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冬乃「良いですか?絶対にひどい怪我させないで下さいよ!?一応この子達を育ててきた私の前でこの子達を潰そうって言ったんですからね!?」
剣豪の前で、冬乃が通せんぼをするようにまくし立てる。
剣豪「分かってるって……」
冬乃「本当頼みますよ……」
そう言ってようやく剣豪の前を離れる。向こうでは盗賊が騒いでいる。
狩人「盗賊君どうするの!?あんな立派なフラグまで建ててさあ!」
狩人が盗賊の肩を揺する。
盗賊「大丈夫だって!」
魔法使い「そういえば巫女ちゃんは実戦経験ないって話だよね?」
巫女「はい……元々私が扱える魔法が補助系なので、皆さんのサポートに回ろうと思います」
盗賊「んじゃ、作戦は……」
狩人「あの、ちょっと良いかな?」
盗賊「ん?」
狩人「実はさ……俺もなんだよね」
魔法使い「何が?」
狩人「……俺も戦ったこと無いんだ……」
一瞬、場が静まり返る。
盗賊「えぇーっ!?マジで!?弓矢は!?」
狩人「護身用というか、脅しで持ってたというかお飾りというか……」
魔法使い「使ったこと無いの!?」
狩人「いや使ったことはあるよ?……畑を荒らすイノシシとか仕留めたり……」
魔法使い「はぇー……まあそれだけ出来たら行けるんじゃない?」
狩人「大丈夫かな……」
剣豪「おーい!そろそろ始めるぞ」
剣豪が呼び掛けると、全員が戦闘態勢に入る。
剣豪「お前らのタイミングで始めてくれ」
盗賊「んじゃ遠慮なく……いっくぜー!」
盗賊が言うと、まず剣豪に向かって突進する。ナイフを構え、投げる。
剣豪「おっ、良いスピードしてんなお前!」
ナイフをすべて剣ではね飛ばし、剣豪が言う。
巫女「『力の陣』!」
巫女が魔法陣を展開する。
狩人「『爆雷矢』!」
狩人が叫ぶと、光の矢が放たれる。巫女の技もあってか、威力が増している。狙いは剣豪だ。
剣豪「おっと……なかなかやるじゃねぇか」
ジェネ「(あいつなかなか良い目してるな……)」
ジェネラルはそう思い、マシンガンを狩人に向けて撃つ。
狩人「わわっ!」
狩人の矢の攻撃が止まった。弾丸から逃げ回るので精一杯だ。そこを、剣豪が近づいていた。
巫女「『守りの陣』!」
間一髪で剣豪とジェネラルの攻撃を、巫女が巨大なバリアで防いだ。
狩人「ありがとう!(盗賊君がジェネラルさんの後ろに……!今のうちに……!)」
盗賊「(案外簡単に回り込めるじゃねえか!……!今だ狩人!挟み撃ちだ!)」
盗賊の思いが伝わったのか、狩人の矢が 光り出す。
狩人「『爆雷矢』!」
盗賊「『ソウルスティール』!」
光の矢がジェネラルめがけて放たれる。後ろからは盗賊がナイフを手に突進する。しかし、ジェネラルはとっさに地面に伏せた。その後光の矢が捉えたのは、他でもない盗賊だった。
盗賊「なっ!?」
狩人「……!ごめん!盗賊君!」
そう狩人が叫んだ瞬間。パリンと音がした。見てみると、巫女が倒れていた。
狩人「巫女さ……」
そう言いかけた狩人を、剣豪が切りつけようとする。しかし、弾丸の方が速かった。狩人が地に伏すと、残るは魔法使いだけだ。
魔法使い「ありがとう!準備万端よ!『フレイムランス』!」
いつの間にかほうきで空を飛んでいた魔法使いがそう叫ぶと、無数の炎の槍が3人を襲う。剣豪とジェネラルを背に庇い、魔法少女が前に出る。
魔法少女「あとは任せといて。『アイスショット』」
魔法少女がそう言うと、炎の槍に向かって氷の弾を打ち出す。
魔法使い「(ふざけてるの?そんなもの簡単に焼き付くし……!?)」
氷の弾は炎の槍を貫いて魔法使いに襲いかかる。
魔法使い「(嘘でしょ!?こうなったら……!)『エアスラッシュ』!」
炎の槍が、さらに燃え上がる。しかし、氷の弾はお構い無しで飛んでくる。
魔法使い「えっ!?」
魔法使いが驚いている間に、氷の弾が魔法使いを貫いた。
冬乃「ねえ!あれのどこが分かってるなんですか!?大人気ないにも程がありません!?ねえ!聞いてます!?」
冬乃が剣豪に向かって叫ぶ。
風神「大丈夫よ!全員生きてるわ。」
冬乃「本当ですか!?よかった……」
風神の言葉で、冬乃はほっと胸を撫で下ろす。
魔法少女「にしてもさ、ジェネラルさんあれは無いでしょ?同士討ちさせるなんて……ねえ、なんか言いなさいよ」
魔法少女がジェネラルをつつく。
ジェネラル「……あいつら挟み撃ちを最強技だと思い込んでるから。お前こそあれはあいつら舐めてただろ」
魔法少女「だって上位魔法が最強だって思い込んでるもん。他の3人に庇わせて準備までしてたし」
ジェネラルに言われ、頬を膨らませる魔法少女。
冬乃「お二人共、どんぐりの背比べって知ってます?」
それに冬乃は呆れて返す。
剣豪「そういやお前、前半何してたんだよ」
魔法少女「正直2人で十分だったでしょ?私が身を引いてあげたのよ。それに、あっちも3人だったしね」
雷神「お疲れ様!いやー強かったね!」
剣豪「ああ。まあ、まだ子供だし、それにしちゃ強いんじゃねぇか?こりゃ、しごきがいがあるってもんだ」
一方、剣豪の教え子達は依頼に駆り出されていた。徐々に依頼の数も増え始め、依頼料も徐々に高くなっていった。
騎士「さて依頼はこれでOK……」
単独で駆り出されていた騎士。帰ろうとすると、ダンジョンの入り口が目に留まった。
騎士「……(ちょっと早いし、良いか。これで反応速度さんやゆゆゆさんの手がかりが掴めればいいけど……)」
騎士はダンジョンの中に入っていった。中はとても狭く、とても複数人入れるとは思えなかった。
騎士「(いや……一人でもきついかも……重戦士ちゃんや狂戦士ちゃんみたいにあんなでかい剣担いでたらとてもじゃないけど入れないし、入っても剣は使えないだろうなぁ……)」
そんなことを考えながら、迫り来る敵を次々となぎ倒していく。
騎士「(ちょっとこれ……こんな狭いところにこんなにいっぱい……師匠はこのモンスター達にはリーダーがいるって言ってたけど、だとしたらそのリーダーは何考えてるんだろう……って、余計なこと考えちゃダメだ……よし、ここは強行突破しかないか)『絶炎衝』!」
炎を纏った剣を構え、突進する。目の前から敵が消えた。後ろから襲ってくる気配も無い。
騎士「特に何もない……か……寄り道して危険なダンジョンまで潜っちゃったし、帰ったら師匠に叱られるかな」
剣士「依頼完了!お疲れ重戦士ちゃん!」
重戦士「ああ。お疲れ様。」
別のところでは、剣士と重戦士が駆り出されていた。
剣士「さて、帰ろっか!……あっ、やっぱあそこのダンジョン行ってみよう?」
重戦士「おい剣士……後で師匠に叱られるぞ……」
剣士「良いじゃん!証拠隠滅は任せといて!ささ、レッツゴー!」
剣士に手を引かれ、2人はダンジョンの中へ。
剣士「ほら!サクッと行けたじゃん!ね?大丈夫だったでしょ?」
重戦士「そういう問題じゃ……!何だ!?この魔力……!」
剣士「……!本当だ……!何だろう……」
2人は奥の方へ走って行く。すると、2人にとって見慣れた影があった。
重戦士「……!あれって……」
剣士「……反応速度さん……だよね?」
そう。その影は反応速度のものだった。2人は岩影に隠れ、反応速度の動きを見た。
反応速度「承知です。鉄鉱山ダンジョンっすね?……ええ。分かりました。」
そう言って影は消えた。
剣士「声も完全にそうだよね……」
重戦士「……一回帰った方が良いな」
剣士「うん……」