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ニィッと自分でもわかるぐれェ悪い顔で笑っていうと、女の子は目を大きく見開いてしばらくぼーっとしていた。
その間に次のテストの順番が来たのに気づいて、めんどくせェと呟きながら待機場所に向かおうとした。
が。
「翡翠ちゃんっ!!!」
『!……あんだよ、うるせェぞ』
「ごめん!」
さっきの女の子が、歩きだした私に気づいてはっとしたように大声で呼びとめた。
いきなりの大声がうるさくて耳をふさぎながら、いやそうな顔で振り返る。
「っありが、とう!!」
『!』
すぅっ、とでかく息を吸ったと思ったら、今度はさっきより小さく、でもしっかり私に聞こえるぐれェの声で叫んだ。
その女の子の顔は、本当に幸せそうな顔で。
なんかわかんねェけど、一瞬息が止まった。
「……あれ、翡翠ちゃん?」
『っ!……いや別に私はなんもしてねェだろ。ただオマエが思ってることがすっげェバカらしくてムカついただけだ』
「でも、私は嬉しかった。自分の間違いに気づけて良かったよ」
『っ~!あーっもーオマエうっせェ!!』
固まった私に、女の子がどうしたの?っていう顔で覗いてきて、慌てて動き出すとくすっと笑われた。
それにムカついて嫌味を吐くと、気づいてねェみてぇに笑われて、私はいろいろでそうになった言葉を抑えて思いっきり足音を立てながら次の競技に向かった。
がんばってねー、だのなんだの聞こえたきがしたが、気のせいだ。顔が赤くなるのも、全部全部気のせい!