あの後。スクールに戻った風夜は一直線に地下教室に行くや否や、みんなの前にスライディング土下座をした。
「ほんっっっとうに、申し訳ありませんでしたぁ!!」
帰って来るや否やそう言ってスライディング土下座をかました風夜に、スクールメンバーは一同きょとんとしていた。
『???』
しばらく無言なメンバーが怖くなったのかそろそろと顔を上げた風夜を見て、すまない先生が微笑んだ。
「おかえり、風夜くん」
そう言って頭を撫でる。風夜は少しの間驚いたような顔をしてその後、ふわりと笑った。
「……ただいま。先生、みんな」
『おかえり!風夜』
数日後。
「にしても腕折れてて、よく平然としていましたね」
「あー……えっと、アドレナリン?だっけ?それであんま痛み感じなくてさ」
風夜はたははと頬を掻く。
「分からなくもないですが……貴方、あの後帰ろうとしましたよね?」
「ギクッ」
「いくら痛みがないとは言え折れてるんですから、ちゃんと治療してください」
「うぅ……はい……」
ブラックに説教されながら闇風夜の拳で折られた腕を診てもらっていた。
「……問題無さそうですね。動かさないようにしていれば数週間で治るでしょう」
「ありがとう、ブラック」
____トクンッ
(もしかして僕の腕折った事まだ悩んでる?)
風夜は自分の内に問いかける。答えは無いが小さく笑う。
(僕の痛みは君の痛み。また君の痛みも僕の痛み。だから気に病む必要は無いよ)
ガララッ!
「おはようございます!改めて、よろしく!」
風夜は記憶を取り戻したが元の名前を名乗る事は無かった。今は“風夜”としての生活が幸せだから。
____こうして記憶を取り戻した風夜は
新たな日々を刻み始めた____
〜END〜
コメント
4件
完結おめでとう!最期まで素敵なお話だったよ! 風夜スライディング土下座したの?!大事な場面なのにそこでめっちゃ笑っちゃった♪想像するとつい笑ってしまうw あと風夜腕折れてたの?!よく動けるよね…すまない先生の血でも流れてる?しかもその後帰ろうとしたなんて…問題児ですな… 最高のお話をありがとう!
おめでとう!イヨッシァ!!いえええええい!テンション高いけどおめでとう!良かったね!
完結おめでとうございます!! 裏での作業が忙しくてコメントは出来なかったけどちゃんと見てました!毎度毎度最高でした!! 本当に風夜は文章が上手……✨ のんびり無理せず頑張って下さい!