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3 - お酒事情

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2024年06月23日

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 今日は日本酒を買ってきた。

百ミリリットルの、小さな日本酒。

廟堂に似合う雰囲気の瓶だったから、つい買ってしまった。

これは爽酒という種類の日本酒らしい。

俺自体、そんなにお酒に詳しくないからなぁ…。

別に、今日とか近い内にお祝いごとがあるとかじゃない。今日、急に飲みたくなっただけであって。

俺はアクシズみたいに酒飲みじゃないし、なんなら皆よりも少ないと自負している。なぜなら、一日に百ミリリットルも飲んだら、確定で二日酔いするから。

百ミリリットルの瓶の酒を、少し大きめなお猪口で約三日かけてゆっくり飲むのがいつもの事。

つまり、お猪口一杯だけで酔いかけるというわけで。

一杯でほろ酔い。二杯目でもうキツい。

皆に『酒に弱いんだな』って何度言われたか…。

 さて、今回はおつまみも買ってきた。

きゅうりの浅漬けだ。

なんか、爽酒に合うつまみってネットで調べたら、《浅漬け》って出てきたから、無難な浅漬け、きゅうりを買った。

まずはお腹が空いているから…、って、22時にお腹が空くとはこれ如何に。…まあいいか。

とりあえず、きゅうりの浅漬けを口に入れる。

しゃく、しゃく…。

噛む度に、涼やかで美味しそう音をきゅうりが奏でる。

思わず、目の前にお酒があることを忘れかけて、二切れ目に箸を伸ばす。

「…あ、酒…」

酒の存在を再確認し、俺は日本酒の瓶の蓋を開ける。

こんな簡単に開くのか。最近の技術って凄い。

とか思いつつ、俺は帰ったと同時に用意しておいた四十五ミリリットルサイズのお猪口に、日本酒をいれる。

とぽとぽ…、とぷん…。

透明な液体が、硝子で出来たお猪口に注がれる。

水みたいだなーとか、でも匂いはお酒だなーとか…、なんとなく当たり前なことを考える。

そして、まずは一口、口に含む。

「…あ、やっぱ美味い」

爽酒って、香りが控えめで、淡い味わいっていうことは知っていたんだけれども。

あー、俺の語彙で言い表せるかな…。

まあとにかく、スッキリとして、キレの良さを感じる、酒に弱い俺でも飲みやすいものだ。

俺、酒選びのセンスあるな!?…なんて。

俺は、きゅうりとお酒、交互に食べて、飲み進めていった。

お酒は、どんなものであろうと、ちょっとずつ飲んでいくのが、俺の性質。

お猪口一杯飲むのに、約五分。

あぁ、そういや、『飲むのも遅いな』って皆に言われたっけ。とほほ。

 今日の分の酒、お猪口一杯分を飲み終わった。

…よし、洗面所へ行こうではないか!

多分、頬は紅い。あと、酒のせいか熱いため、冷たい水で顔を洗いたい。

俺は廊下を走る。

あぁ、今日は満月が綺麗だ。

どうせなら、庭でシートでも敷いて飲めば良かったかな。

そんなことを考えつつ、洗面所に到着する。

あ、やっぱり、頬が紅くなっている。

…マリキンに『林檎かよ』って笑われたっけな。

誰が林檎だ!俺は沼だよ!なんてよくわかんないツッコミを入れたのも覚えてる…。うん…。

あーもう、恥ずかしい。思い出すのは、やめだ!

とにかく、水を出し、顔を洗う。

ぱしゃぱしゃ…。

冷水で、温まった頬を冷やす。

うーん、冷たい。目が覚める。

お風呂は…、酒飲んだばかりだし、やめておこう。

そうだ、久々に朝風呂にでも入ろうかな。月の次は、朝日でも見ながら、優雅にお風呂だ。

 「…うーん。残り、どうしよ」

部屋に戻り、俺は置きっぱなしだった日本酒と睨めっこ。

また普通に飲むのもいいけど…、どうせなら、誰かと飲みたいものだ。

あ、そういえば。と俺は手を叩く。

明日、マリキンがバイトを珍しく休むことを思い出した。

なんでも、店長に『沼だろうが死ぬぞ』って言われたんだって。

…いやアイツ、いつの間に社畜に?

そんな考えに我ながら、ぷっ、と吹き出してしまう。

早速と言わんばかりに、俺は机の上のスマートフォンに手を伸ばす。

明日くらい、わがまま聞いてもらえるよな、きっと。

「…もしもし、マリキン!」

俺のお酒事情はこうだけど、お前のお酒事情はどうなんだろう?

そんなことを思いながら、誘いの言葉を口に出すのだった。

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