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真夜中のコンビニエンスストアは
玩具箱で縮図で、
化粧は所々剥げ、ボロボロの
アジア系デリヘルは
海外製の人形にだって引けを取らない
ナイスなボディで彼女達が歩けば
どこだってランウェイなのだろう
くたびれたサラリーマンにだって
帰る家はある
使い込まれた革財布に
入っている小さな男の子の写真は
丁重に挟まれていてはちきれんばかりの
頬を緩ませこちらを見ていて
いくら見た目がくたびれていようと
自分だけの楽園を築く事ができた者が
勝者なのだと
持論を抱えながら帰り支度を済ませる
自分が満足していればそれでいいのだと
キャバ嬢とその客が良い例だ
豊満な胸を押し付け猫なで声ですり寄って
相手を良い気分にさせる
そしてその対価としてエメラルドやルビーを
散りばめた派手なネックレス、時計をせびる
そして次の標的を探すんだ
ギブアンドテイクの精神でお互いに幸せ
綺麗事は夜の街では通用しないし
今の時代にマザーテレサや
ヘレンケラーのような人間はいない
キリストは手を差し伸べてはくれないし
奇跡ではなく、まぐれ
そして俺は無宗派だ
なんだかちょっと罰当たりな事を
考えたせいなのか雨が振り始めた
俺は無宗派なのにこのときばかりは
神への野次を飛ばす
見えてもいないのにあるかもわからない存在に
膝をつくのはあんまりだと感じるのは
自分だけなのだろうか
誰が何を慕って誰が何を信仰しようが
当人の自由だし口を出すつもりはない
だがそこに対し共感が出来ない
触らぬ神に祟りなし 。
周りに何かしら信仰している奴が
いようとそれに対し入り込もうとするのは
あまり良い選択とは言わない
言い方はあれだが、
“ ほっといておけ ”
これに限る
張り付くシャツが気持ち悪い
執拗に張り付いてくるものだから
しおらしくそれでいてわざとらしい
やっと我が家についたと思ったら
階段に人影が
冷え切った手をぎここちなく
動かしスマホを起動させる
人工的な光は十二時過ぎをさしていた
傘もささず雨に打たれているところをみると
家出、ホームレス、ストカー
あんまりというかすごく
出くわしたくない タイプの方々なのかも
スルーしていきたいのは山々だし
そうしたいが、なにせ
2階建てぼろアパートのその2階に
住んでいる ものだから階段を
登らない訳には いかない 。
消えるまで待つにも 俺が耐えられるとは思わない
5秒間程考えた後
結局は歩を進めることにして
そして目は開けずにすいません通ります
よし完璧だ
全ては始めないことには終わらない
バックにスマホをなおしこみ拳を握り直した