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「それでね、お父様が言うのよ。お金なんて簡単に生み出せる。だからどれだけ使っても良いって。」
咲月に命を部屋へ連れて行くように言いつけてから1時間。麗亜はずっと自慢話をしていて、僕はそれをずっと聞いている。我が儘で自由奔放すぎるところは変わらない。前の僕なら麗亜との話ももっと上手くかわせたし、それなりに楽しそうに見せることができた。
だけど、今は命と話す方が楽でいい。あいつはお金を無駄に使ってはいけないと言っていた。貧乏なやつの発想だと僕はそれを馬鹿にしていたけれど、命と話す方が嘘をつく必要もなく、知らなかったことを知ることもあって面白い。
「そんなにさっきのちんちくりんが気になりますか?」
「そうみたい…ですね。」
「さっき、あの子買ってもらったって言っていましたけど、どこで買ったのかしら?」
「人間オークションですよ。」
「且功さん、嫌っていませんでしたか?汚くてお金が勿体ないと……。」
「ああ。でも思っていたよりは面白かったですよ。」
「そうなの……そういえば、以前拾って来たとおっしゃっていた方たちはまだ行方不明…ですか?」
そう。今まで…僕が拾ってきた女たちはなぜかいつも行方をくらました。面白くない玩具たちだったから、自分で処分する手間が省けたのは楽だったけど焦燥感が募る。
「且功様、戻りました。」
「では麗亜様、本題に入りましょうか。」
「それは、私との婚約話のことかしら?」
「そうですね。」
「且功さんの誕生日に私の家のパーティーを開く予定なの。そこで婚約のお披露目をしたいわ。」
「ええ、検討しておきましょう……。」