コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
腐る寸前の熟れた安売りの果物を
幼児が指で圧迫して周りそこへ蠅がたかった
そんなイメージが俺の頭に流れ込んできた
ぐじゅりぐじゅりとなんとも心地悪い感触音
早く我が家に入りたいと
大股、胸を張りズンズンと進むものの
姿が鮮明になるにつれやはり億劫になる
アパートには階段は最低でも2つは掛けるべきだ
何も西洋を思わせるお洒落な
ワインレッドのペンキを 塗れだなんて言わないし品のある螺旋階段に しろだとか
そんな事 は求めてない
引越し業者からNGをくらうんじゃあないか?
あまりにも運び辛いうえに自身の負担が大きい
例えばソファーを運ぶだとか
冷蔵庫を運ぶだとかの時
傷はつけるなよお前の首が飛ぶぞなんて
どこかの富豪が図々しくも上から目線で
物申すならば
性格の悪さが滲み出るその悪臭漂う
顔面に投げてやってもいい 。責任はとらないが
小さい呻きをあげて終わりだし
ついでに投げた人間の首も飛ぶかもしれない
相手によっちゃあ2つの意味で
あと4、5メートル程とかで
階段と不審者とかち合うのだがここに来て
痛恨のミスをしたかもしれない
スマホをしまわず手に握りしめたままに
しておけばよかったなと今更後悔し始める
考えたくもないが不審者のやつはとんでもない
特殊な感情か何かを俺に向けていて
俺に覆い被さるんだ
湿り気を含んだ息を吹きかけてきて
全身鳥肌がたつだろう
そんな時か弱い俺を守ってくれる
ミニスカポリスウーマン
勿論ナイスバディなお姉さまと
素早くそれでいて極々自然に連絡先を
交換するために
開いているのは110じゃなくてQRコード画面
そこに思考が巡らなかった自分がとんでもなく
情けないように感じられて落胆の声が漏れ出す
気づけば落胆の声が聞き取れる程
不審者の近くに 佇んていて、やはり
ながらスマホやながら妄想は
良くないぞと居もし無い誰かに
心の中で必死に叫んだ
ワイドショーにでていた初々しいアイドルが
頭を小突く様な動作をしていたのを思いだして
ちょっと前くらいの自分へ百倍くらいの力で
行ってやりたい
だが今は息を殺すのが精一杯なんだ
命拾いしたなと
指を突きつけるも儚い命でしたと十字を切る
ゲームの様に1ターン制度があればいいのに
顔はよく見えないものの中々
良い体つきをしており
1ターン制度があろうとも俺の
へなちょこパンチは
効かなさそうであるそれどころか
上顎が 消えるのではなかろうかそんなことに
なったならば見世物小屋が
ピッタリである
両者一歩も動かず1秒が一光年に感じられる
怖さもあるのだが何より気まずい
だがそんな状況も存外早く終った