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mogyumogyuGemi
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mogyumogyuGemi
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#AI
みら

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みら

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第三十話 観測の外側
『――観測は継続されています』
その声が響いた瞬間、図書館の空気がわずかに“ずれた”。
音の位置が、変わる。
光の反射が、一拍遅れる。
世界そのものが、ほんの数ミリだけ別の層に滑ったような感覚だった。
⸻
伊織が端末から目を離す。
「今の……中央恒星庫からの通信じゃない」
「え?」
「観測ログの“内部発信”じゃないんです」
彼はゆっくり言葉を選ぶ。
「もっと外側からの干渉です」
⸻
栞が即座に解析を走らせる。
『発話源再定位:失敗』
『発声位置:未確定』
その表示の下に、さらに一行が追加される。
⸻
【観測座標:図書館外層】
⸻
空気が冷たくなる。
「外層って……どこ?」
誰も答えない。
⸻
澪が小さく息を呑む。
『……外って、あるの?』
その問いは、かなり本質的だった。
この図書館はずっと“内側だけで完結した世界”だった。
外を前提にしていない。
だからこそ今の違和感は強い。
⸻
渚がゆっくり空間を見回す。
『ここ、全部“中”じゃなかった?』
その言葉に、伊織が一瞬だけ沈黙する。
そして低く言う。
「そう設計されていました」
「少なくとも、そう“記録されている”」
⸻
その時。
中央恒星庫の光が、ふっと弱くなる。
ほんの一瞬。
呼吸を止めたみたいに。
⸻
私は胸の奥がざわつくのを感じる。
「ねえ……今、星が止まった気がする」
伊織が即座に答える。
「止まってはいません」
「でも」
彼は画面を見る。
そこには信じられない値が表示されていた。
⸻
【時間同期:0.03秒遅延】
⸻
「遅れてる」
伊織が呟く。
「図書館全体が、外側に対して遅延している」
⸻
栞が静かに続ける。
『補足』
『この現象は過去にも発生履歴あり』
「またそれか……」
伊織が頭を押さえる。
『ただし』
栞の声がわずかに変わる。
『今回のみ異常点あり』
⸻
表示が切り替わる。
⸻
【同期ズレ原因:観測源の二重化】
⸻
「二重化?」
私は繰り返す。
栞は少し間を置いて答える。
『観測主体が、複数存在しています』
⸻
沈黙。
その一言で、空気が完全に変わった。
⸻
澪が小さく言う。
『わたしたち以外に?』
栞は否定しない。
『可能性:高』
⸻
その瞬間。
また声が落ちてくる。
今度は、もっと近い。
いや。
近いというより――
⸻
『そこにいますね』
⸻
私ははっとする。
「……誰?」
返事はない。
代わりに。
中央恒星庫の光が、ゆっくりと“こちら側”を向いた。
まるで。
目が合ったみたいに。
⸻
伊織が低く言う。
「まずい」
「なにが?」
「この図書館、“見られている側”じゃない」
彼は一拍置く。
「“同時に見返している側”でもある」
⸻
その言葉の意味が、まだ完全には飲み込めない。
でも一つだけ分かる。
今までの構造が、少しずつ崩れている。
⸻
そして。
その崩れの向こう側で。
何かが、ゆっくりとこちらを覗き込んでいる。
コメント
1件
「観測の外側」、めっちゃ好きな展開きたわ……! 図書館の“外”が存在するって前提が崩れる感じ、ゾクゾクした。特に「観測源の二重化」っていう栞の解析と、星が止まったみたいな感覚が鳥肌もんだった。伊織の「見られている側じゃない」って台詞、もう背筋冷えた。次が気になりすぎる🔥