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焚き火の余韻がまだ残る中、すちとみこは先に部屋へ戻った。
みこはまだほんのり火照った頬を赤くして、すちの腕に寄り添う。
布団に腰を下ろすと、みことも静かに隣に座った。
「…今日は楽しかったな」
「うん、みんなで過ごす時間って、なんだか安心する」
そう言ってみことはそっとすちの手を握る。
すちはその手を優しく包み込み、指先をなぞるように撫でた。
みこは目を細め、心地よさに軽く息をつく。
「6人分ベッドあるけど、一緒に寝る?」
「……一緒が良い…」
すちは静かに微笑み、みことを抱き寄せる。
すちの手がみことの髪をゆっくりと撫でる。温もりがみことの心にじんわりと染みわたっていく。
みことの瞳が少し潤み、すちの顔が近づくたびに鼓動が高鳴るのを感じていた。
すちの唇がそっとみことの唇に触れた瞬間、全身が震えるような甘い震動に包まれた。
柔らかくてあたたかいその感触に、みことは思わず息を漏らし、目を閉じて身を委ねる。
「みこと、そばに居てね」
「いる…」
震える唇で、静かに、けれど確かな愛情を込めてすちにキスを返した。
ふたりの呼吸が重なり合い、ぬくもりが全身を満たしていく。
すちの唇が再びみことの唇に深く重なり合う。
ゆっくりと絡み合う舌の動きに、みことは意識がふわりと溶けてしまいそうだった。
全身から力が抜け、とろけるような幸福感に包まれて、みことはただただすちの温もりにとろけていく。
長いキスの後、すちはふっと息をつき、みことの額にそっと唇を寄せた。
「明日もあるから、今日はここまで」
そう囁きながら、まだ甘い余韻の残るみことをそっと抱き寄せる。
すちの手がゆっくりとみこの背中を撫で、安心感とぬくもりが広がる。
みこはその手のぬくもりに包まれて、だんだんとまぶたが重くなっていった。
すちは優しく、繰り返し背中を撫でながら、静かにみこを眠りへと誘う。
その穏やかな感触にみこは安心しきって、深い眠りの中へと落ちていった。
___
いるまとひまなつを残して部屋に戻ったらんとこさめ。
既にすちとみことは同じベッドで抱き合いながら寝ていた。
「やっぱ同じの方が良いよな…」
こさめは布団に入るとすぐに、昨夜ほとんど眠っていなかった為か、目をとろんとさせてうとうとし始める。
「らんくんと……もうちょっとイチャイチャしたかったなぁ……」
寝ぼけたような甘い声でそう呟くと、ベッドの端に座っているらんの背中に、ぎゅっとしがみついた。
らんはその姿に小さく笑って、優しくこさめの髪を撫でる。
「……イチャイチャならいつでもできるんだから。今日はもう、早く寝な」
言いながらそっとこさめを布団へと戻し、自分の上着の裾を握ったまま眠りにつこうとする彼の隣で、静かに見守る。
こさめの寝顔はどこか満足げで、その小さな手に力が込められていることに、らんは気づいていた。
「……こさめ、おやすみ」
そう囁いて、眠るこさめの唇にそっとキスを落とす。
らんの目が、愛しさで細く優しくなる。
添い寝をし、こさめの温もりを感じながら眠った。
___
部屋に戻るため、火の後始末をするいるまとひまなつ。
ひまなつが小さく震えながら、「寒い…」と呟く。
「ほら」
いるまはすぐに振り返り、腕を拡げ、 そっとひまなつを抱き寄せる。
そのまま自分の胸にひまなつの顔をゆっくりと引き寄せる。
いるまの手が優しくひまなつの頭を撫で、ゆっくりと背中へと滑らせる。
指先が背筋に触れた瞬間、ひまなつの体がびくっと小さく反応した。
「どうした?」
いるまが尋ねると、ひまなつは恥ずかしそうに小さく首を振る。
「……なんでもない」
その言葉に安心したいるまは、さらに優しく背中を撫で続けながら、ひまなつを抱き締める。
いるまはわざと指先をひまなつの背筋に何度も這わせる。
そのたびにひまなつの肩がピクッと震え、思わず顔をしかめながらも感じてしまう自分に戸惑う。
「だめ……」
力なく声を漏らすひまなつの言葉を無視するように、いるまはそっと彼の顎を掴み、強引に唇を重ねた。
指は止まらず背中を這い続け、ひまなつの瞳にはじわりと涙が滲む。
その快感に耐えきれず、ひまなつの体がびくんと跳ね上がり、深い快感で果ててしまう。
「ばか……」 と涙目で呟くひまなつに、いるまは優しく微笑み、後処理を済ませる。
そっとひまなつを抱え、寝室へ戻り、二人は静かな夜の中で眠りに落ちていった。