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死ネタ
暗いけど明るい
22歳軸
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「はぁ~…仕事終わりの一杯は格別だね」
探偵社寮の自室。畳の上にあぐらをかいて酒を呑む。
「今日ね、とても面白いことがあったのだよ。机にちょっとした悪戯をしかけてみたんだけど、国木ぃ田くんの引っ掛かりっぷりといったら…!思い出すだけでお腹が痛くなりそう!」
同僚の間抜けな姿に笑みをこぼしながらどんどん酒を煽っていく。
「あ、そうだ!ついに私、うずまきや他店のツケを返済しきったよ!」
真逆あんなに溜まっていたとはねぇ、と自分のことでありながら何処か他人行儀に呟く。
「……ね、そろそろ君の話も聞かせておくれよ」
空になった徳利をつまみ上げ、左右に揺らす。
頬を机に付ければ、ヒヤリとした冷たさが伝わってきた。
「私ばかりが楽しむのは嫌いだろ?」
揶揄い混じりに笑ってみても、目の前の小さな彼は何も云わない。
「ねぇ、中也」
彼を自分の腕の中に抱き寄せる。
「君ってば、こんなに小さくなっちゃってさ 」
真っ白な布に包まれた四角い箱。
これには、暗闇で輝く炎のように気高く、美しい彼が眠っている。
「ほんと、ばかだねぇ」
強く、強く中也を抱きしめる。
「部下を庇ってこの有様とか、マフィア幹部が聞いて呆れる」
視界がきらきらと光りにじんでいく。
「君、それでもポートマフィア幹部かい?」
声が掠れて上手く話せない。
「ああ、でも」
柔らかな緋色の髪
宇宙を閉じ込めたような蒼い瞳
義理堅い性格
ころころと変わる表情
名を呼ぶ少し低い声
一回り小さな体
細く暖かな手
「わたしは、そんなちゅうやがだいすきだよ!」
”俺も” だなんて返事は返って来ないけど、私はあなたを愛しています