テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
マックス→⚙️
カート→🦾
__________
マックスとは数年間同じ一室で過ごしているが、未だに分からないことだらけだ。
例えば、『節電だ』と言って極力電気を使いたがらないかと思えば、浮いた金をゲームで消費しまくる。楽しいから許す。
例えば、『これ好きでしょ』と言ってわざとゲテモノを渡してくる。悔しい事に、意外と好きになってしまうものだらけ。
例えば、食べられないのにナマモノの食材を買ってきて料理をする。ストリートチルドレンとやらに渡しに行く優しさが、実は好き。
だから、帰って来て部屋が真っ暗だろうが、気にした事はない。
ガチャ…
🦾「ただいまー…」
・・・。
🦾「マックス?」
返事がない。
まだ帰って来ていないのだろうか。
そう考え、リビングの扉をガチャリと開ける。
🦾「…………。」
扉を開けて右手には、使われることがそうそうないキッチン。そこから見渡せるように小さなリビングが広がっている。
ソファ、その前にテレビ、間を割るように机があって、机の上にいつも一緒に遊ぶゲーム機が雑に置かれている。
いつもなら、ソファに座って「おかえり」と言うマックスがいるのだが、今日は。
異様な程無機質なマックスが壁にもたれていた。
🦾「マックス……まっくす、、、?」
部屋が荒らされた形跡は無く、マックス自身も争った感じは見受けられない。
部屋の鍵は閉まっていたし、そもそも金目のものなんかこのアパート自体にあるようには思えないだろう。強盗する価値無しだ。
マックスは“軍人の護身”用として体術は最低限身に付けているから、下手に負けることもない筈だ。
何故。何故、何故何故何故???
何故倒れている、、、、、、?
🦾「、、、、、、、、、、、、、、、」
🦾「、、、、、、、、、ま…」
ブゥン。
⚙️「ぁ…れ?カートくん帰ってきた?おかえり〜………って顔!?なんでそんな不機嫌な顔してんの?!すっごいシワっとしてるよ?!…何?俺が電気付けてないから?ゲーム機片付けてないから??ソファじゃなく床に座ってたから?!勝手に顔パーツの液晶電源落としてたから?!?!」
🦾「……うるさい」
⚙️「カートくんの事についてじゃん…」
⚙️「何か、嫌な事でもあったの?」
🦾「、、、、、、。」
🦾「お前、なんでこんなところで電源落としたんだよ」
⚙️「え?あぁバッテリー危うかったんだよね〜。でも、中途半端な時間に充電しちゃうとその後の行動時間が狂い始めちゃうから……電源落としてバッテリー保ってたの」
🦾「………。」
⚙️「あ、分かったー、俺が壊れたんだって思って焦ったんでしょ〜?」
🦾「あぁ」
⚙️「ってそんなわけ………え???」
🦾「壊れたと思って、怖かった…。」
⚙️「え…ぁ、ぇ、、、、、、その、ごめん…ね…?」
🦾「今度からは絶対にやめろ」
⚙️「……はい、、、、、、、、、」
床に座りっぱなしのマックスに抱き着く。
生きている。
良かった。
マックスの事が、自分が思っている以上に大切なんだと…今日、初めて思い知らされた。
⚙️「ねぇ、カート?」
🦾「、、、、、、、、、、、、。」
⚙️「俺、カートの事が大切なんだ 」
🦾「、、、、、、、、、、、、だからなんだよ」
⚙️「絶対に置いていかないからね」
🦾「、、、、、、頼んでねぇ」
⚙️「じゃあ、覚えておいてね」
⚙️「カートが思ってる以上に、俺はカートの事が大切だから」
🦾「……うん」
バッテリーがギリギリの状態だからなのか、身体を動かすことも無く、 声だけで伝えられる“大切”。 他のやつなら口だけだと思うが、マックスが言うとすんなり信じてしまう。
🦾「……マックス」
⚙️「なぁに?」
🦾「俺もお前大切だから。有言実行しろよ」
⚙️「、、、、、、、、、ふはっ(笑)」
⚙️「うん…うん、わかった」