午前中の授業が終わりローレンのお腹が「ぐぅー」と食欲を知らせてくれる。購買でパンを買い昼休憩は誰も居ない第二図書室でベースの練習をしながら食事を摂る。そうするつもりだった。
購買に向かおうとした時女生徒がローレンに話しかける。
「ローレン君、朝来てた先輩達がローレン君のこと呼んでるよ!軽音部の!」
声がする方にローレンは視線を向ける。
目が合いこっちに近づいて来る。
🥂「ロレー!朝ぶりー!」
💧「なんかー葛葉が一緒にお昼食べたいッ」
葛葉がイブラヒムの頭を叩く。
💧「イテッ」
🎲「ッッ…はい!これ」
おもむろに差し出されたのはローレンが気に入って飲んでいるカフェオレだった。
🗝「これ…俺に?」
しかも俺が好きなやつ。
🥂「なんかーずはがいきなりローレンの好きなもの聞いてきて自販機でわざわざ買ってたよ、」
🎲「おいっ!お前マジで黙れって!」
葛葉の耳が赤くなっている。イブラヒムも不破湊もニマニマしながら葛葉に視線をなげる。
🗝「それって俺と…ちょっとは仲良くなりたいって気持ちがある?ってこと?」
友達としての好意が向けられていることに対して別に嫌な気はしなかった。友達が少ないローレンにとっては嬉しくもあった。
🎲「まぁ間違ってはない」
照れくさそうにしながらもこっち!と手を引き軽音部の部室に連れて行かれる。
🗝「っ待って俺昼ごはん……」
💧「ロレの分も買ってるよ!」
🗝「わぁ至れり尽くせり〜」
先輩達が少々強引にローレンを連れて行く。
イブ先輩と不破先輩とは何度か昼ごはんを一緒に食べていたのでこういうことも珍しくはなかった。
🥂「ロレなんのパンが好き?葛葉がみんなの分奢ってくれたんだよ!」
💧「いつもはこんなこと滅多に無いのにねー」
🎲「…お前ら絶対俺をダシに楽しんでんだろ……」
すごく中が良さそうだ。そう思いながらローレンは自分だけがカヤの外感が否めないまま、食料を目の前にヨダレが垂れそうになる。
🗝「くっさん!俺焼きそばパンが好き!」
正面からそう言われ葛葉が一瞬固まる。
🎲「…はい、」
葛葉がローレンに焼きそばパンを渡す。
🎲(…うん?くっさんって俺のことか?)
ローレンは目をキラキラ輝かせる。お腹が空いて死にそうだったのだ。
🥂「くっさんって葛葉のこと!!」
🗝「あっ、なんかそう言ってた…???」
🥂「葛葉だけズルいー!」
🥂「俺もふわっちってみんなが言うみたいに呼んでよー!!」
目をドギマギさせながらもローレンは答える。
🗝「ふ…ふわっち……」
な、慣れない。慣れなさすぎる。そう呼ばれて先輩は明らかに機嫌が良くなってるが、慣れない。
💧「で、俺は?」
…当たり前!みたいに言うなよ……
🗝「じゃ…じゃあイブで」
💧「ふふっ俺あんま変わってないw」
ローレンは葛葉から貰ったカフェオレを
チュっと吸いながら照れを隠す。
🎲「てか、カフェオレと焼きそばパン合わなくね?」
🗝「……くっさんこそ、いちごミルクとイチゴスペシャルて、甘々しすぎですよ。」
何でもない会話をしながらもある程度わかってきた。くっさんは帰宅部でたまに叶会長の雑用を手伝って居残りさせられていることとか、自分のことはイブやふわっち、叶会長づてで認知はしていたこととか。
ある程度心を許してくれているのか?と思い、悪い気はしなかったし、この短い時間で色々と打ち解けた気がした。