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📖 第十二章:「知らぬ間の距離」
放課後の教室は、夕陽に染まり、まるで時間がゆっくりと止まったかのようだった。
机と椅子の影が長く伸び、オレンジ色の光が床に溶ける。
○○は窓際の席に座り、肘をつき、外の街並みをぼんやり眺めていた。
冴:「……おい、○○。」
振り返ると、糸師冴が立っている。
肩に軽く教科書をかけ、背筋を伸ばしている姿は、いつもより頼もしげで、自然と存在感が強く感じられた。
○○は一瞬、心臓が跳ねたが、すぐにいつもの無表情を作る。
冴:「なんか、元気なさそうだな。」
冴の声は低く、落ち着いていて、どこか男らしい響きがある。
その声が教室に響くと、夕陽の光以上に○○の心を熱くした。
○○:「……別に。」
○○は冷たく答えたつもりだったが、心臓は早鐘のように打っていた。
冴は机に近づき、隣に腰を下ろす。
自然に距離を縮めるその仕草に、○○は息を呑む。
冴:「放課後、二人きりになるのって、久しぶりだな。」
○○は視線を窓に落としながらも、胸がざわつくのを感じた。
「……それがどうかした?」
思わず少し冷たく返すが、内心は緊張でいっぱいだった。
冴は軽く笑いながら、ゆっくりと話す。
冴:「いや、別に。……ただ、たまにはこうして話すのも悪くないかなって思っただけ。」
○○はその声の響きに、無意識に耳を傾ける。
冴の声は低く、落ち着いていて、自然と心に響く。
その男らしさに、○○はどう反応していいかわからず、手のひらを握りしめる。
冴:「……髪、光に当たるといい色してるな。」
その一言に、○○は頬を赤くした。
言われた瞬間、心臓が跳ね、視線を逸らす。
冴は無意識にそう言っただけなのに、その言葉の重みは○○の胸に深く刺さった。
○○:「あ……そ、そう……」
○○はかすかに声を漏らすが、恥ずかしくてすぐに押し殺す。
冴は何事もなかったかのようにノートを広げ、ページをめくる音だけが静かに響く。
冴:「変な意味じゃない。光がちょうどいい角度で当たってただけだ。」
その低く落ち着いた声が、逆に○○の心をさらに揺さぶった。
沈黙が教室を包む。夕陽は二人の影を長く引き、教室に静かな温度をもたらす。
○○は息を整えようとするが、鼓動は収まらない。
冴の存在そのものが、自然で、無防備で、でも確実に意識させられる。
冴:「……放課後、他に予定あるのか?」
○○が聞くと、冴は肩を軽くすくめ、男らしい低い声で答えた。
○○:「特にない。……なんで?」
冴:「……別に。」
小さく呟き、○○は指先を机の端で押さえる。
どうしても、あの一言が頭から離れない。
冴はノートを閉じ、立ち上がる。
冴:「そろそろ帰るか。」
その一言に、自然さと男らしさが混ざり、
○○は思わず目を見張る。
教室のドアを開けると、夕陽が二人の影を
長く伸ばしていた。
冴は先に一歩を踏み出す。
その背中に、○○は無意識に惹かれる。
――「光に当たると、いい色してるな……」
その言葉が、○○の胸に深く残った。
冴は気付いていない。
けれど、○○にとっては、忘れられない瞬間だった。
廊下を歩く足音。
夕陽に反射する窓ガラス。
○○は心の中でそっと呟く。
――次は、どうすれば……冴にまた、意識させられるんだろう。
END
仲直りできた後 ⬆ )) タノシィィイ!!
コメント
1件
放課後予定あるか聞くのなんか気になる👀ま、まさか…