あぁ、大変だなぁ。
みーんな倒れちゃった、死んじゃった。
でも、不幸中の幸い!皆、ちょっとは運が良いようだ。
だって、この俺が、デアエリスを使える俺だけが、たまたま根性で耐えたんだから。
それはもう、神の思召だよね!ってわけで。
もう、嬉しくて笑みがこぼれてくる。
「しょーがないなぁ」
なんて言って、俺は十字架型のナイフを取り出す。
さあ、それを俺の胸に突き刺せ。
「…デアエリス」
また一つ、一つだけだけど、皆の役に──
そう思っていたら、誰かが俺の足を掴む。
「なーにがしょーがないなぁ、だぁ?」
何?幽霊!?とか思ってたら。
「神の思召だ。お前を死なせるなってさ」
その声は、紛れもない、マリキンの声だった。
掴んでいた足を離し、むくりと起き上がる。
まさか、君も耐えていただなんて。
やめてよ。
俺が…俺がまた、皆の役に立てずに終わってしまう!
そう思うも束の間、マリキンは皆にテクノリバイブを唱え始めていた。
…君はいつもそうだ。
君は、いつでも俺の憧れで。
……いつでも、俺の邪魔をする。