熱でしたわ……!たくとの嫉妬に気づいてないふりしてるりゅうきも可愛いし、トムの「やっとそこまで来たか」で思わずニヤけた。じれったい距離が詰まりそうで、次が待ちきれない🔥