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⚠︎ STGR 🏺 、 サブで 🟦
⚠︎ 空白 、 その他 捏造諸々有り . STGR にわか故 ミス多々ある 可能性 有 .
「 ねぇ 、 何それ ? つぼ浦 。 」
始まりは青井らだおの そんな一言 。
警察署のソファで うたた寝をしていたつぼ浦の元へ やってきたらしい 青井 。 現在 ステートに表示されている 警察は つぼ浦 、 青井の 二人だけ 。 何やかんや 仲が良い コンビではあるが 、 二人だけとは これまた珍しい 。 正確に言えば 起きてきている警察職の者は 他にも居るのだが 、 偶然にも 休みがかぶっているらしく 、 全く誰も 出勤する様子が 無いのだ 。
もう少し言うとすれば 、 今日は そもそもとして 街に人が居ない 。 大抵 人で溢れかえる街だが 、 これこそ 珍しく 、 恐ろしい程に 人が起きてこない 。 お陰で 犯罪も 全く起きない 。 警察として出勤しているが 、 ずっと 暇である 。
皆 お疲れ なのかもな 、
そんなことを ぼんやりと考えた らだおは 、 相変わらず 無線に入っていないらしい つぼ浦目当てに ヘリの練習から 警察署へと 戻ってきた 。 理由は 暇潰しとまあ それだけだ 。
それは 良いのだが 。 いつもの如く ソファに寝転がり 、 微睡んでいる様子の つぼ浦から 、 何か 生えているように見える 。
まあ 、 まあ 正直な所 、 尻尾らしきものを 揺らした住人が この街に居ない訳では ないのだ 。 だが 、 つぼ浦に そんなものは 今まで 一度たりとも 見かけなかった 。 彼の所属する 特殊刑事課の 対応課として ───── 不本意ながら ───── 特殊刑事課と 長く関わってきた 青井が 見たことがないのだから 、 流石に 気づかなかった可能性は 無いと見て いいだろう 。
ともすれば これは一体 。 新手のファッションだろうか ?
服飾関係に 疎い 青井の為 自身が知らない間に 流行っていた … なんて可能性も 考えてしまうが 、 別に そんな話は 成瀬等から 聞いたこともなければ 、 見たことも 殆ど無いのが 現実である 。
それとも 歪みだろうか ?
つぼ浦の腰元から伸びる 、 黒い枝らしきものの先に 白く可愛らしい花が咲く 尻尾と思わしきモノは この街で見かけたことはないし 、 ゆがみの一瞬で あの様な姿に なっているのかもしれない 。
まあ 、 それもこれも つぼ浦に聞けば わかる話 。 目を擦り むにゃむにゃ 何かを言いながら 身を起こすつぼ浦の尻尾を 指差し 、 青井は口を開き 、 冒頭へと繋がる訳である 。
「 ぁ … ? 何の話っすか 、 あおせん 、、 」
「 だーかーら 、 この 尻尾の ─── 」
「 っん ?!?! 」
まだ若干寝惚けた様子だった つぼ浦に わかりやすく 見せてやろうかと 尻尾を軽く掴み つぼ浦の視界に入るところに 持っていこうとしてみる 。 この街の尻尾は 感覚がないと どこかで聞いた 、 そのため特に問題はないだろうと 判断したまでである 。
しかし どうしたものか 。 尻尾を掴んだ瞬間 目をまんまるに 見開いたつぼ浦は 、 驚きとも 混じった 声を零す 。 しきりに瞬きする ばかりか 涙目になりつつある 。 普段のつぼ浦からは まるで考えられない姿に 思わず 青井が手を離せば 、 その尻尾を守るようにして 壁に背中をつけてしまった 。
「 、 さわんないでください 、 あおせん 、 」
「 …… それ なに ? 歪み ? 」
「 … まあ 、 歪みみたいな モンっすよ 。 」
歪みみたいなモン とは これ如何に 。 まあ 少なくとも 歪みでは ないらしい 。 つぼ浦の背中に ちらりと顔を覗かせる 、 まるで 破天荒な彼に似合わない 、 可愛いそれを眺めていれば 、 青井はふと もう一つの可能性を 思い出す 。
「 … ソレ 、 生えてんの ?? まさか 」
「 ……… 」
「 答えなきゃ 握るよ 、 尻尾 」
「 ロケラン撃ちますよ 」
「 署内で 撃つなよ 」
「 今 俺とアオセンしか いねぇし 。 」
「 というか 、 そんな反応してる辺り 当たってるんでしょ 。 」
「 ……… 」
結局また 黙り込んでしまった つぼ浦は 普段のよく回る口も 動かない 、 下手に 話せば 青井に言いくるめられたり 好きに弄られたりすることが わかっている為である 。 だからといって 上手く誤魔化すこともできず 、 見抜かれて しまったのが オチだが 。
とはいえ やはや 驚きである 。 つぼ浦から 生えていたことが 事実な以上 、 今まで 隠し通してきたのだろう 。 何やかんや 鋭かったりする 住人たち 、 伝書鳩を含む 観測者から よく隠したものだ 。
ただ まあ 、 隠したくなる理由も わからなくもない 。 普段のつぼ浦の姿に この可愛らしい尻尾は あまりにミスマッチが過ぎる というものだ 。 間違いなく 弄り倒される未来が 見える 。 それなら最初から 、 とは 思いもするが 、 やはり つぼ浦のキャラクターには 似合わない 。 それに 、 つぼ浦の反応からするに あの尻尾には 感覚があるのだろう 。 あんなものが ゆらゆら揺れていて 感覚があるとなれば 、 つぼ浦にとって 最大の弱点に なり得る 。 青井は 自分なら 隠すだろうな という 結論に至る 。 尻尾は 感覚がないという話だったが 、 つぼ浦自体が 歪みから 生まれた存在のようなものだ 。 まあつぼ浦だしな 、 で 片付けられるレベルなのが 現実である 。
しかし 、 先程考えた デメリット達は あくまで自分なら 、 の話 。 それが他人なら 、 ましてや つぼ浦なんて 普段は 大きな面をして 暴れ回る 後輩なら 、 自身の行動は ひとつだけである 。
「 ねぇ 、 それ もっかい 触らせてよ 。 」
「 ハ ? 嫌に 決まってんだろ 」
「 お願い 、 握りつぶしたり しないからさ ?? 」
「 いや 、 絶対 いやっす 、 」
「 … ふ 〜 ん 、 俺以外に このこと 知ってる 住人 いんの ?? 」
「 …… まあ 、 叔父 くらい 、、 」
「 叔父 ? … あぁ 、 あれね 。 それ以外 居ないんだ ?? 」
「 居ないっす 、 アオセンにも バラす予定は なかったんですけど 」
「 まあ 、 お前が 無防備に 尻尾揺らして 寝てんのが 悪いよね 」
「 … それで 、 何すか 。 」
「 触らせてくんなかったら 警察署員に バラすよ 、 コレ 」
「 … ちょ 、 おい 、 アオセン 、 」
「 つぼ浦が 触らせてくれたら 俺だけの秘密に してあげる 。 あー 、 流石に 警察以外に 言う気は ないけど 。 」
「 や 、 けど 、 その 、 」
「 キャップにまで 隠してたんなら すごいね 、 最初に言ってあげるよ 。 」
「 待ってください アオセン 」
「 ん 、 またな 〜 い 」
「 いや 、、、 。 触って 、 いいんで 、 バラすのは …… 」
「 お 、 ありがとね つぼ浦 〜〜 ? 」
中々に 迷いを見せつつも諦めて 尻尾を見えるように した つぼ浦に 、 青井は にんまりと 笑みを浮かべた 。
実際のところ 、 青井は 署員たちにバラすつもりは 全くなかった 。 理由は 前述した デメリットの 主に後者である 。 知る者が増えれば それだけ話は漏れやすい 、 下手にバラせば あっという間に ギャング共にも 伝わってしまうだろう 。 まあ後は 、 この面白そうな尻尾を 独り占めしたいという 子供じみた 願望と 、 少しばかりの お情け 。
しかし それらの気持ちを 一切表に出さず つぼ浦から しっかりと許可をもぎ取った 青井は 、 嬉々として 尻尾に手を伸ばそうとする 。
そこでふと 気がつく 。 つぼ浦の尻尾が 床スレスレに 揺れている 。 先程は 寝転がっていたのもあるが 下に揺れていることは なかったはずだ 。
まさかコレ 、 犬や猫の尻尾みたく つぼ浦の気分を そのまま示す的な アレでは ??
残念ながら猫アレルギーの青井は 猫の尻尾事情には 全くもって詳しくないのだが 、 犬はよく関わるし そうでなくても 今の状態が 気分悪いんだろうなー くらいは わかる 。 というか それが直ぐにわかる程度には わかりやすく 下に揺れている 。 もし この思いつきの仮説が 正しければ 、 何かつぼ浦にとって 嬉しいことをしてやれば 尻尾の動きが 変わるのではないだろうか 。
触ろうとしていた手を 引っ込めたどころか 急に何かを考え出した 青井を見て つぼ浦は 心底怯えていた 。 偶々 ヘルメットを外していたせいで 無駄に真面目に考える顔が 曝け出されていたのが 原因だろうが 。
つぼ浦は 青井が 非常にイイ性格をしていることを よく知っていたが故に 、 今から何をされるのかと それはもう 可哀想なくらい 怯え切っていた 。
暫しそうしていた 青井が ようやく口を開いて 、 ポケットを 弄りながら 。
「 つぼ浦 、 ロケラン 弾あげる 。 」
「 … ハイ ?? 」
「 あー でもやっぱ ないや 。 二千万だっけ ? 今日何番 ?? 」
「 は ? え ? あ 、 32番 っす 」
「 はい 、 これで 弾買いな ?? 」
「 、 まあ よくわかんねぇけど あざっす 」
「 ん 」
番号を聞いて 即座に 二千万円を 送金してやる 。 幸いにも今 貯金は十分にあったし 、 最悪 少しくらい苦しくても 出す価値はあるだろう 。
つぼ浦は といえば 、 いきなりの送金に 困惑を隠せないながらも 貰えるものは貰っておけ精神の為か 喜んで受け取った 。 青井が何を考えているのかは 相変わらず読めないが 、 とりあえず 二千万円は 懐に入ったのだから 。
そして 、 後で買いに行こ 、 なんて ぶつぶつ 呟いているつぼ浦を じいっと見つめていた 青井は 、 再び にまっと笑顔を 浮かべた 。
見事に青井の予想は 的中したのである 。
先程まで 床につかんとしていた尻尾は 今や正反対に 、 天井に向かって 上がって 嬉しげに揺れている 。 犬が喜ぶ時のアレを 想像すれば まるで 、 面白いくらいに 一致した 。 元々が 狂犬のような男であるが 、 今の姿は 子犬と変わりない 。 予想こそ していたとはいえ 、 ここまでわかりやすく 感情を示すと 思っていなかった青井は 吹き出した 。 それから スマホを構える 。
つぼ浦は 撮らないでください 、 なんて 慌てて 言っていたが 、 誰にも 見せないからと 押し切り ピースをさせる 。 ピースする つぼ浦の背中に 白い花が ぶんぶんと揺れている様を 動画に収めた 青井は その後暫く 機嫌がよかったという 。
余談だが 、 つぼ浦は 写真だと思い込んでいたこと 、 加えて 基本誰にも言ってこなかった為に 感情を写すのを 知らなかった為に 青井に 動画を見せられた際 、 割とガチ目な顔をして 削除を迫った 。 結果として 秘密も握れば 弱みも握った青井に 敗北したのだが 。
子犬のような その様を 疲れた時に しばしば眺めるようになった 青井だが 、 それを 成瀬やまるん含む 他の署員たちに 盗み見られていたのは 、 また 別のお話 。