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ある所に木に囲まれた、小さな小池がありました。ある時、家族がその小池にやって来ました。お父さんとお母さん。そして、5人の子供達。みんな幸せそうに、遊んでいました。
すると、動物たちもやって来ました。リス、クマ、ネコ、イヌそして、ウサギがやって来ました。子供達と動物たちは一緒に遊びました。
お昼になりました。ご飯を食べ終わりみんなで、お昼寝していると、なんだか暑くなってきました。お父さんが起きて、周りを見渡すと、木に火が着いています。池の周りに、火が燃えて、もう逃げ場もありませんでした。みんなをお父さんは叩き起し、叫びました。
「水だ!水を!」
小池から、水をかけて、かけて、かけて。火は全く消えませんでした。その時クマが、小池に落っこちました。すると、お水が溢れて、周りに水たまりが沢山出来ました。火が少し消えました。動物たちは次々に、小池に自ら落ちて行きました。その度に火が消えていきます。大切な友達の命と一緒に消えていきます。
あと、5回位で火が消える所まで行きました。するとお父さんとお母さんが言いました。
「お父さんとお母さんは、飛び込むよ。君たちには生きて欲しいから。」
そして、お父さんとお母さんも小池に飛び込んで行きました。火はまだ残っています。あと、ほんの数回で消えそうになりました。すると、きょうだいの、1番年上のお兄ちゃんが、飛び込みました。飛び込む直前に言った言葉は、「生きろ」でした。火はまだ、消えません。
次に2番目のお姉ちゃんが飛び込みました。最後の言葉は、「愛してるよ、みんな」でした。火はまだ、消えません。
4番目のお兄ちゃんが泣き始めました。「みんな居なくならないで、」と。3番目のお姉ちゃんは、泣くのを我慢しながら、飛び込もうとしました。すると、4番目のお兄ちゃんが、言いました。
「お姉ちゃん、僕と一緒に行こ..こいつだけは生きて欲しいから..」
僕は、4番目のお兄ちゃんに撫でられました。「大好き、大好きだからな、生きて」と。僕は涙から溢れました。大粒の涙が、雨のように流れました。
どぽんと、音がなり、3番目のお姉ちゃんと、4番目のお兄ちゃんは、池の中に消えていきました。
火がやっと消えました。僕は、もう生きたくありませんでした。
「だって、みんないないから。」
みんなは生きてと言ってたけど、もう。嫌になりました。
家族は何よりも大切でした。血が繋がらない僕を、生かしてくれたから。橋の下で捨てられていた僕を、拾ってくれたから。何にも出来ない僕を、励ましてくれたから。笑えない僕を、笑わせてくれたから。虐められた僕を、助けてくれたから。再度、僕は、小池を見つめました。
みんな、幸せそうに、笑っていました。
涙はもう、枯れたのに、まだ、まだ、まだ、出てきました。大粒の涙。他人だった僕を家族にしてくれて、嬉しかった。優しくしてくれて、嬉しかった。沢山良くしてくれて、嬉しかった。
そして、僕は、焼け跡を後にした。これ以上いると、もう、自分が壊れそうだから。家族の優しさに触れた僕は、もう、心がいっぱいです。
あったかい、涙が出てきました。