放課後、教室に残っていた俺は、ふと窓の外を見ると、鳴神が元気よくやってくるのが見えた。彼の表情はいつもより明るく、なんだか嬉しそうだ。
「師匠!ちょっといい?」と鳴神が教室に飛び込んできた。
「おう、どうした?」と俺が尋ねると、鳴神は少しドキドキした様子で言った。「実は、愛梨のことで話があるんだ!」
「愛梨?お前、まさか……恋バナか?」俺は興味津々で聞き返した。鳴神は頷き、顔が赤くなっている。
「最近、愛梨ちゃんとちょっと話す機会が増えたんだ。なんか、いい感じになりそうで……」彼の目はキラキラと輝いている。
「おお、そうなのか!それで、何かアクションを起こしたのか?」俺はワクワクしながら聞いた。
鳴神は少し照れくさそうに「まだ、直接的なことは言ってないけど、愛梨ちゃんが何を考えてるのか知りたくて……」と口を閉じた。
「それなら、今度お前が思い切って話してみればいいじゃん。愛梨ちゃんは冷たそうに見えるけど、意外と優しいところもあるから」と俺はアドバイスした。
「そうだよな、師匠。愛梨ちゃんがどう思ってるか、ちゃんと聞いてみたい!」と、彼は元気を取り戻した様子で頷く。
その瞬間、愛梨が教室に入ってきた。「何か楽しそうな話してるの?」と、少し警戒した目つきで尋ねる。
「いや、特に何も……」と俺は言い訳をするが、鳴神は「えっと、愛梨ちゃん、ちょっと話があるんだけど」と勇気を振り絞った。
愛梨は少し驚いた顔をし、興味深そうに「何?」と聞き返す。鳴神は一瞬言葉を失ったが、すぐに思い直し、「あ、あの……最近、愛梨ちゃんと話すのが楽しくて、もっと仲良くなりたいなって思ってる」と、意を決して言った。
愛梨は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに元の冷たい表情に戻った。「ふーん、それだけ?」と返した。
「それだけじゃなくて、もっと色々話したいんだ!」鳴神は少し焦り気味で続けた。
「別に、いいけど……」愛梨が言ったその瞬間、鳴神の目が輝いた。「本当!?じゃあ、今度一緒に遊びに行こう!」
「はぁ?別に遊びに行くって決まったわけじゃないけど」と愛梨は少し困ったように言った。
それを聞いた鳴神は、「あ、そうだよな!じゃあ、機会があれば……」と気を取り直して言った。
愛梨は「別に、無理しなくてもいいし、気が向いたらね」と少し冷たい口調で返し、教室を出て行った。
「お前、愛梨ちゃんにどう思われてるか気になるだろ?」俺が聞くと、鳴神は「うん……でも、ちょっと不安だな。どう接したらいいか分からなくて」と少し沈んだ声で答えた。
「お前らしい感じで接すればいいんじゃない?ありのままの自分で行け」と俺は応援した。
鳴神は少し元気を取り戻し、「ありがとう、師匠!頑張るよ!」と言って、教室を後にした。愛梨との関係がどう進展するのか、俺も少しワクワクしながら見守ることにした。
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